[2019.2.12]
みなさん、こんにちは!
立春を迎え、少しずつ暖かくなってきましたね。
今日は最近読み終わった、オススメの小説を。
恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」という作品です。
2016年に発売されてすぐに話題になっていましたが、普段文庫で読むのが習慣になっているので、ハードカバーで買うかどうか悩んでいるうちに1年以上が経ってしまいました。
でもどうしても文庫化を待ちきれず、ワクワクしながら買って帰り、深夜に1人でページをめくり始めましたが、もう止まらないんです。
読み終わるまで止められないのでは?というほど夢中になってしまいました。
物語自体はとても単純なストーリーで、国際的なピアノコンクールに出場する、それぞれバックグラウンドが全く異なる4人の話。
本を開くと、2段構成で507ページというボリュームですが、その全てが1つのコンクールだけの話なのです。
でも、その4人がコンクールで弾く曲の表現たるや…ワナワナするほど素晴らしいんです。
私も3歳から社会人になるまでピアノを続けていて、ピアノには人並みならぬ思い入れがありますが、なんというか、それだけピアノを続けていても今までことばにできなかった表現が、ものすごく精緻に当たり前に描かれているんです。
しかも、出場者それぞれの演奏に合わせて、当たり前に表現の仕方も変えていて。だから本当にそれぞれの演奏を今聴いているような気持ちになってしまい、ミステリーでもサスペンスでもないのに、終始ドキドキしっぱなしでした。
二次予選の課題曲で「春と修羅」という曲が出てくるのですが、この譜面を実際に見てみたくてたまりません。
そして、この美しい本のカバーと、そのカバーを取った状態がまさにこの「春と修羅」を表しているのでは…と思っています。カバーを取ると漆黒なんです〜ビックリ。(読んだ人にしかわかりませんよね)
読みながらまたピアノを思いっきり弾いてみたくなったのはもちろん、この秋には映画化をするそうなので必ず見にいきたいと思っています。キャスティングもぴったりで、尚更楽しみ。
さらにさらに、コンクールの一次予選から本線までの全ての曲が収録されたピアノ全集(CD)も発売されているらしいんです。
しかも恩田陸さん書き下ろしの短編付き。
買うしかなさそうです。
aic