モデルの斉藤アリスさんとお届けする、ご自宅のリノベーション日記。
物件探しから、工事中の現場のレポートまで。アリスさんと一緒に、はじめてのリノベーションを楽しく進めていきましょう!
[ Vol.12 Pタイルって何? ]
前回、キッチンにも様々なタイプがあるということを学びましたよね。
今回は、アリスさんがキッチンの床にも使用した「Pタイル」という素材についてのお話をさせていただきます。
みなさん、Pタイルってご存知ですか?
「タイル」はわかるけど、「P」ってなに?という感じでしょうか。
かくいう私も、nuリノベーション(以下、nu)で働きはじめるまでは、その存在をまったく知りませんでした。
あらためて説明しますと、Pというのは、Plastic(プラスチック)の頭文字をとっていて、
正確には塩化ビニルタイルの総称です。(塩ビタイルと呼ばれていることもあります)
塩化ビニル樹脂や炭酸カルシウムなどの原料を混ぜて作られた素材で、厚みは3mm程度。
一般的に、ベニヤ板などの上にボンドで接着することで、床材としての役割を持たせています。
特徴としては、
・水や油に強い
・強度がある
・低コスト
・施工が簡単
・色や模様がたくさんある
などなど。
水や油に強く、強度がある素材ということは…
住宅に使用するには、メリットがたくさんある素材だということがなんとなくわかりますでしょうか。
nuリノベーション(以下、nu)では、水回りにPタイルを使用するお客様が多くいらっしゃいます。
たとえばこちらのお宅。
こちらのお宅では、キッチンの床にPタイルを使用。
東リさんの、グラノーブルというシリーズのタイルで
薄いグレーの色味をチョイスしています。
タイルとタイルの間の「目地」と呼ばれるつなぎ目はブラックにして
タイル1枚1枚の存在感を際立たせていますね。
つづいて、
こちらのお宅もキッチンにPタイルを使用。
ブラックのチョイスが空間のアクセントになり、
空間を引き締める良い効果が生まれています。
こちらも東リさんのもので、ピエスタというシリーズ。
最後に、
洗面にPタイルを使用した事例です。
実はこちらで使用しているのは、
最初にご紹介したお宅のタイルとまったく同じもの。
(東リさんのグラノーブル)
目地をなくし、シームレスな印象になるだけで
ここまで表情が変わって見えるんです!
選ぶ色味と目地の色、使う場所によっても印象が変わる、なんとも面白い素材、それがPタイル。Pタイルのこと、なんとなくわかってきましたか?
私がなんでここまでPタイルについて語っているかというと、
なんとなく、本当になんとなくですが、今までPタイルって、“しょうがなく” 選ばれていたように思うんです。
というのも、本当は磁器質タイルや無垢フローリングを使いたいけど
ちょっと予算オーバーだという時に選ばれるのがPタイル、というケースが多いのです。
そうなると、憧れの素材、というよりはコストカットのための商品、みたいな立ち位置に自ずとなってきてしまうわけで。最初から「Pタイルを使いたい!」っていう人ってそうそういなかったな、と気がつきました。
でも、ここまで読んでいただいた皆さんはお気付きの通り
Pタイルって優秀な素材ですよね。
おさらいをしますが、
・水や油に強い
・強度がある
・低コスト
・施工が簡単
・色や模様がたくさんある
こんなに!良いところがたくさんあるんですから。
アリスさんも、水周りの素材には迷わずPタイルを選びました。
「Pタイルと似たもので、フロアタイルというタイルもありました。どちらも施工方法やコスト面では変わらないのですが、Pタイルは原料を練り合わせたものを焼いてつくられていて、フロアタイルは柄を印刷したシートを挟み込んでいるもの。フロアタイルは印刷した部分と、それを貼るためのベースの材料が層になっているので、傷がついた時にベース材の色が出てきてしまうというデメリットがあることを知ったんです。
もちろんフロアタイルには、無地以外にも木目や花柄などいろんな表情が楽しめるというメリットもあります。でも経年変化の観点から、私はPタイルを選びました。
そんな時、TOKOSIEの取材でお伺いしたこのお宅の床が全部Pタイルだと知って驚いたんです。
Pタイルでもモルタルのような雰囲気が出てすごく素敵だなと思いました。」
こんな風に一面をPタイルにするのもアリですよね。
ペットがいたらなおさら、掃除のしやすいこの素材はオススメです。
ちなみにアリスさんの選んだPタイルはというと…
先ほどご紹介した東リさんのグラノーブルシリーズでした!
「モールテックスやモルタルを床の全面積に使うのは予算的に難しかったので、多くの人の目に触れるリビング床にはモールテックス。キッチン床、脱衣所床、WIC床など人目につかない部分にはPタイルを使いました。リビング床とキッチン床は隣り合っていますが、よく見ないと違いがわからないくらい馴染んでいて違和感のない仕上がりになって大満足です。費用の面だけでなく、水に強い点からもキッチンや脱衣所などにPタイルを使用することをおすすめします。色も細かく選べるので、他の左官材との組み合わせに大活躍ですよ!」とアリスさん。
さて、いよいよ次回は解体した現場をお見せします!
スケルトンって、どんな状態なの!?
(7/27更新予定です!お楽しみに!)
取材・文:山下あい / 撮影:上田瑠美
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