[後編]リノベ会社に行く前に!知っておきたい物件の話
マンションによってリノベーションでできることとできないことがあるって、ご存知でしたか?ポイントになるのは「専有部分」と「共用部分」というコトバ。イラストで分かりやすく解説します。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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変更できる「専有部分」と変更できない「共用部分」
マンションの場合、購入した持ち家でもリノベーションで自分たちの好きなように変えられない部分があります。
それが「共用部分」と言われる箇所。マンションの外壁や廊下など共有で使う部分に加えて、実は部屋の中の配管なども共用部分。
対して壁や床、天井に囲まれた居住空間を専有部分と言います。またマンションによって管理規約で定められていることも様々のため、物件によってリノベでできること、できないことが異なってくるのです。
1.天井の高さをあげたい
天井板の裏側には排気等のためのダクトや配線などが通るスペースがあります。
天井板を外して天井高をあげたり、配管をむき出しにしてラフで開放感のある仕上がりにすることも可能です。しかし、上図のマンションのように上階の排水管が下階の天井を通っている場合もあり、その場合は水の流れる音が響く可能性や水漏れのリスクを考えて天井板を外さない方が無難です。
2.水まわりを移動したい
二重床で床材とコンクリートの間に空間がある場合、配管や排気ダクトが延長可能なため比較的水回りの移動がしやすいと言われます。
しかし、1.の天井と同じく配管が下の階の天井裏を通っている場合は移動が難しくなります。
図の中央にある“PS”とはパイプスペースのこと。上下水道やガス管の配管を通すための場所で、こちらは共用部分。覆っている壁を取り払うことはできますが、そのものを移動させることはできません。
また、トイレが移動できるかどうかのチェックは簡単に行えます。
通常住宅のトイレの排水方式は「床排水」と「壁排水」の2種類。トイレの裏に排水管が見えるのが壁排水式で、床排水式のトイレの場合移動が比較的簡単です。
3.玄関のドアを変えたい
玄関ドアは外側が共用部分で内側が専有部分。
ドアそのものを交換することはできませんが、内側の色を塗り替えるのはOK。鍵の増設等はマンションによって対応が異なるため、管理規約をチェックしましょう。
4.床材を変更したい
床材を変更する際に問題となるのが遮音性。マンションでは管理規約によって床材のリフォーム・リノベについて取り決めが設けられているのが一般的です。中にはカーペット以外NGと定められている場合も。人気の無垢フローリングなどを検討している場合、まずは管理規約をチェックしましょう。
5.窓を変えたい
窓サッシは共用部分のため変更NG。
しかし内側につける二重窓は新設可能です。防音や結露対策のために二重窓をつける方も多くいらっしゃいます。
6.コンセントの数を増やしたい
コンセントの数は増やすことができます。
しかしマンション全体で電気の総容量が決まっているため、各住戸の容量の限度も決まっています。使える電気容量を不動産屋さんにチェックしておくことも重要です。
7.バルコニーをウッドデッキにしたい
バルコニーは階下や隣戸への避難経路であるため共用部分。
そのため避難ハッチを塞ぐようにウッドデッキを設置したり間仕切りの間にものをおくことはできません。
8.間取りを変更したい
マンションの構造には梁と柱で構成されるラーメン構造(ラーメンは額縁という意味)と壁自体が構造となっている壁式構造の2タイプがあります。
壁式構造の場合壁を取り払えずに思うような間取りができない場合も。
まとめ
物件によってリノベーションの制約は大きく変わってきます。だからこそリノベーションは物件選びが9割。思わぬ落とし穴にはまって理想のリノベが実現できない!なんてことにならないよう、物件探しからリノベのプロに相談しましょう。
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