リノベーションで人気の間取りとは?トレンドの間取りと実例を徹底解説
リノベーション(リノベ)のプランニングで一番最初に決めるのは間取りです。
今回は、理想の暮らしを叶えるための間取りアイディアをご紹介いたします。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
1. 間取りへのこだわりが、リノベーション(リノベ)成功への第一歩!
2. こだわり間取りアイデア・トレンド3選
リクエスト1 | ノンストレスな回遊動線
リクエスト2 | 在宅ワークができる空間
リクエスト3 | 将来を見据えたフレキシブルな間取り
3. 間取り変更の注意点
3-1. 間取り変更「できる場所・できない場所」
3-2. マンションリノベーション(リノベ)で確認すべき管理規約
3-3. 水回りの間取り変更
間取りへのこだわりが、リノベーション(リノベ)成功への第一歩!
冒頭でお伝えしたように、リノベーション(リノベ)のプランニングで最初に決めるのが「間取り」です。
nuリノベーション(以下、nu)でも、プレゼンテーション後の実施設計では、複数あるラフプランをお客様とディスカッションしながらブラッシュアップしていき、間取りを一つにまとめていくお打合せを初めに行なっていきます。
もちろん、プランニングを進める中で気づいたことなどを落とし込み、設計デザインの途中で間取りを変更することもありますが、プランが大きく変わってしまうとその分図面を引き直したり、仕様や寸法を検討し直す必要が出てしまいタイムロスになってしまいます。
新たに購入した物件をリノベーション(リノベ)する場合は特に、ローンの二重払い期間を最小限にするためにも、大きなプラン変更はあまり好ましくありませんよね。
そのためにも、なんとなくで部屋数を決めたり、漠然と流行りのデザインに飛びつくのではなく、ご自身がリノベーション(リノベ)後にしたい暮らしをイメージし、何が必要で、何が不要なのかを見極める知識を蓄えることが大切です。
自分でラフプランをたくさんつくり、設計デザイナーと検証!
・リノベーション事例:「COZY×SOZAI」(東京都渋谷区)
赤煉瓦のような温かみのあるタイルが印象的なW夫妻のご自宅。
実は数年前にもnuでリノベーションし、今回は住み替えに伴う2回目のリノベーションでした。
W夫妻がこだわったのが、住み替えの大きなきっかけにもなった「間取り」のプランニング。
以前は開放的なワンルームで暮らしていましたが、在宅ワークの頻度が増え、ご夫婦それぞれのワークスペースを離れた位置に設けたいと感じるようになったそう。
△Wさんが1回目のリノベでつくり上げたワンルーム
ご自身も一級建築士であるご主人は、設計デザイナーへ要望を伝える「ヒアリング」までの期間にラフプランをたくさんつくり、打合せに持参したと言います。
△Wさんが2回目のリノベでつくり上げた空間
そうして出来上がったのは、個室化された1.7Jの居室をご主人のワークスペース、リビングの窓際に造作した2.2Jの小上がりを奥様のワークスペースとしたプラン。
友人を招いてホームパーティを楽しむのが日課だというW夫妻は、大人数が一堂に会しても心地よく会話を楽しめるように“集う場”を家中に点在させました。
集う場① | 小上がり
奥様のワークスペースは、来客時には気軽に腰を下ろせるベンチとしての役割も。
ソファやダイニングにいる人とも、適度な距離感でコミュニケーションをとることができます。
集う場② | ダイニングテーブル
リビングよりも面積を広く取ったダイニングキッチンは、幅2.4mのダイニングテーブルを置いても余裕の広さ。キッチン・パントリーへのアクセスもしやすく、効率的な家事動線を実現できます。
集う場③ | 廊下の造作ベンチ
廊下に造作されたベンチは、木の壁や扉、吊り棚と一体的に木でデザインされています。ちょっとした会話はもちろん、荷物を仮置きするスペースになり重宝しているそう。
間取りを丁寧にプランニングし、満足度の高い暮らしを手に入れたWさん。
「こうあるべき」ではなく、ご自身の価値観やライフスタイルに向き合って間取りを検討することで、お二人の暮らしに合った唯一無二の空間が生まれました。
新しいご自宅の間取りを考えるのは、リノベーション(リノベ)の中でも特にワクワクする時間。
建築の知識がないという方も、寸法は正確でなくても構いません。
「ここにキッチンがあるといいね」「こんな間取りって出来るのかな?」など、ラフに線を引いてみて、間取りのプランニングを楽しんでみてくださいね。
こだわり間取りアイデア・トレンド3選
ここからは、近年nuのお客様からリクエストをいただくことが多い間取りのアイデアを3つ、実例を交えながらご紹介します。
リクエスト1 | ノンストレスな回遊動線
以前からリクエストの多い回遊動線は、近年でも根強く人気の間取り。ライフスタイルに合った動線でノンストレスな暮らしを実現できる点が魅力です。
①2つの動線で流れるような暮らしを実現
・リノベーション事例:「TANSEI-端正-」(埼玉県川越市)
玄関とLDKを繋ぐ通路を2つ設けたOさん。
メインの廊下沿いに洗面台、サブの通路沿いにWICやパントリーなどの収納スペースをとり、生活シーンに合わせて通路を使い分けることが可能です。
②家事スペースのみ回遊性を持たせ、効率アップ!
