タイトルの漢字、読めたでしょうか?
私は今回を機にこの漢字の存在を知りましたが、
「めぐる」と読むそうです。
(漢字検定準1級レベルらしいので知らなくて当然ですが…)
何故このタイトルにしたかの理由も含めて、前回に引き続き
会津市内にある有名建築について取り上げたいと思います。
会津若松駅から周遊バスで5分程度で
目的地最寄りのバス停「飯盛山下」に到着。
目的地の方向へ進んでいくと段々と足元が傾斜に。
バス停の名前を思い出して、山の麓であることに気づいた時には
既に目の前に恐ろしい階段が…。
時期が時期なだけに足の踏み場が雪に埋もれていてゾッとします。
しかし、今回のような季節による影響に向けた対策か
観光地化している山道でよくあるリフト的なものか
階段の前に「動く坂道」という名のスロープコンベアがありました。
有料ですし、上りだけ使える片道タイプですが、無いより嬉しい!
もちろん迷わず乗車します。
スロープを降りるとすぐに目的地の看板が。
そう、会津の有名建築と言えば、
建築系の学校の出身者は授業で習うこと間違いなし!
「さざえ堂」です。
二重螺旋が特徴の六角形三層の建物で、内部のスロープを上り
そのまま進むといつの間にか下りている、一方通行の仕組みになっています。
この上りと下りが全く別の通路になっている構造は
世界的にも珍しい建築様式で、国の重要文化財に指定されています。
螺旋形状も外観のために組まれたと思っていましたが
かつては多くの観音像が内部に置かれ、
ここを通るだけで観音巡礼が叶うといった
合理的なお堂だったようです。
正面入口には「福聚海」という言葉が掲げられていました。
気になったので後で調べてみると
観音菩薩の福徳(恵み)は海のように広大で無限に溢れ出てくるので
私達をきっとお救いしてくれるだろう、という有難い意味があるそうです。
いざ、さざえ堂の中へ。
思ったよりスロープの傾斜が急でしたが、
桟木によって滑らないよう工夫されていたり、
内壁に大量のお札が貼ってあったりと
やはり建築は訪れてみないと分からない
発見が多いのも魅力のひとつですね。
全体を通して、上りに一回転半、下りにまた一回転半、
通路を進んでいくと合計三回転することになります。
さざえ堂の正式名称は「円通三匝(さんそう)堂」といい
タイトルにも使った「めぐる(匝る)」の漢字によって
“三回転めぐるお堂”という意味合いで命名されたようです。
帰り道、強者は積雪した階段を手摺を使って下りていましたが
私は気が引けたので、遠回りでも緩やかなスロープで帰りました。
今後どこかへ訪れる際は時期や向かうまでの道中を
しっかり下調べしてから行くことにします。。。
[2022.03.08]