少し前に、グッチ銀座ギャラリーで開催していた「Gucci Visions」に行ってきました。
メインテーマは歴史とクラフツマンシップ。
展示の入り口はタイムマシンのような没入感のある空間で時代を遡ってアーカイブ作品を楽しむことができます。
歴史の深いバッグたちが並ぶ部屋では。GUCCIのアイコンであるホースビットやシェリーラインが施されたバッグが無数に並んでおりテンションが上がりました。
これらのアイコンは伝統的な馬具を元に作られていますが、当初のGUCCIは「最上の伝統を最上の品質で」をコンセプトとしていたとのことで納得。
過去の良いものを現代に反映させるという、現代でも定番になりつつある手法をいち早く掲げているのはさすがブランドの元祖だと思いました。
中でも興味深かった展示が職人さんにフォーカスしたもの。日本から輸入されたバンブーのバッグシリーズの加工プロセスが映像化されていました。
詳しく調べてみると、竹素材の導入は当時の情勢によって革の仕入れが難しくなったという背景に加え、焼き方や着色の仕方などから、職人さんのオリジナリティが色濃くでることが唯一無二だというアイデアだそうです。
こちらの美しいドレスの展示も個人的に刺さりました。GUCCIに抱いていたデコラティブなイメージとはと違い、ミニマル洗練されて上品だなという驚き。
調べてみるとGUCCIはイタリアのブランドですが、デザイナーがホテルのボーイ時代に接客した英国貴族の洗練されたファッションが起源だそうで、そういった背景を考えると確かに昔のアイテムにクラシカル、ミニマルといった要素が多いことにも納得しました。
最後には迫力のあるフローラのインスタレーションがあり、今のGUCCIのイメージに近い印象でした。
最近は刺繍やパッチの装飾でアニマル柄などを多用した派手なデザインによって、主にストリートシーンで人気な印象で、Visionsという展示タイトルを見た時、これからどんどん変化していくであろうGUCCIのこれからの展望が見れると期待したのですが、総合的な展示の内容はいい意味で裏切られる内容でした。
「最上の伝統を最上の品質で」をモットーにクラシックなクラフツマンシップを重視し続けることが今後のビジョンなのだと捉え、GUCCIが好きになってきました。