こんにちは。
秋の気配を感じる今日この頃、皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。
本日は、昨今の活版印刷の人気を背景に、
過去の遺産を伝える「市谷の杜 本と活字館」をご紹介します。
こちらの施設は、大日本印刷の市谷工場の地を整備計画の一環として、
建物を建築当初の姿に戻し、新しい文化施設に生まれ変わるもので、
その一角にあるのが、活版印刷をテーマにした「市谷の杜 本と活字館」です。
アナログの風合いが魅力的な活版印刷ですが、
そこにある技術やそれを駆使する職人技は、
現在、目にする機会が少ないですが、
こちらの施設では、活版印刷工場の風景を
一部再現したインテリア、展示になっていて、
体感型の施設になっています。
活版印刷の工程を順に見ていくと、
今では普通に使われているフォントですが、
本来は一文字ずつ母型を彫り、鋳造する工程だったことに、
気が遠くなる文字制作であったことが容易に想像することができます。
また一番圧巻な工程は、職人が活字を拾う工程があったことではないでしょうか。
当たり前のように文字を毎日タイピングしていると忘れがちですが、
当時、文字を拾うという行為がいかに体を動かして文字をひとずつ組んでいたか、
気の遠くなるような作業を職人が行なっていたことに驚くばかりです。
こちらの施設の魅力は何と言っても、
元々あった工場を修復、復元していくなかで、
過去の少ない資料をもとに一部を復元していくのですが、
その建物の象徴である時計の文字盤や、
ファサードに掲げてある「大日本印刷株式會社」など、
過去の少ない写真などの資料をもとに丁寧に検証し、
当時の姿を忠実に再現している点です。
施設ではコロナ禍でワークショップなどのイベントが開催できないそうですが、
いずれ活版印刷の機械を使ったワークショップやトークイベントなど、
活版印刷の魅力を伝える機会を作っていくそうです。
それでは。
[2021.10.8]