【実家リノベーション実例あり】思い出とともに空間をアップデート!
住み慣れた実家のリノベーション(リノベ)。ご家族の暮らし方の変化や状況に合わせて、タイミングが合えば検討したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。では、実家を受け継いでリノベーション(リノベ)するのには、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
今回は、実家リノベーション(リノベ)の魅力やお金にまつわる疑問を徹底解説していきます。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
・実家をリノベーションするメリットは?
・実家を譲り受けると税金がかかる?
・実家リノベーションで気をつけるポイント
実家をリノベーションするメリットは?
それではまず、実家をリノベーション(リノベ)するメリットについて。新たに物件を購入するのではなく、実家をリノベーション(リノベ)するからこその魅力を3つご紹介していきます。
1. 住み慣れた住環境で暮らせる
まず大きなメリットとなるのは、馴染みのある住環境で生活をスタートできること。
近隣住民とのつながりや周辺の土地勘に長けていれば、日常生活や急な困りごとがあった際にも助けを求めやすく、安心して暮らすことができますね。
また、パートナーの実家をリノベーション(リノベ)する場合など、ご自身にとって馴染みがない場合でも既存のコミュニティに入りやすかったり、交通量が多い道や、エリアごとの治安の良し悪しを事前に把握したりすることができるため、お子様がいる世帯などはより安心ですね。
2. 思い出を継承した家づくり
実家をリノベーション(リノベ)する場合、もちろんフルスケルトンからのリノベーション(リノベ)も可能ですが、“思い出を残しながら部分的に空間をアップデートする”という方法が選択しやすいという点も、実家リノベーション(リノベ)のメリットの一つ。
家族の歴史が刻まれた床材を一部残したり、まだ使える設備を既存利用したり…。多少年季が入っていたとしても、家族が使ってきたものであれば抵抗なく受け入れられるという方も多いのではないでしょうか。全てを一新するのではなく、価値観に合わせて必要な部分にだけ手を加えられるというのは、リノベーション(リノベ)の醍醐味ですね。
・リノベーション事例:「SIMPLE×ROUGH」(東京都世田谷区)
息子さんの小学校入学のタイミングで、奥様のご実家をリノベーション(リノベ)して移り住むことを決めたN一家。
築18年のご実家は設備機器や個室の床などまだまだ使える部分も多かったため、ご実家の名残を残した部分的なリノベーション(リノベ)で、今の家族のスタイルに合わせた空間にご実家をアップデートしました。
△BEFORE
△ROOM PLAN
大きな間取り変更は行わず、各部屋の収納の取り方を変更。
バルコニーに面する和室だけはキッチンと壁のラインを揃えるように広さを調整。小上がりとして床に高低差を出すことで、同じレイアウトでもより広さを感じる空間に生まれ変わりました。
設備本体を既存利用したキッチンはモールテックスの腰壁で囲い、リノベーション(リノベ)後のインテリアに合わせたデザインに。
バックカウンターは荷重のかかりやすいカウンターの天板のみを造作し、下部の収納はぴったりと収まるサイズを計算して購入したという既製品の棚を並べています。
ダイニング横の4Jの空間は、お子様の勉強はもちろん、ご主人のリモートワークもこの部屋で行える家族のスタディルームに。あえて「勉強部屋」としないことで、自分の作業が終わったら道具は自分で片付けるというルーティンも自然と身につくといいます。
メゾネット住戸のN邸は、リノベーション(リノベ)を行わなかった下階にお父様も同居していて、お孫さんに会える時間も増えたと言います。最近ではお子様とおじいちゃんの共通の趣味だという将棋をして楽しんでいるんだとか。
実家を譲り受けると税金がかかる?
続いては、実家を譲り受ける際に発生するお金に纏わるアレコレについて。
不動産など、資産価値の大きなものを譲り受ける際には、税金関係や諸々の手続きなどが複雑に絡み合うため全貌が見えにくく、苦手意識を持たれている方も多い分野です。今回はそういった疑問を出来るだけわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
実家を譲り受ける方法は大きく2つ!
