マンションリノベの総費用とは?物件選びから間取りのアレコレまで。
「そろそろ本格的に、物件購入に向けて動き出したいな」
そう思った時、何から始めれば良いのか、実際に物件を選ぶ時は何に気をつければ良いのか、と次々に疑問が浮かんできますよね。今回はそんな”マンション購入+リノベーション(リノベ)”を検討し始めた方へ、理想の家を手に入れるために重要となるポイントやお金にまつわるアレコレをご紹介していきます!
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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マンションに住むメリットデメリット
マンション派か戸建派か。友人やパートナーとの会話で一度は話題にあがったことがあるという方も多いのではないでしょうか。住宅の種類によって特徴はそれぞれ。今回はマンションに焦点を絞り、メリット・デメリットをまとめました。
【メリット】
○建物の耐用年数が長い
一般的に鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションの耐用年数は47年と言われています。木造住宅は22年なので、その差は一目瞭然ですね。また、この耐用年数は税法上の減価償却(建物の資産としての価値が、時の経過とともに減少していくこと)の年数として定められているもの。耐用年数を超えたから取り壊すというわけではなく、メンテナンス次第でこの年数を超えて長く快適に暮らしていくことも可能です。
○セキュリティ面での安心感
平成初期から多く見かけるようになったオートロック付きマンション。築年数の浅いものであればほぼ必ずと言っていいほど普及率があがっており、物件選びの際に必須条件としてあげられる方も多くいらっしゃいます。
○管理を任せられる
大規模修繕や設備の点検・修理など、メンテナンス計画を管理会社に委託しているケースが多く、修繕の知識などがなくても長く安心して暮らすことができます。
○理想のエリアに住める
なかなか戸建を建てられる土地が出にくいようなエリアでも、マンションであれば空き住戸が出る可能性はぐんと高まります。
【デメリット】
○ランニングコストがかかる
大規模修繕やメンテナンスの費用を積み立てるため、管理費や修繕積立金を毎月支払う必要があります。
「小規模マンションは管理費が高いイメージがある」という方も多いかと思いますが、大規模マンションの中でも敷地内にシアタールームや緑地などを備えている場合はこのランニングコストが高額になるケースがあります。ご自身がこれらの施設をあまり利用しない場合は、なんだか少しもったいない気がしてしまいますよね。また、ご実家が戸建だったという方の中には、駐車場にも月極料金がかかるという点に違和感を感じるという声も。
○音が気になる
小さなお子様がいたりペットを飼われていたりするご家庭の場合、足音や鳴き声などが周りに響いてしまうのでは…と気になる方も多いですよね。また逆に、近隣住戸に生活リズムの異なる家庭がある場合は夜間の足音などが気になって目が覚めてしまう…といった経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新築か、中古か。
こちらも、物件を探し始めた方の多くが悩むポイントです。真新しいエントランスや最新のセキュリティ設備に憧れる反面、内装のテイストが好みでなかったり間取りが自分たちの家族構成に合っていなかったり。新築マンションの中には、床材やクロスなどをいくつかの選択肢の中から選べるセミオーダーを採用しているケースもありますが、フルオーダーのような自由度の高い家づくりを求めることはなかなか難しい場合が多いですよね。また、中古マンションの場合でも近年ではリフォーム済みで販売されている物件も多く、「マンション自体は申し分ないが、間取りや内装が自分たちの条件に合わない…」というケースも。
手を加えられていない中古物件で一から家づくりができれば理想通りの空間をつくることはもちろん可能ですが、ご自身の条件を満たしつつ、そういった物件に巡り会うのが難しい場合もあります。しかし、リフォーム済みの物件や築年数の浅い物件を購入した場合でも、”部分的なリノベーション(リノベ)”をすることで自分らしい空間づくりを楽しんでいただくことは可能です!