・リノベーション事例:「KONOMOTO」(東京都日野市)
LDK→パントリー→WIC→脱衣室が回遊できるY邸。
「パントリーとWICを繋げて欲しい」というYさんのリクエストに対し、水回りまで回遊できるプランを設計デザイナーから提案。共働きで忙しいというY夫妻にとって、この“裏動線”はとても重宝しているそう。
リクエスト2 | 在宅ワークができる空間
働き方が多様化した現代、「家の中にワークスペースが欲しい」というリクエストも増え、その形も多種多様に。
①家族のコミュニケーションを重視したレイアウト
・リノベーション事例:「SIMPLE×Graige」(東京都東久留米市)
2.9畳のHさんのワークスペースは、引き戸を開けるとLDKとひと続きのオープンな空間に。
平日、仕事に集中していても息子さんが帰宅すると顔を合わせて「おかえり」が言えたりと、家族と気軽にコミュニケーションが取れる点が魅力的。
②内窓で開放感を
・リノベーション事例「THAT’S ALL!」(東京都江東区)
玄関横に設けた3畳のワークスペース。
お仕事柄生地のサンプル帳などを広げることも多いといいますが、仕事道具専用の収納を設けたことでミニマムな広さでもスッキリした状態をキープできます。
居住スペースと切り離れた位置にゾーニングされていて、オンオフのメリハリがつけられるのもポイント。
③みんなで使う家族のスタディルーム
・リノベーション事例:「ROUGH×スタディルーム」(東京都世田谷区)
明るい雰囲気のLDKと対照的に、スターバックスをイメージして落ち着いた雰囲気でつくり上げた4畳のスタディルーム。
ご主人のリモートワーク時やお子さんの学習スペースとしてなど、家族のワークスペースとして様々なシーンで活躍しているそう。
リクエスト3 | 将来を見据えたフレキシブルな間取り
今すぐに複数の個室は必要ないけど、数年後はどうなるかわからない…。
そんな場合は、壁を増設できる下地のみを施工しておき、フリースペースや広い個室としてプランニングをしておくのがおすすめ。
一度のリノベーション(リノベ)で完結するのではなく、家族の成長に合わせて家もアップデートしていくことで、その時その時の暮らしに最適な間取りで過ごすことができます。
・リノベーション事例:「SHABBY 2nd」(東京都世田谷区)
約13年前にnuで1回目のリノベーションを行なったYさん。
お子様の成長に伴い、リビングの一角に個室を増設することを決意しました。
△13年前のリノベーション当時のY邸
当時から追加工事を想定してリノベーション(リノベ)を行なっていたため、床・壁にあらかじめ下地が入っており、スムーズに壁の設置が可能だったそう。
また、個室を増設することでLDKに圧迫感が出てしまうことを懸念していたYさんですが、内窓を設えたりアクセントクロスの色味を変更したりすることで、狭くなった・暗くなったと感じることもなく、快適に過ごせているといいます。
子供部屋としての使用を想定しているため、内窓の上枠に沿ってロールスクリーンを設置。プライベート性も保ちつつ、LDKへの抜け感も確保しています。
間取り変更の注意点
リノベーション(リノベ)で暮らしや要望に合わせた間取りをつくり出すことは可能ですが、マンションの構造や規約によってはどうしても変えられない部分も。代表的な注意点をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
3-1. 間取り変更「できる場所・できない場所」
マンションは一般的に、「共用部」「専有部」の2つに区分されます。
大前提として、リノベーション(リノベ)ができるのは「専有部(コンクリートの天井や床、壁に囲まれた住居部分)」のみ。
マンションの住人が共同で使用する部分やマンションの外観に関わる「共用部」については、個人の判断で勝手に改修工事を行うことはできません。
<主な共用部>
・マンション躯体(構造強度にかかわる骨組み部分)
・窓サッシ、窓ガラス
・ベランダ、バルコニー、専用庭
・エントランス、共用廊下、屋上
・エレベーター
・電気、給排水の共用設備(マンション外部からメーターボックスまで)
・PS(パイプスペース)
上記の中でも、特に気をつけたいのが「PS(パイプスペース)」。
給排水管やガス管などの配管を通すために上下階に渡って通っているスペースのため、専有部の中にありますが共用部に区分され、移設することはできません。
「既存の間取りでは壁の中に隠れていて気にならなかったけど、実はPSがあり柱として残ってしまった…」というケースはリノベーション(リノベ)でもよくあるケース。
PSはその性質上、キッチンやお風呂、トイレなど水回りの近くに配置されていることが多いので、間取り図でしっかり確認しておきましょう!