ご両親やお祖父様・お祖母様から不動産を譲り受ける際、考えられるケースは「生前贈与」と「相続」の2つの方法があります。
◯生前贈与
現在の所有者であるご両親やお祖父様・お祖母様がご存命のうちに、子供・孫に財産を譲り渡すことを意味します。ご自身たちがもう少しコンパクトな物件などに引っ越す際に、お子様世帯に広いご実家を譲り渡すといった場合に利用されるケースが多い方法です。
<生前贈与の税金>
この場合にかかるのは「贈与税」。一般的に暦年課税と相続時精算課税制度があります。
暦年課税とは、1月1日から12月31日までを一区切りとし、その間に贈与した財産の110万円までが非課税となる制度です。現金や宝飾類など、一つ一つの額が上記額を超えない場合には、後々の相続税の節税対策として有効ですが、不動産など分割しての贈与が難しい財産の場合には手続きが複雑になってしまうため、不向きな制度となります。
対して、相続時精算課税制度とは、生前に贈与した財産のうち2,500万円までは非課税となり、それを超える部分については一律20%の贈与税がかかる制度となります。つまり、ご実家の評価額が2,500万円を下回る場合は、贈与されたその時点では税金などは発生しません。引越しやリノベーション(リノベ)費用など、何かとお金のかかるタイミングに税金の支払いを免れることができるのはありがたいですね。
また、不動産全体の評価額が2,500万円を超える場合でも、持分を部分的に贈与し、親御さんとの共有名義とすることで非課税の範囲に収めるという方法もあります。ただし、リノベーション(リノベ)時には持分のある方全員の同意が必要になったり、住宅ローンの残債がある場合は支払いの義務がお子様にも発生してしまうことなどリスクもあるため、状況に合わせて適した方法を判断する必要があります。
相続時精算課税制度を選択した場合に気をつけていただきたいのは、生前贈与で受け取った財産についても、のちのち相続税が発生する(他の財産と合わせて、相続時に税金を精算する)ということ。
相続税算出の基準となる評価額は贈与された時点での額が基準となりますので、築年数の経過とともに物件の評価額が低くなっていたとしても、評価額が下がった状態で相続税を算出することはできませんので注意が必要です。ただ逆も然りとなりますので、地価変動によって資産価値が上がった場合は相続税の節税につながるのは嬉しいところですね。
また、暦年課税と相続時精算課税制度は併用することはできないため、併せて頭に入れておきましょう。
◯相続
被相続人がお亡くなりになった際に、所有していた財産などとともに、不動産の権利・義務などを子や親族が継承することを意味します。
<相続の税金>
この場合にかかるのは「相続税」。相続税は、全ての相続財産の評価額の合計から基礎控除額を差し引いた額に対して課税されます。
基礎控除額の算出方法は【3,000万円+600万円×法定相続人の数】となりますので、ご自身の場合いくらを超えると相続税の対象となるのかを確認しておきましょう。
生前贈与・相続以外に、「親子間売買」という方法も!
不動産を譲り渡す方法の一つとして、親子間売買(親族間売買)という選択肢もあります。
これは文字通り、“親から子”など親族間で不動産の売買を行うことを指し、一般的な売買契約と比べて引渡し時期や物件代金の支払い方法などを親子間で柔軟に取り決めることができたり、親御さんもご自身のお子さんに物件を売却できる安心感もあるため、魅力的に感じるという方も多いのではないでしょうか。
ただ、親族間での取引だからこそ気をつけたい注意点もありますので、次の章でしっかりとポイントを抑えていきましょう。
上記のどの方法がご自身にとって最善かどうかを判断するには、ご親族の状況や資産の総量などを包括的に見て判断する必要があります。後々のトラブルを防ぐためにも、一度税理士やFPなどに相談することをおすすめします。
実家リノベーションで気をつけるポイント
実家リノベーション(リノベ)の計画を進める際に気をつけたいポイントを解説していきます。
実家のリノベーション(リノベ)だからと油断して、資金計画や名義関係があやふやなまま打合せを進めてしまうと、思わぬところで計画を白紙に戻さなくてはならない状況に陥ることも!そんなことにならないよう、各フェーズで確認するべきポイントを時系列順に見ていきましょう。
◯まずは、リノベーション(リノベ)の初回相談に参加しよう
実家のリノベーション(リノベ)を検討する際は、資金計画や名義変更などの手続きを進める前に、まずはリノベーション(リノベ)会社の個別セミナーに参加するのがおすすめです。
どういったリノベーション(リノベ)をしたいのか、そのためにはどのくらい資金を準備する必要があるのかなど、計画全体の具体的なイメージとスケジュール感を掴むことで、どんな選択肢あり、どの方法を選ぶのがベストなのかを検討しましょう!
◯名義変更の有無と方法、資金計画を検討しよう
大まかなリノベーション(リノベ)の費用感などが掴めたら、資金計画の方向性と、それに合わせて物件の名義変更を行う必要があるのかなどを決定しましょう。
例えば、お子様が銀行でローンを組んで、お父様名義の物件のリノベーション(リノベ)費用を捻出する場合には、リノベーション(リノベ)の対象物件がご本人の名義でないと審査が厳しくなってしまったり、申込み自体を受け付けてくれないという金融機関も多く存在します。
名義変更をするべきかどうかは資金計画によって変動しますので、自己判断せずプロに相談してみてくださいね。
それではここからは、実家リノベーション(リノベ)の実例をさらに2つご紹介します。
どちらの実例のお客様もリノベーション(リノベ)後は地元のご友人やご家族がたくさん遊びに来るという、実家リノベーション(リノベ)だからこそのリノベーション(リノベ)ライフを楽しんでいるといいます。
あなたのご計画の参考になるポイントが見つかるかも!?
