プロダクトデザイナーの夫とマーチャンダイザーの妻が、夫婦でお届けするリノベ日記。家づくりをしていく中で、どのように対話を重ね、価値観をすり合わせていったのか。クリエイター夫妻ならではの着眼点にも注目です。
キッチン、我が家の中心を彩るシンボル
こんにちは。
暑い真夏をどのようにお過ごしでしょうか。
今回は夫が、家の中心を彩るキッチンについてご紹介します。
私たちの家の特徴は、壁から壁まで一枚板のように連なる、約6mの壁付け造作キッチンです。
部屋の中でも圧倒的な存在感を放っています。
二人で一緒に料理を楽しむことが多い私たちにとって、広い作業スペースは必須でした。
同時に、リビングスペースも確保したかったため、この長い壁付けキッチンは最適な選択となりました。
部屋の中心に位置するため、生活感を抑えつつ魅力的な空間にするための工夫をいくつか施しています。
1.隠す家電たち
キッチン家電は便利ですが、どうしても生活感が出てしまいます。
そこで、大型家電はできるだけ目立たないよう工夫しました。
冷蔵庫は、小さなパントリーを設けて壁に隠しています。
パントリーを作りつつカウンターを連続させるアイデアは、妻が海外の事例から見つけたもので、とても気に入っています。
オーブンレンジや食器洗浄機はビルトインタイプを採用し、カウンター上をすっきりさせました。
炊飯器は使用をやめ、ガスコンロで炊くようにしています。
唯一カウンター上に置いているのは、私たちの毎日の朝食に欠かせないトースター、コーヒーミル、ケトルだけです。
特にコーヒー好きな私にとって、これらは譲れないアイテムです。
大型家電を隠すだけで、キッチンの印象がぐっとすっきりしました。
2.飾り棚と照明
キッチンには飾り棚を設置し、その棚板はリビングの他の棚と厚みや高さを揃えています。
これにより、キッチンがリビングと自然に調和します。
飾り棚には植物やお気に入りのクラフトビールの缶を並べて楽しんでいます。
キッチンのブラケットライトは、toolboxのミルクガラス製を選びました。
丸い照明がレンジフードを境にシンメトリーに配置され、キッチンをリビングの中で印象的な存在に引き立てています。
3.一枚板のようなカウンター
6mの長さを強調しているのは、連続性のある人造大理石の天板です。
私のワークスペースとしても使用しているため、高さの異なる部分をつなぐ斜めの部分が特徴的な要素になっています。
この斜めの部分は何も置けないデッドスペースになりますが、カウンターの連続性を保つために採用しました。
一見不思議な斜めの部分ですが、空間のアクセントとなり、お気に入りの場所の一つです。
4.こだわりのタイル
写真に何度も登場している壁面のタイルは妻のアイデアで、縦に配置することは決めていました。
ただ壁の端から端に配置するうえで、私たちのイメージに合うものを見つけるのに苦労し、何度も設計デザイナーさんにご提案頂いたことを覚えています。
最終的に決めたこのタイルがキッチンの寸法を決める起点となっています。
天板からタイルの配置をし、それに合わせて、レンジフードの高さ、飾り棚の位置などを決めました。
この細かな調整により、非常に心地よい収まりを実現していただきました。
床にもタイルを使っているのですが、幅の広いキッチンのエリアがさらに強調されるのと、何よりとてもメンテンスがしやすいので長く住むうえでもやってよかったなと思っています。
私たちの家のキッチンは、単なる料理スペースを超えて、リノベーションへのこだわりが詰まったシンボル的な存在です。
1歳になった息子も興味津々で、これから3人で使える特別な場所になっていくことを楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
撮影・文:小松夫妻
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