最近読んだ「デザインノート」の特集がブランディングだったので今回はなるほど!と思ったものをみなさんにご紹介します。
『ブランディング』今では当たり前に使う言葉ですが、その言葉が日本に定着したのは1990年後半~2000年頃と言われています。
それまでは『商品を作り、宣伝・広告し、販売してく。』というカタチでした。というのも昔は広告自体の影響力が今より強大だったんです。
商品のブランドイメージ=タレント・広告表現というカタチで補えていたものが、インターネットの普及と凄まじいスピードで進化するSNSにより販売戦略も緻密に変化していきました。
そのためイメージで売っていた時代から緻密な戦略とターゲットを明確にしぼって売っていく時代へ。今ではそれが当たり前になってきましたね!
その反面、面白いな~!なんじゃこりゃ!?という広告・CMが少なくなってきましたね。残念…。
僕が小さい頃は、よくおもしろCMを学校でマネして遊んでいたものです。
話は本題に戻りまして、今回なるほどなぁと思ったブランディングをご紹介します。
みなさんご存知の資生堂です。
資生堂には資生堂和文書体いうものがあります。
これは1920年代~1950年代、MacもWindowsもない時代にデザインされ、パッケージや広告の中でデザイナーからデザイナーへと継承された和文書体です。
知らない方も多いと思いますが、資生堂には内部にグラフィックデザイナー・パッケージデザイナーなどデザイン部署が確立されています。
↑山名文夫氏 1930年代に資生堂スタイルのデザインを確立。
その後1970年頃に今のカタチの基本となる和文書体が整備されひとつの“核”として更なる強みへ変化しました。
この書体には長い月日をかけ『資生堂らしさ』の強さとエレガンスを体現しています。
その体現こそがひとつのブランディングなんですね。
しかもこの書体は1920年代からと人から人へを受け継がれた伝統技術・文化でもあります。この書体は一文字一文字手書きでレタリングされ、その技法自体もしっかり継承していくところが日本人らしく引きつけられる部分なのかもしれません。
今ではその伝統を引き継ぐために新人デザイナーには1年間に及ぶ書体研修が行われているみたいです。(参加したい…。)
その後デザイナーは基本となる『資生堂らしさ』の中に自分らしさを構築してくみたいです。
資生堂の凄さは社員にも当たり前のように自社のブランディングを浸透させている事だと思います。
今、世界に100年以上続いている企業がいくつあるのか!?
当たり前のように自社イメージを社員にも共有し受け継ぐことが1つのブランディングになり核になるという事を100年前から続けている事にブレない強さを感じます。
資生堂は市場では勿論そうですが、何年たっても広告業界・デザイン業界で先頭に立っているのも納得しました。
資生堂が創刊している「花椿」1973年に創刊され今年で44年目になります。時代の変化に合わせるのではなく、人から人へと少しずつリモデルすることでその当時のデザイナーのアイデンティティを感じます。
少し固く長くなってしまいましたが、
私は資生堂の回し者ではありません!!!
たまにはグラフィックデザイナーっぽい事をブログにしてみました。
ishibashi