本日は、解体工事~木工事の途中までをご紹介いたします!
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こんにちは!施工管理の いけ です。
そうです、上の写真に写っている白シャツの男が僕です。(笑)
少し連載をお休みしていた『nuLIVE』ですが、
この度リニューアルして再始動することになりました!!
『nuLIVE』では、どこにでもあるような中古住宅の一室が世界でたった一つの素敵なイエに生まれ変わるまでの過程を、前編・後編の全2回でお伝えしていきます。また、そのイエが出来上がるまでにどんなプロフェッショナルが関わっているのかについても、少しずつご紹介していければと思っています。
オリジナリティ溢れる住まいを造る、リノベーション工事の面白さ・難しさを存分に楽しんでいただけたら嬉しいです(^^)
また、『nuLIVE』で特集させていただく物件は、完成後に見学会も開催します。
リノベーションに興味がある方、ご自宅がお近くの方はぜひお気軽にご参加ください!
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リニューアル後、初更新の今回はまずリノベーション工事全体の流れをざっくりとご紹介します。
リノベーション工事は、解体工事から完成までさまざまな工程を経て工事が進んでいきます。
工事期間は、約3カ月間。
解体工事で室内がスケルトンになると、まずはリノベーション工事の肝となる『設備配管工事』・『電気配線工事』に入ります。
ライフラインである水、電気、ガスを安全に届けるために、専門資格をもった職人さんが作業を行います。配管や配線は、ほとんどが床や壁・天井の中に隠れてしまうため、この段階での大きな失敗は命取り。丁寧かつスピーディに工事を行っていきます。
配管・配線工事が無事に完了すると、次は『木工事』がスタート。
壁を立ち上げたり床を張ったり…大工さんの出番となる木工事は、全工程の約半分を占めるので、見所もたくさんあります!
そして、木工事が終わると順次『仕上げ工事』に入っていきます。塗装・左官・クロス・タイルなど、各仕上げ専門の職人さんが順々に空間を彩っていき、リノベーション空間が完成していきます◎
さて、今回ご紹介するのは『Latte』というコンセプトの物件。
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◎CONCEPT
Latte
キッチン×タイル
ホワイトのベースに散りばめられた木や真鍮の質感が、
まるでミルクに溶け込むエスプレッソのようにしっくりと馴染み合う空間。
「魅せる」と「隠す」のバランスを計算し配置したリビング壁面収納や、
アーチ開口越しに顔を覗かせるオリジナルの洗面台…。
全てが混じり合い、パリのアパルトマンを彷彿とさせる上質な空気を演出します。
朝起きてから夜眠りにつくまで、一瞬一瞬を味わいながら暮らしを紡いでいきます。
◎PLAN
◎IMAGE PERSPECTIVE
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前編の本日は、解体工事~木工事の途中までをご紹介いたします!
それでは早速、解体時の現場の様子をみていきましょう。
解体工事はマンションの一室を丸裸にする工事。いくつもの個室に分かれていた空間が、1つの大きなハコになります。コンクリートに囲まれた無機質で広々としたその光景は、初めて見たときには「圧巻」の一言でした!
解体の作業は“ひたすら壊すだけ”と思われがちですが、そうではありません。
壊す順序を考え、ゴミの置き場を確保しながら、自分たちが怪我をしないように工夫して作業を進めます。また、壊したものを搬出しやすいように切断したり、きちんと分別する手間もあります。
ですが、さすが壊すプロ!
100㎡近くあったこちらの現場も、3日間でこの状態まで解体が終わりました。
△玄関から掃出し窓に向かって
所々コンクリートが剥き出しになっていない部分は、断熱材が入っていて壊すことができない箇所です。
解体が終わると、壁・天井の骨組みを立てていきます。
この骨組となる部材は、軽量鉄骨材のLGS(Light Gauge Steel)を使っています。
これだけの広さの壁・天井を木材で造ると時間がかかっていまうため、木材よりも軽く組立てがしやすいLGSを使っています。
壁と天井の下地組みが終わると、いよいよ配管・配線工事!
排水管や給水管などの配管と各スイッチ・コンセントの配線を、図面を見ながら正しい位置にくるよう引き直していきます。
その中でも、部屋の寸法を決める上で特に大切なポイントとなるのが排水管の配管!
床下の排水管スペースを小さく納めることで、その分お部屋の天井高を確保することができるため、水を流すための勾配を設備屋さんがきちんと計算した上で、最小寸法となるよう施工していきます。
床下の配管と配線が完了して、やっと床組がスタートです。
たくさんの重みを支えつつ、下の階に音や振動が伝わりにくいように床下に等間隔でゴム付きの脚を設置します。
壁・天井・床の下地組が出来上がると、次は窓枠・建具枠をつける作業に移ります。
こちらの物件は、洗面室とWICの出入口には扉をつけずアーチの開口で開放的にする計画。アーチ部分の造りはこのような感じです。
クロスなどで仕上げていくと、どんな雰囲気になるのか楽しみです!
さて、窓・扉の枠を取り付け、次はボード材を貼っていきます。
ここでの注目ポイントは、エアコンを取り付ける窓上の壁です。
エアコンなどの器具を取り付ける壁については、しっかりとネジを固定できるよう、石こうボードではなくベニヤ材を貼っていきます。
棚の場合も同様で、棚板を取り付ける位置のボードはベニヤ材を貼り、棚受のブラケットがしっかりと固定できるようにしておく必要があります。
スッキリと見せたい場合は、ボードを貼る前に棚板を壁の中に差し込んで、木材で挟んで固定するという方法もあります。この方法だと、棚受ブラケットをつけずに固定棚を造作することができます。
また、奥行がある棚の場合は、壁だけの固定だと荷重で垂れ下がってきてしまうので、手前にも全ネジボルトなどを取り付け、天井から吊って重さを支えます。
▽棚の固定方法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね!
余談ですが、こちらの現場で使用する石こうボードは約200枚。その重量はなんと車3台分もあります!
大量のボード貼りが終わったら、床の仕上げとなるフローリングを貼っていきます!
写真のように厚紙1枚ほどの隙間をつくりながら、フローリングを1枚ずつボンドとタッカーで固定していきます。
フローリングは天然の木材を使っていますので、空気中の水分を吸って伸縮します。特に夏の時期は湿度が高いので、湿気を吸って膨張したときに、フローリングの板どうしが擦り合わないように隙間をつくっています。
前編はここまで。
大工さんの腕の見せ所となる造作家具などについては、次回にお預けです!(笑)
塗装やクロスなど、こちらの現場ならではのこだわりポイントをお届けしますので、職人技をぜひお楽しみに!