規模別で見るリノベーション費用
購入する物件の状態によって変化するリノベーション(リノベ)のボリューム。工事範囲が変われば、その分工事費も変動します。物件探しの段階でなんとなく目安がわかっていると、全体的な資金計画の目処が立てやすくなりますよね。ここではそんなリノベーション(リノベ)費用について、工事のボリューム別に3つの事例をみながら解説していきます。
case.1 気になるここだけ!間取りと仕上げのマイナーチェンジで住み心地よく
リノベーション事例:「Atelier×シロイズム」(東京都中野区)
リノベーション工事費:620万円
イベントプランナーのご主人と、アクセサリーや絵の制作を手がける作家の奥様。クリエイティブなお二人が家づくりに求めたのは、インテリアやアートで彩る真っ白なキャンバスのような空間でした。
そのために購入したのは、築53年・85.86㎡の中古マンションの一室。数年前に水回りの設備や全居室の表層交換などが行われていたことから、LDKの間取り変更と、表層の仕上げ交換のみに絞った部分的なリノベーションで理想の空間をつくり出しました。
部分リノベのメインとなった、LDKとワークスペースを隔てる格子の内窓。ガラス越しに覗くカラフルなインテリアが、お二人の唯一無二のアイデンティティを感じさせる空間に仕上がりました。
case.2 過ごす時間の長いLDKを優先して賢くリノベ
リノベーション事例:「ROUGH×CROSS」(神奈川県川崎市)
リノベーション費用:820万円
ご友人のリノベ済みのご自宅へ遊びに行ったことをきっかけに、リノベーションに興味を持ったというS夫妻は、映像ディレクターのご主人と会社員の奥様のご夫婦。
いつかはペットを飼いたいと、ペット可の物件をマスト条件に物件探しをスタートしました。
お二人がこだわったのは、約20Jの広々としたリビング空間。ご夫婦ではもちろん、友人たちとも家飲みが愉しめるように開放感のある家にしたいと考えていたお二人は、インダストリアルテイストの素材をふんだんに取り入れた空間に、隠れ家バーを思わせるアイランドキッチンを設えました。
床は全面、既存フローリングの上に塩ビタイルをのせ、コストコントロールに貢献。クロスするように配置した天井のダクトレールは、設計デザイナーが仕込んだ視覚マジックで、視線が放射状に導かれ、空間がどこまでも伸びやかに感じられます。
case.3 私たちらしさ全開!100%オーダー型のフルリノベーション
リノベーション事例:「THAT’S ALL!」(東京都江東区)
リノベーション工事費:2,190万円
100㎡超のお部屋をフルリノベーション(フルリノベ)したN夫妻。
設計当初から「ただものじゃない家」をつくりたいと考えていたお二人は、デザインや設備、素材に至るまでこだわり抜いた、唯一無二の空間をつくりだしました。
なんといっても目を引くのは、窓辺に造作した全長4.8mのモールテックスベンチ。この物件を内見した当初から奥様が思い描いていたデザインで、夫婦のくつろぎの空間としてだけでなく、愛猫アポちゃんのお気に入りの空間になっているんだとか。
キッチンの床に敷き詰めたヘキサゴンタイルはフローリングとタイルとの張り合わせ部分を幾何学的に仕上げた、動きのあるデザインが特徴的。キッチン本体もフルオーダーでつくり上げた造作キッチンで、シンプルでモードな空間を引き立てるアクセントになっています。
どこまでがリフォーム?どこからがリノベーション?
nuリノベーション(以下、nu)に相談に来られる方からも多く寄せられる、”リフォーム・リノベーション(リノベ)の違いは?”という疑問。「スケルトンからの工事=リノベーション(リノベ)だと思っていた」というお話もよく伺います。しかし、上記でご紹介したように、一部だけの工事も立派なリノベーション(リノベ)です!nuでも、約半数のお客様が既存を生かしながらのリノベーション(リノベ)で素敵な空間を作っていただいています。
リフォームとリノベーション(リノベ)の違いをもっと知りたい方は、こちらの関連記事も参考にしてみてくださいね。
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「リフォーム・リノベーションの違いは?」
物件代金とリノベーション費用以外に必要なお金は?
