こんにちは。アドバイザーのハシノです。
5月の連休に合わせて長めのお休みをいただき、
人生初の北欧旅行に行ってきましたので、その時の話を書かせていただこうと思います。
主にフィンランド・エストニア・デンマークの3ヵ国をまわり、アアルト自邸やエストニア国立博物館、ルイジアナ美術館など、たくさんの建築や街並み、風景を観てまわることが出来ました!
季節によってかなり1日の日照時間に差がある北欧ですが、
そういった背景からか、特に窓周辺や「光」の取り入れ方が印象に残るシーンが多かったように思います。
一度に書くには数が多くなってしまうので、
今回はフィンランドのアアルト建築にフォーカスして、ご紹介できればと思います。
□アアルト自邸 / アトリエ
こちらは、アアルト自邸のアトリエスペースです。
1936年にアアルト自身が設計し、以降40年程暮らした住まいであり、約20年間設計事務所として使用していたアトリエ。
夏は日の入が22時を回るフィンランドでは、眩しい西日が差し込む時間帯がかなり長くなります。
そういった光環境にも配慮して計画されたアトリエスペースは、
建物の南東角に設けられており、東面の高い位置に設けられた大きな窓と、南東角に設けられたアアルトの作業スペースの窓が特徴的です。
訪れたのはお昼の時間帯でしたが、眩しさを感じない、柔らかく注ぐ光がとても印象的な空間でした。
□アトリエ・アアルト
1955年に事務所の拡張に伴い建てられた、アトリエのガイドツアーにもそのまま参加しました。
こちらのスタッフの製図室も、自邸のアトリエと同様に柔らかな自然光が印象的で、製図室に適した光の取り入れ方が意識されていることが感じられます◎
また、クライアントへプレゼンテーションを行うスペースの壁は斜めにせり出しトップライトを設けることで、図面や模型にも自然光が届くように設計されていました!
□ヘルシンキ工科大学 / 図書館
最後は、ヘルシンキ工科大学(現アアルト大学)の図書館になります。
建物のエントランスを抜け、階段を上がると写真のような連続した天窓が並びます。
個人的には、この旅行中に様々な天窓に出会えましたが、
このアアルトの図書館がもっとも印象に残った天窓だった気がします。
天井に光源が埋め込まれているようにも感じるほど、柔らかな拡散光を届けてくれるこの天窓。
とても彫りが深く、この窓の深さ自体がランプのシェード(傘の部分)のような役割にもなっていて、
シェードの内側で反射しながら拡散することで、
これだけ柔らかく明るい光を図書館内部に取り込むことが出来ているのだと感じました。
そこに住まう人々や、利用者の感性に寄り添ってデザインされたアアルト建築だからこそ、
その場で感じる居心地の良さのようなものを、実感できたことが何よりも嬉しかったです。
その、ひとつの要素でもあるアアルト建築の「光」。
皆さんもフィンランドを訪れた際は、ぜひ体感してみていただければと思います!