
あの人が住むのはどんな部屋?クリエイターのリノベ4選
お気に入りのインテリアショップの店員さんや、行きつけのコーヒーショップのマスター。
おしゃれなあの人はどんな部屋に住んでいるんだろう…と気になることはありませんか?
今回は個性が光る4つのお部屋を、そこに住むクリエイターの職業と一緒にご紹介。
「あのお仕事をする、あの人だからこそ」の空間づくりのアイデアを、盗み見してみましょう。

物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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Case1. インテリアショップスタッフ Sさんのお部屋
リノベーション事例:「SIMPLE×SOZAI」 (神奈川県川崎市)
人気インテリアショップに勤めるSさん。
普段はいわゆるリサイクルショップと呼ばれるような場所で家具を選ぶことが多いということですが、その審美眼はさすがのもの。
そんなSさんがリノベーションのテーマにしていたのが『飽きがこない部屋』というフレーズ。
家具が大好きだからこそ、ときめくテイストはこれから時間とともに移り変わるかもしれない。
そんなことを思って、どんな家具も受け入れるような汎用性と、オリジナリティのバランスをうまく取ることでデザインしていきました。
ダイニングスペースの床には、フレキシブルボードを使用。
モルタルのような風合いで、主に外構に使われるような素材です。
セメントと繊維で出来ているのでモルタルよりフラットで、柄が印刷されているPタイルよりも自然な風合い。
そんな床の上には、Sさんとご主人がインテリアショップを巡って1つ1つ買い揃えたインテリアがゆったりとレイアウトされています。
材質やカラーが統一されているわけではないのに、しっくりとまとまるSさんのインテリア。
プレーンなフレキシブルボードの質感が、1つ1つをうまく繋ぐまとめ役を買っています。
Case2. コーヒーグッズメーカー勤務 Hさんのお部屋
リノベーション事例:「VINTAGE×アンティーク」(埼玉県川口市)
こちらはコーヒーグッズメーカーに勤務するHさんのお部屋。
仕事のつながりで訪れたカフェから、部屋づくりのヒントをたくさん得たのだそう。
最初にイメージしたのは、イギリス・ロンドンにある WORKSHOP COFFEE というカフェ。
長い間使い込んだようなヴィンテージ感をレンガや亜鉛菅で表現している店内に一目惚れし、
いつかはあの空間に住んでみたい!と考えていたのだそう。
ご主人が一番こだわったのが、腰壁にブラックのタイルを貼ったキッチン。
こちらは青山の“THE LOCAL”というカフェのタイル張りのカウンターを再現したんだそう。
知り合いを伝ってタイルのメーカーまで教えてもらい、そのカフェと同じタイルを張ったというこだわりようです。
バックカウンターには、選りすぐりのコーヒーグッズやポットなど、夫婦のコレクションをディスプレイするように並べています。
Case3. 店舗設計デザイナー Sさんのお部屋
リノベーション事例:「Ample」(神奈川県横浜市)
写真右側に映る奥様は、お仕事で店舗の設計を手がけています。
お部屋のリノベーションを振り返ってSさんは、「店舗の設計は華やかさやインパクト重視で、機能性は意外と二の次になったりするんです。
24時間ずっと過ごす家だからこそ、気に入らないものは1つも無いようにして、
どうしたら居心地がよくなるかを考えていました。」と話します。
居心地を追求しながらも、訪れた人に驚きを与えるような部屋にしたい!と、設計デザイナーならではの視点で考えられたのが玄関のベンチ。
広い面積に使用したモールテックスの表情が、住まいとは思えないような高級感を演出します。
ベンチの背板は安多化粧合板というメーカーが扱うナラの合板。
過去の店舗設計でも使用したことがあり、その品質の高さを気に入って自宅でも取り入れてみたいと思っていたんだそう。
しかもこの板材、Sさんの出身地である北海道旭川の大雪山で採れたナラが使われています。
郷土が同じこの板材にシンパシーを感じ、部屋のシンボルとして一番目立つ場所に使用したのでした。
Case4. ヴィンテージショップスタッフのお部屋
リノベーション事例:「BRITISH×アンティーク」(東京都世田谷区)
元々夫婦ともにアパレル関係のお仕事をされていたO夫妻。
奥様はイギリスの古着やインテリアを扱うお店のスタッフだったそう。
奥様自身も大好きだというブリティッシュヴィンテージの世界観を、
ダークグリーンの壁や宮殿を思わせるトラッドパーケット柄の床で表現しました。
このお部屋の見どころは、何と言ってもウォークインクローゼットです。
イメージソースとなったのは、映画『Kingsman』に登場するロンドンの街並み。
格式あるブランドショップが立ち並ぶロンドンでウィンドウショッピングをしているときのワクワク感を、
ガラス窓のあるパーティションで再現しています。
たくさんある洋服の収納スペースをどう確保しようか悩んでいる中で思いついたというショップのようなWIC。
パーティションの内側もセレクトショップのようにレイアウトされ、
ヴィンテージショップの店員時代に培ったセンスが存分に活かされています。
最後に
様々な業種で活躍するクリエイターのアイデアやセンスが光る4つのお部屋、いかがだったでしょうか。
オンとオフをきっちり分けるのもいいけど、常に触れていたいような世界観がお仕事と住まい、
どちらにも共通して取り入れられていると素敵ですよね。
部屋づくりにおける優先順位や生活動線を考える時、お仕事という目線を取り入れるのも重要なポイント。
リノベ後の暮らしでは、他にも様々な職業の方のリノベーションをレポートしているので、ぜひ参考にしてみてください。