本日は、解体工事〜木工事の様子をご紹介いたします!
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こんにちは!施工管理の いけ です。
前回のnuLIVE【Latte】では工事のおおまかな流れを説明しましたので、今回はより突っ込んだお話をするため、「解体後打合せ」というものにスポットを当ててみました!
nuリノベーション(以下、nu)では、基本的に解体工事が終わってから本格的に木工事をスタートする前に、お客様と現場で打合せをします。
リノベーション工事を行う際は、解体工事で壁や天井を撤去してまっさらな状態にして初めて分かることがたくさんあります。
そのため、解体して出てきた各寸法の変更点などを共有するために「解体後打合せ」を行っています。
お客様と初めて顔を合わせる場でもあるので、私たち施工担当も毎現場、気合を入れて臨んでいます!
さて、今回ご紹介するのは『native』というコンセプトの物件。
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◎CONCEPT
native
無垢ヘリンボーン×素材感
厳選素材の饗宴
足触りのいい無垢オークのヘリンボーン床をはじめ、
モールテックスのアクセントウォールや木の内窓、板張りのキッチン腰壁など、
選び抜かれた素材の質感が響き合うLDK。
そんな空間の中でも一際存在感を放つセラミック天板の造作キッチンは
お料理が趣味だという奥様がこだわったお気に入りのスペースです。
調理道具や食器もすっぽり収まるキッチンカウンターに、収納力たっぷりのパントリー。
美味しい香りで包まれた家族の新しい日々が始まります。
◎PLAN
◎IMAGE PERSPECTIVE
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まずは、一挙に解体前後の写真をご覧ください。
<解体before>
△リビングから玄関に向かって
△キッチンからLDに向かって
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<解体after>
△リビングから玄関に向かって
△玄関から室内に向かって
△水回り設置予定箇所
築20年と比較的若いマンションでしたので、躯体のコンクリートにも若々しさがありました。
リノベーションの現場に多く携わっていると築40年超のマンションも多々あるので、築20年でも若さを感じてしまいます(笑)
ここからは、私たち施工担当が解体工事後に特に注目して確認するポイントをいくつかご紹介させていただきます。
①コンクリート床の段差
水廻りの排水管を納めるために、排水ルートの範囲を周りより1段下げています。こちらの範囲を事前に把握することで、洗面台や洗濯機の位置を決めることができます。
現地調査の段階で点検口やマンションの竣工図面を閲覧した上で計画を進めていきますが、実際に解体をしたときに段差の範囲、深さを再度採寸して計画通りにできるか確認します。
②断熱材の範囲
断熱材が天井・壁のどの範囲にあるかを必ず確認します。断熱材は冬季のコンクリート面の結露を防ぎ、部屋内の断熱性能を高めるためにあります。躯体現しの壁や天井にして開放感を出したいときには、この断熱材の範囲も事前に想定しておくことが重要です。ほとんどの場合で外気に面している部分に吹き付けられています。
上の写真の中で黄色っぽく見える面が、断熱材が吹き付けられている面です。
天井にも少し折り返すような感じで断熱材が吹き付けられているのがわかりますね。
③給水管、ガス管などの設備配管の入り口
水道・ガスなどの大元であるメータボックスから、室内に管がどのような位置で入り込んでいるかを調べます。注目ポイントとしては、「管をどのように隠蔽するか」「管全体を交換できるか」ということです。
現場によっては、メータボックスから室内に入り込む箇所までの管がコンクリートに埋設されている場合もあります。その場合は、専有部内であってもその区間の管を更新できないので要注意です。
④排水管の接続口
排水を各住戸から外部の下水道に流すため、マンションの上階から下階に通っている縦管。この縦管と室内の横引き排水管が、床からどれくらいの高さで繋がっているかも重要なポイントです。室内の横引き排水管は各水回りの設備機器から床下を通じてこの縦管と接続するので、高い位置に接続口がある場合は、その分床を上げないといけません。
この4つのポイントは全て、部屋の広さ・天井の高さがどうなるかに直結します。
解体後打合せではこのようなポイントに注意しながら、思い描いていたデザインからどのような変更が必要か、どのような調整をして変更箇所を収めていくのかを、お客様と一緒に検討していきます。
↓↓ちなみに、私が入社1年目の終わりに初めて解体後打合せを担当した現場でのワンシーンが気づかぬうちに撮影されていました(笑)
施工担当スタッフがお施主様と初めてお会いするのはこの解体後打合せ。
打合せの前に話す内容を整理しながら、どんなお客様だろう、と内心ドキドキです。(笑)
と同時に「しっかりやらねば!」という使命感がゾクゾクと湧いてきます!
今回の現場ではパントリーの広さが数センチ縮まっただけでした。
解体前に丁寧で正確な現地調査がされた結果ですね!
また、想定の範囲内でしたが今回の現場では収まりの都合で掃出し窓よりも床フローリングが高くなったり、
キッチンの排水ルートを確保するために排水管を囲う段差を作ったりしました。
ときには2時間以上かかることもある「解体後打合せ」。
場合によっては、どうしてもその場で決断できない部分が出ることもあります。例えば、躯体あらわしの天井にしたいけれど、解体してみたら大きくマジック跡があったときなど…。
↓ほかの現場の写真の例です。
白く塗装してしまおうか悩みどころですね。
マジック跡は、マンションの新築工事の際に書かれたものですので、解体工事をしてスケルトンにするとほぼ全ての現場で出てきます。
油性ペンですので、跡を消そうとするとコンクリートの表面を相当研磨するなどしないといけませんので大変です。また、マンションの躯体面となりますので、管理規約上そういった行為が不可の場合も。
解体後打合せは、そういった解体して初めて見えてきた変更点をどのように収めていくかを、じっくりと検討していただく大切な打合せなんです!
いろいろと悩ましい決断をしていただくこともありますが、数か月後に完成する住まいの姿をお客様、デザイナー、施工担当で一緒に決めていく、とても充実した時間ですね。
そんな解体後打合せを乗り越えると、やっと家づくりが本格的にスタートします!
今回の現場でも木工事が着々と進んでおり、この現場の見所の一つとも言えるヘリンボーン床も施工しました!↓
フローリングの貼り方については、以下の記事でも触れています。
気になった方は読んでみてくださいね!
技レポ:フローリングの多彩な貼り方
前編はここまで。
後編では、この現場の最大の見所ともいえる造作のキッチン・建具について、細かい納まりと仕上げの説明を交えてじっくりとご紹介します!
最後に、造作工事に入る直前までの現場写真です。
少しずつ間取りが組み上がっていくのがわかりますか?(^^)
まっさらな状態から…
壁の下地が組み上がり…
床の下地も組まれて…
写真の中央に、パントリーに繋がるアーチ垂れ壁がチラリと見えていますね。
本格的な造作工事スタートに向けて、工具や材料なども続々と搬入されていきます!
これまでにないくらいに濃厚なLDKが完成するのが私もとても楽しみです!