こんにちは。アドバイザーのハシノです。
今日はこの夏、二子玉川のライズで開催されていた、
鈴木康広さんの展覧会「ただ今、発見しています 。」に行ってきた話を、
書かせていただこうと思います。
鈴木康広さんは、日常の中にある何気ないものごとを、
鈴木さんならではの視点に基づく「見立て」で、
様々な作品をつくられているアーティストです。
こんなにも共感と親近感があって、楽しめる作品をつくられているのが、
鈴木さんの魅力だな~と感じます!
特に印象的だった作品をいくつかご紹介させていただきます。
〇水の切り株
ひとつ目は「水の切り株」という作品です。
大きな切り株型の器?バケツ?に、水が張られていて、
上から一定の間隔で水滴が落ちてくる仕掛けになっています。
水面に落ちると波紋が広がり、
その波紋が切り株の「年輪」に見立てられています。
瞬間的に年輪が現れては消えていく姿は、なんだかじっと、その移ろいを見ていたくなる作品です。
〇現在 / 過去
ふたつ目は「現在 / 過去」というハンコです。
頂部には「現在」という文字が印字されていますが、
ハンコを押してみると、「過去」という文字が現れます。
押すその瞬間は「現在」であっても、ハンコを離した瞬間から、それは「過去」になる。
そんなメッセージ・気づきが表現されています。
うまく言葉にできませんが、
これほどシンプルな表現で、深い気づきが表現されていることが、
とても印象に残っている作品です。
〇まばたき と はばたき
最後は「まばたきとはばたき」という作品です。
これは樹木の葉っぱが、くるくると回転しながら落ちてくる様子と「まばたき」を見立てています。
中央の白い筒の下部から、床に散らばる葉っぱを入れると、
筒の先端から葉っぱがくるくると回転しながら降ってくる仕掛けになっています。
葉っぱの表裏には、開いた目と閉じた目のイラストが描かれていて、
くるくると回転することで、「まばたき」をしているように見えるんです!
これは特に夏休みで遊びに来ていたお子さんたちに大人気で、
絨毯のように床に広がる葉っぱを、せっせと集めてはまばたきの葉を降らせてくれていました。
どの作品も「たったそれだけのこと」なのに、
なんだか惹かれてしまう視点のユニークさや、ユーモアが感じられますよね。
他にも「リンゴのけん玉」や「銀閣寺のチョコレート」なども個人的には好きで、
タイトルと作品だけで、どんな「見立て」かが、なんとなく伝わってきますよね。
日常を豊かにしてくれる、鈴木さんの見立ての作品。
作品だけでなく、その着想を表すスケッチもとても魅力的なので、
ぜひ興味がある方は、作品集などもチェックしてみてください!