曲線に隠れた「労」と「美」
みなさん、こんにちは!
第8回目の技レポは、「曲線」についてお届けします!
みなさんはインスタグラムなどで写真を眺めていて、パッと目がいってしまうのはどんなものですか?
やはり他と一味違ったユニークなものは、「おっ!」とつい見入ってしまいますよね!
リノベーション空間においても、直線が多い住宅の中で、曲線的な意匠が光る住宅というのはやはり魅力的に見えるものです。
それではさっそく「曲線」を取り入れたリノベーション事例を2つご紹介します。
まずは、壁に曲線を取り入れた事例から!
リノベーション事例:「material」(神奈川県横浜市)
こちらのグレーの曲線壁の中には、ロフトとWICが内包されています。住宅では、部屋を仕切る壁は7cmほどの厚さが一般的。
7cmもの厚さの壁を曲線にするには、木材の下地組から工夫しなければなりません。
その写真がこちら!
一つ一つの四角形の木片をカーブさせながら並べていき、そちらをガイドにしながら木軸を立てていきます。
そして、ベニヤ貼りをして表面の凹凸をパテで滑らかにならします。
ベニヤ貼りには、2枚の板を使用。1枚だけでは板が元の平らな形状に戻ろうとしてしまうため、それを押さえつけるためにもう1枚貼って曲面の壁を補強しています。
最後に再度パテで表面の凹凸をならし、塗装をして完成!直線、平面の材料しかない中でも、職人さんの腕にかかれば美しい曲線壁に仕上げることができます。
さて、同じ曲線でも次にご紹介するのは、ちょっと変わり種です!
リノベーション事例:「SIMPLE×無機」(埼玉県さいたま市)
こちらのお宅には、なんとLDKの真ん中に円柱があります。一際存在感を放つこの円柱の正体とは…!?
実は、こちらはマンションの上下階とつながる排水管を囲う柱なのです!(写真左)
この柱は通称「PS(Pipe Space)」と呼ばれ、つまり配管スペースを意味します。
PSは壁の中に隠してなるべく目立たないようにすることが多いのですが、あえて円柱に設え、空間のアクセントにしている点がユニークですね!
施工手順はさきほどご紹介した事例とほとんど同じですが、一部木材ではなくLGS(軽量鉄骨材)を使っています。
こんな風にLGSと木材を組み合わせて下地を造り、あの美しい円柱を造り上げました。
今回は曲線を取り入れた壁やアイデアをご紹介しましたが、ほかにも部屋の入口をアーチ状にした事例もあります。
これからもきっと、クリエイティブなお客様とnu、そして職人さんが一丸となって個性豊かな曲線デザインを生み出していくことでしょう(^^
ぜひ、みなさんも身の回りの物がどのように造られたのか調べてみたり、深堀りしてみてはいかがですか?きっと面白い発見があるはずです!
ちなみに私はインテリアショップなどに行くと、職業柄、家具をそういう視点から見てしまいます(笑)