リノベーション(リノベ)の規模と費用感がわかったら、次に気になるのはその他にかかる諸々の費用。物件購入・ローンのお借り入れ・リノベーション(リノベ)工事と、様々な手続きが同時進行で進んでいくので、どの段階で何にお金がかかるのか事前に把握しておくと、焦らず計画を進められます。ここからは、「物件購入」の手続きと「リノベーション(リノベ)」の流れの表に沿って、それぞれの段階で発生する費用について解説していきます。
1. 手付金
物件の売買契約の際に払うお金で、物件価格の5〜10%前後が一般的です。
最終的には物件代金に充当されるため別途かかる費用ではありませんが、一時的に現金で用意する必要があります。
2.印紙税
不動産の「売買契約書」や住宅ローンの「金銭消費貸借契約書」など、それぞれの契約書に印紙を貼付する必要があります。
3. 必要書類の取得
住民票や印鑑証明などの必要書類を取得する際の費用です。一通一通の金額は大きくありませんが、ペアローンなどの場合は借り入れをされる方がそれぞれ書類を取得する必要があるので、念の為頭に入れておくとベター。
4. 仲介手数料
通常、物件売買代金×3%+6万円+消費税となります。例えば、3000万円の物件を購入する場合、仲介手数料は約103万円ほどとなります。nuでは、リノベーション(リノベ)の金額に応じて仲介手数料のサービスも。詳しくは、個別セミナーにてお気軽にお問合せください!
5. 住宅ローンの保証料
ローンの返済ができなくなった時に、保証会社に住宅ローンを肩代わりしてもらうために払うお金です。パーセンテージは決まっていますが、ローンの金額や保証会社によって支払う額が変わります。
6. 登記費用
前所有者から購入者へ、所有権・抵当権を移転するための登記を行う際の費用です。
通常、司法書士に依頼して手続きを行うケースが多く、登録免許税のほか司法書士への報酬なども含まれます。
7. 火災保険料
マンションを購入した場合は、原則的に火災保険への加入が必要となります。保険会社や保証の内容、期間によって異なりますが、20万円前後が一般的です。
8.ランニングコスト・固定資産税・都市計画税の精算
通常、管理費・修繕積立金などのランニングコストと固定資産税・都市計画税については、その年度分のトータル額を前所有者と購入者それぞれの物件を所有する期間で折半して支払います。
9.各種手数料
銀行へ支払う事務手数料などが発生します。
10.リノベーション(リノベ)費用
リノベーション(リノベ)費用を住宅ローンに組み込む場合は工事完了時にリノベーション(リノベ)分のローンが実行され、月々の返済がスタートします。また、リノベーション費を自己資金(現金)で支払う場合は、支払いのタイミングが着工時と工事完了時の2回に分かれます。お支払いのタイミングが異なる点も頭に入れ、自分たちに合う支払い方法を検討する必要があります。
11.引越し費用
お荷物の量によって金額が大きく変動するので、早めに見積りをして費用感を掴んでおくことをオススメします。また、繁忙期には「シーズン料金」として10万円前後の費用がプラスで掛かることも。新生活スタートのタイミングから逆算して計画を進めていけると無駄な費用をカットできそうですね。
併せて読みたい、関連記事アレコレ
その他にもチェックポイントがたくさんある物件購入。
住宅ローンのことや中古物件探しのポイントなど、下記の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね!
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「ローンの仕組みを徹底解説!リノベーションを賢く楽しもう!」
「リノベに適した中古マンションの探し方」
リノベーションの打合せに向けて
理想の箱を見つけ、いよいよ始まるリノベーション(リノベ)の打合せ。後悔しない家づくりのためには事前準備がとても大切です!
自分が思い描いている空間のイメージを設計デザイナーに伝える時、細かなニュアンスなどはなかなか言葉では伝えにくいもの。Pinterestやインスタグラムなどでデザインやアイディアを収集しておくと、イメージを共有する際にとても役に立ちますよ!
また、タイルや設備機器などは、使い勝手や手触りなど実物をみて選ぶのがオススメ。主要メーカーはもちろん、あなたの好みに合わせて担当デザイナーからおすすめのメーカーなどもご紹介します。特にキッチンや浴室など、カスタム次第で大きくコストが上下する設備機器は「どれくらい予算をかけるか」を担当デザイナーとしっかり話し合った上で見に行っていただくと、イメージにズレがなく効率的です。
最後に
あなたの価値観を反映した、世界に一つだけの家づくり。デザインだけでなく住み心地や費用面でも妥協したくないですよね。全てに納得して気持ちよく家づくりを楽しんでいただけるように、nuではお客様の家づくりをトータルサポートしています。個別セミナーでは今回ご紹介しきれなかった”住宅取得〜リノベーション完了(お引越し)”までの流れをより詳しくご案内しています。もっと具体的な話が聞きたい方や、自分たちの条件に合う物件はあるのか知りたい!という方は、ぜひお気軽にご相談ください。