・リノベーション事例:「カグトイエ」(東京都足立区)
当初この物件にお住まいだったご親族のお引越しに伴って、空室となった奥様のご実家に夫婦で移り住み、6年ほど暮らしていたというA夫妻。
コロナ禍の影響でご主人がリモートワークに切り替わり、もう少し広い部屋に引っ越すことも視野に住まいのことを見直し始めましたが、なかなか近隣に希望通りの物件が出てこなかったこともあり、最終的には住み慣れたご実家をリノベーション(リノベ)することを決意しました。
△BEFORE
△ROOM PLAN
築30年超えということもあり、お部屋の各所に部分的にリフォームが必要な箇所も出てきていたというA邸では、スケルトンからのフルリノベーション(リノベ)を行いました。
3LDKだった間取りを1LDK+WICプランに変更。キッチンや洗面室など、水回りのレイアウトも大胆に変更し、お二人の暮らしに合わせた空間に生まれ変わりました。
ホテル巡りが共通の趣味だというA夫妻。ご自宅の内装に取り入れた素材や照明なども、以前訪れたホテルのデザインがヒントになっているといいます。
ダイニングに吊り下げられたババグーリのペンダントランプ、寝室のジョージ・ネルソン作「バブルランプ」もその一つ。
洗練されたデザインの空間に選りすぐりの家具が並ぶ、お二人色のホテルライクな空間に仕上がっています。
奥様の地元ということもあり、リノベーション(リノベ)前のご実家に訪れたことがあるご友人もいらっしゃったそうで、『リノベするとこんなに変わるんだね!』と驚いていたそう。
この先もたくさんのご友人が訪れ、A夫妻の新たな暮らしが刻まれていきます。
・リノベーション事例:「ROOTS」(東京都港区)
ご実家の戸建のワンフロアをリノベーション(リノベ)したS邸。
明るく重厚感のあるキッチンが主役級の存在感を放つ、洗練されたデザインの空間に生まれ変わりました。
△BEFORE
△ROOM PLAN
今のご家族の暮らしにフィットするよう、LDKとベッドルームのサイズを調整。
水回りのレイアウトは大きく変えていませんが、洗濯機置き場と洗面台の配置を見直すことで、限られたスペースをより有効に使える間取りとなりました。
ベッドルームとの仕切りには木枠×ガラスの3枚引き戸を造作。
メインの天井が勾配となっているS邸では、部分的に平行となる天井面に木を張ったり、壁に沿って間接照明を忍ばせることで、より広がりを感じる空間を演出しています。
セラミックの一枚天板で仕上げたキッチンと、天板と同系色で纏めたバックカウンターがシームレスな印象のキッチンスペース。
階下に住まわれているご両親と一緒に食事をするときもゆったりとした時間を楽しめるよう、広いカウンターとたっぷりの収納を確保しました。
暗くなりがちな廊下スペースは、内窓を設けることでLDKからの光を取り入れる工夫を施しました。
リビングのメイン扉も、寝室とデザインを揃えたガラスの引き戸を造作。さらに、廊下に設えた造作洗面台の脇にもガラスのパーティションを造作することで、開放感と明るさをとことん追求した、家族の新たなファーストプレイスが完成しました。
最後に
思い入れのある空間を住み継ぐ実家リノベーション(リノベ)。
まだ少し先の話という方も、資金計画や名義変更についてなど早めに知識を身に付けておけば、実際に動き出した際に慌てずに計画を進められます。「私の実家の場合、どんなリノベーションがどれくらいの予算でできるのかな?」など、ぜひ個別セミナーにご参加いただき、参考にしてみてくださいね!
よくあるご質問
Q1. 実家リノベーション(リノベ)のメリットは?
A.
マンション・戸建に共通のメリットは、馴染みのあるエリアで新生活をスタートできる点。友人が近くに住んでいたり近隣住民と顔馴染みであれば、緊急時も助けが求めやすく安心です。
また、戸建の場合は建替えよりも費用を抑えられるケースも多く、その分デザインや設備のグレードアップに資金を使うことができる点も大きなメリットとなります。
Q2. 実家リノベーション(リノベ)のローンは誰でも組める?
A.
金融機関でローンを組む場合は、本人名義の物件に対するリノベーション(リノベ)費用でないと審査基準が厳しくなったり、借り入れの審査を受け付けていないケースもあります。まずはリノベーション(リノベ)会社の初回相談等に参加して、ご自身の希望するリノベーション(リノベ)に必要な費用感、資金計画の方向性や物件の名義変更を行うべきかどうかなどを検討しましょう。
Q3. 実家を譲り受ける際に最適な方法は?
A.
主に相続や贈与、親子(親族)間売買などがあります。それぞれにメリットや注意するべき点があったり、不動産以外の財産の総額によっても最善となる方法が異なるため、自己判断するよりも専門知識をもったプロに相談しながら計画を進める方がベター。