先日「マーチエキュート神田万世橋」に行ってきました。
元々この場所には「万世橋駅」という駅舎があったそうで、
位置としては中央線の神田〜お茶の水間にあり、
1912年〜1943年まで駅舎として利用されていたそうです。
時代によって様々に役割を変えてきたこの場所は、
駅舎にリノベーションが繰り返されている状態であり、
この場所に練り込まれた雰囲気・魅力を経験したいと思い、
今回訪れました。
駅が廃止されてからの70年間は、
鉄道駅博物館として鉄道ファンや子供たちに愛される施設となっていたそうです。
そして、2013年に「マーチエキュート神田万世橋」として再生され、
現在はカフェやブティックが連なる商業施設として親しまれています。
同じスパンで合理的に設けられた「アーチ構造」の余白には
たくさんのお店が連なっていました。
同じ余白が積み重ねられながらも、
それぞれのお店でオリジナリティを表現した
可愛らしい佇まいがまちに顔を出しています。
ちょっぴり遅めのランチには、
施設内にある「Sta.神田」様に伺いました。
駅舎というのか、
高架下というのか、
かつて作られた建造物の下で神田川を眺めつつ、
美味しいカレーをいただきました。
高架下という建物の特徴である「アーチ形状」が、
自然光を柔らかくし、
居心地の良い空間を作っているようで、
おっとりした気分にもなりました。
「Sta.神田」様の店舗スペースには
煉瓦造りの壁が残されています。
神田川の景観とは反対側に壁面があることで、
川への眺望のみに意識が誘われるような空間体験もできました。
こちらは施設内のファッションと雑貨のショップ「タナフクモリ」様。
同じ「アーチ形状」の下ですが、
先程のような煉瓦の壁がなく、見通しの良さを活かし、
すっきりとした空間となっていました。
カフェやブティックなどのトレンドが集まる施設でありつつも、
1912年に電車を乗降する駅舎として利用されていた
当時の記憶も資料館のように継承されていました。
こちらはホームへと上がる階段の遺構で、
1912年の当時から改編されていない、
オリジナルな雰囲気が保存されています。
施設内には2箇所の階段が保存されていて、
2階の展望デッキへ登ることができます。
こちらの展望デッキは電車の乗降で利用されていた旧ホーム部分で、
デッキの両脇には現役の電車が走り去っていく狭間で、
休憩することができます。
(電車が猛スピードで至近距離を走り去っていきます。)
施設内にはジオラマ模型や写真などで、
万世橋駅の記録を体験することもできます。
リノベーション空間だけでなく、
模型などのコンテンツを用いた展示により、
旧万世橋駅の記憶を経験しつつ
素敵な時間を過ごすことができる施設となっていました。
「ここには何があったのか。」
「なぜこのような空間ができているのか。」
美しい空間に積み重ねられた背景を発見していく経験は、
とても心地よい気分になると同時に
自分が知らない時間が重ねられていることに「ハッ」と気付かされます。
「なぜ旧万世橋駅は廃止されたのか」
「旧万世橋駅付近はどのような街だったのか」
こんなミステリー探求の好奇心にそそられるのも、
リノベーションの魅力かもしれませんね。
引き続きリノベーションの建物巡りに向かいたいと思います。
[2022.04.26]
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