施工管理の津留崎です。
この4月には、我がnu施工管理にも大卒の新入社員が入ってきて現場にフレッシュな風を吹かせてくれています。
昭和40年代生まれの自分にとっては新卒だったのは20年も前の話になります…。
自分の新卒の時には、建築家の設計事務所に入社して新築住宅の設計をしておりました。
そして、その頃を思い返してみると建築の業界でも『リノベーション』という言葉はほとんど使われておりませんでした。
10年ほど前くらいでしょうか。
『リノベーション』という言葉をちらほらと聞くようになってきたのは。
『リノベーション』という言葉を聞き始めた頃は『リフォーム』との違いは何なのかという説明をよく見かけました。
最近は『リノベーション』という言葉も一般的になってきた為かあまり見なくなってきました。
では、改めて『リフォーム』と『リノベーション』の違いを説明しますと、
『リフォーム』…古くなった建物の内装や設備機器を新しくして、古くなる前の状態に戻す。
『リノベーション』…古くなった建物の内装や設備機器を新しくするだけでなく、更に付加価値をつけて、新築時よりも価値を持たせて再生する。
という事になるのかと思います。
コンクリート躯体あらわし、配管露出で無垢の木材やスチールを多用したインテリアのイメージが『リノベーション』のイメージとして一人歩きしているように感じますが、本質の話でいうとインテリアのテイストは関係ありません。
自分は『リノベーション』という言葉が出始めたその頃に、東京では建物を新築するのはもう飽和状態では?と感じていたのもあり、古くなった建物を再生するという『リノベーション』の仕事に意味を感じて、この業界に身を置くことになりました。
それから10年近くたち、『リノベーション』という言葉も随分と浸透して、その『リノベーション』を取り巻く状況も変わりました。
それまではリフォーム会社、または不動産会社として営業していた会社が、ある日突然『リノベーション』会社と名乗りだしたり、自分の目から見るとこれはただのリフォームでは?というような工事までを『リノベーション』と言ったりしています。
残念ながら、一般の人に、価値のある事をしているように感じさせる為に『リノベーション』という言葉を使用しているだけで、本当の『リノベーション』ではない、中身のない設計や工事が少なからずある状況に感じます。
古くなった建物で長く快適に住まう為には、見えるところだけでなく、見えなくなるところまで考えて設計、施工する必要があります。
そして、古くなった建物と一口に言っても『リノベーション』に向いている建物とそうでない建物があります。
『リノベーション』の舞台となる建物を選ぶ際にもそれを見抜く力が必要となります。
nuは『リノベーション』という言葉が出始めの頃から『リノベーション』に特化して取り組んできました。
営業から設計、施工まで各分野の『リノベーション』のプロフェッショナルが結束して、本当に価値のある『リノベーション』を提供させていただいております。
なんだか、営業トークみたいなブログになってしまいましたが、電柱に巻きつけてある『リノベーション済みマンション販売中!一流メーカーユニットバス&システムキッチン』という看板に疑問を感じて、こんなお話を書かせていただきました。
街の景観には良くないし、電柱に巻きつけてある針金は危ないし、そもそも、それ、『リノベーション』じゃないって…。
中身のない『リノベーション』にご注意くださいませ。
コンストラクションチーム 津留崎