間取り変更に伴って露出してしまったPSをデザインに昇華させた事例も多数!◎
こちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
→動かせない柱はおしゃれに活用!柱を魅せるリノベーション(リノベ)4選
3-2. マンションリノベーション(リノベ)で確認すべき管理規約
中古マンションを購入してリノベーション(リノベ)をする場合は、必ずマンションの管理規約に則って工事を行う必要があります。
管理規約とはつまりマンションのルールブックのようなもの。
一般的には「専有部の修繕等」という項目があり、リフォーム・リノベーション(リノベ)を行う際の条項・条件が記載されています。
どのようなリノベーション(リノベ)を行うにしても、それが管理規約に違反するものならば工事の許可はおりません。
物件によっては、下階へ足音を伝わりづらくするために床材はカーペットのみ(フローリング不可)という制限があったり、水漏れの恐れがあるため、水回りの機器は移設禁止という場合も!
管理組合が定めるリノベーション(リノベ)のルールはマンションによって様々なので、「仕上げの素材や間取りにこだわりたい!」という場合は、予めこの規約に目を通し、自分たちが希望する家づくりかを見極める必要があります。
nuでは、プランのご提案の前に担当の設計デザイナーがマンションのルールを確認した上でプランニングを行います。工事開始前の管理組合への事前申請も代行して行いますので、「専門的な知識がなくて不安…」という方も安心してリノベーション(リノベ)を楽しんでくださいね!
3-3. 水回りの間取り変更
キッチン・洗面所・浴室などの水回りは、管理規約で特に制限がない場合でも建物の構造によって希望する場所に移設ができない可能性があります。
というのも、マンションの床・天井の構造には「直床・直天井」「二重床・二重天井」の2つの種類があり、その造りによって配管がどこまで自由に動かせるかが変わってくるからです。
〇直床・直天井構造(移動しにくい)
マンションの躯体面に、フローリングや壁紙が直接貼ってある構造です。
給排水管や換気ダクトを取り回すスペースを床下や天井裏に確保しづらく、水回りの大きなレイアウト変更が難しいケースも。
△直床構造(水回りのみ、配管が通せるようコンクリートに段差があることも)
〇二重床・二重天井(移動しやすい)
マンションの躯体面と、仕上げとなる床・天井の間に空間が設けられている構造。
この空間を使って給排水管や換気ダクトなどを取り回すことができるため、水回りを好きな場所に移動しやすいのが特徴です。
△二重床構造(床下を通して給排水管を所定の位置まで持っていける)
このように、部屋の造りによって水回りの移動のしやすさが変わってきます。
無理に水回りを移動してしまうと排水管の勾配が十分に取れず、水漏れや詰まりの原因になってしまうことも。そのため、「大きく水回りを動かしたい」と考えている場合は、物件探しの段階から担当アドバイザーにしっかり要望を共有し、物件選びをしていただくのがおすすめです。
最後に
今回は、リノベーション(リノベ)で間取り変更をする際の、間取りのアイデアや注意するべきポイントをご紹介しました。
新たに物件を購入して間取り変更をする際にも、既にお住まいのご自宅を間取り変更してアップデートする際にも、共通して重要となるのは解像度をあげて暮らしを見直すこと。
今の自分たちに必要な家のあり方や、どれくらいの期間住むことを前提とするのかなど…。様々な視点から「家」と向き合い暮らしに対する要望を明確にしていくことで、満足度の高いリノベーション(リノベ)を叶えることができます!
nuの個別セミナーでは物件探しやリノベーション(リノベ)に精通したアドバイザーが、暮らしの解像度を上げるために検討しておくべきことや具体的なスケジュール感、予算感をより詳しくご案内させていただきます。
物件探しやリノベーション(リノベ)を検討しているという方は、ぜひご参加ください◎
よくあるご質問
Q1.リノベーション(リノベ)で 理想の間取りをつくるために大切なことは何ですか?
A.
間取りは、リノベーション(リノベ)の打合せの中でも初めに決める必要のある、家の骨組みのようなもの。そのため、打合せが始まる前にご自身のライフスタイルやどんな暮らしがしたいのかなど、リクエストを明確化しておきましょう。また、建築的な整合性はなくても構いませんので、ご自身で間取り図を描いてみて、設計デザイナーへ視覚的に要望を共有できるようにしておくのもおすすめです。
Q2. 最近人気の高い間取りのアイデアは何ですか?
A.
回遊動線のある間取りや在宅ワークに対応できる間取りは、ここ数年で人気が高まり近年ではニュースタンダードとも言える間取りです。また、現時点ではLDKを広くとっておき、将来個室を増設できるよう床や壁に下地材を施工しておく家づくりも、リノベーション(リノベ)という選択肢が当たり前となった近年では人気の高い間取りのアイデアです。
Q3. 間取り変更を検討する際に気をつけるべきポイントは何ですか?
A.
マンションの場合は、リノベーション(リノベ)に関するルールがマンションごとに管理規約で定められています。中には床材の素材指定がある物件や、水回りの移設が禁止されている物件もありますので、物件を新たに購入してリノベーション(リノベ)する際には必ず確認するようにしましょう。また、窓サッシやバルコニー、PS(パイプスペース)など、共用部に区分される箇所については、専有部内にあったとしてもリノベーション(リノベ)は行えません。特にPSは間取りを変更する際に干渉する可能性があるので注意しましょう。