こんにちは。
最近は雨が多くて憂鬱になりますね…
本日は大阪にある「日本橋の家」について書きたいと思います。
「日本橋の家」は安藤忠雄氏の住宅作品です。
安藤氏は関西圏を中心に全国で多くの作品を残している日本の巨匠です。
「日本橋の家」は間口2.9mという細長い住宅ですが、
安藤忠雄の代名詞とも言えるコンクリート打放しと
回遊性のある導線が特徴的です。
最上階までまっすぐ続く階段を見上げた写真を撮ると
天地がひっくり返ったように錯覚します。
蹴上と踏面の寸法がほぼ同じになっていて、
生活するには少し使いにくいかも…?
こちらは3階部に位置する中庭の階段から見下げた時の写真です。
ここには天井がなく、外部空間になっています。
見上げるともちろん”空”です。
間口が狭い分、上へ開放することで
窮屈さを感じさせない設計になっています。
初めて訪れた時には
中庭には可動式のルーフが取り付けられていましたが、
次に訪れた時には可動式のルーフは無くなっていました…。
オーナー様の意向で撤去したのでしょうか…
自分の家の中に、
特別に切り取られる空があるのはいいな、と思いました。
中庭に面した居室には左右対照の位置に勝手口がつけられています。
シンメトリーな見た目にかなりこだわったが故に
開けたら大変危ない勝手口に…。
しかし、この勝手口があることで奥まで見通せて
奥行き感が増幅しています。
こちらも狭さを感じさせないための工夫と言えます。
中庭の階段下にある扉を開けると…
ミニマムなトイレ空間になっています。
このトイレは中庭からアクセスしなければならないため、
トイレに行くのに、雨の日には濡れてしまうかもしれないという
なかなか攻めた設計です。
ギャラリー内にこの住宅の模型が展示されていました。
空間把握をするには
こちらを見ていただけると分かりやすいかもしれません。
階段で回遊性のある空間を作っています。
大阪の日本橋には間口の狭い住宅が多く、
岸和郎氏の「日本橋の家」(間口なんと2.5m)なんかも残っています。
安藤忠雄氏の「日本橋の家」は定期的に展覧会が開かれており、
内部を自由に見学することができます。
機会があればぜひ、狭小空間を体験しに訪れてみてください。
[2022.06.14]