[2020.7.9]
iPhoneなどのモバイル端末のカメラの性能の向上によって簡単に綺麗な写真が撮れるようになっています。それによって一眼レフなどの大きいカメラは要らないなどの声をよく聞くようになったのですが、一眼レフカメラにはiPhoneでは撮れない写真を撮る楽しさがあるのです。今回はそのことについてお話しします。
A
B
この2枚の写真。
同じように見えますが、光とボケが大きく異なります。
Aの写真は手前の竹にピントが合っていて奥の方はボケています。
光もぼんやりとして柔らかい印象。
対してBの写真は奥までしっかりピントが合っていて、光もウニのようにトゲトゲしています。(光芒と言います。)ガチッとしていて固い印象です。
どちらがいい写真かというのは無く好みの問題なのですが、Bの方が面白い写真に感じます。
この違いは主にシャッター速度とf値の設定によって操作できますが今回はシャッター速度について。
カメラのセンサーが光を取り込む時間の長さをシャッター速度と言うのですが、Aは1/25秒。Bは1秒です。1秒と聞くと短いようですが、撮影ではかなり長いです。手持ちだと絶対に手ぶれします。
このシャッター速度を長くすることで光を長く取り込むことができるので夜でも明るい写真が撮れたり、動く光を帯にすることができます。(光芒も同じ原理ではあるのですが、f値と大きく関係してくるので今回は割愛します。)
こちらは三脚でカメラを固定して動く車を撮った写真。
車の光っていない部分は背景にかき消され、強く光るライトだけがセンサーに残されます。
逆に動く車から動かないものを撮るとこうなります。
街灯や信号、隣を走る車などの光が軌跡となって写真になります。
車の振動があるので光はウネウネと揺れていますが、月は動かないので固定して撮ることができます。(白い点が月です。)
このように設定一つで全然違う写真になるところがカメラの面白さです。
今回の説明はシャッター速度だけですが、f値がわかるとこんな写真を撮ることができます。
f値のお話はどこかでできればと思います。