実例から学ぶ!ライフスタイルに合った和室リノベーションとは?
和室=使い勝手が悪い。昔ながらの和室のイメージが払拭できず、そう感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、“和室”と一言でいっても、リノベーション(リノベ)でつくりあげる“和室”は、まさに十人十色。
今回はライフスタイルに合わせてつくりあげた和室のリノベーション(リノベ)事例をピックアップして、
デザインテクニックなどを細かく解説していきます。
本記事は、「今住んでいるマンションの和室をもっと快適にしたい」。
「これから家づくりをしていく上で、和室の在り方や役割について考えたい」。
そんな方にぜひ読んでいただきたいコンテンツです。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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目次
2.タイプごとの特徴を知ろう
2-1.シームレス和室
2-2.小上がり和室
3.ケース別実例紹介
3-1.シームレス和室のリノベーション(リノベ)
3-2.小上がり和室のリノベーション(リノベ)
3-3.既存の和室を活かしたリノベーション(リノベ)
1. 和室リノベーション(リノベ)を成功させるためには?
①目的や用途を明確にする
まずは和室を設ける、またはリノベーション(リノベ)する目的や用途を明確にさせることが大切です。
例えば用途が「遠方の両親が遊びに来たときに寝泊まりする部屋」ということであれば、
プライバシーをどこまで確保するか、布団の収納はどれくらい確保すればいいかなどを考慮して和室をつくる必要があります。
このように目的や用途によって設計時に軸となるポイントなども変わってくるので、
予め目的や用途を明確にしておくと設計打ち合わせがスムーズに進み、
自分に合った使い勝手のいい和室をつくりあげることができます。
②デザインイメージを膨らます
目的や用途が決まったら、次に考えたいのはデザインについて。
特にリビングと一体的な和室を設ける場合は、リビングのデザインとの一体感も重要になってきますよね。
和テイストの中にも、「モダン」や「北欧風」、「古民家風」などさまざまなデザインがあるため、
ご自身の理想とする和室のデザインについて予めイメージを膨らませておくと、設計デザイナーとのイメージ共有もスムーズです。
インスタグラムやPinterestで情報収集したり、リノベーション(リノベ)会社のHPで実際の和室リノベーション(リノベ)の事例を見たりするのもオススメです。
nuリノベーション(以下、nu)HPの施工事例ページでもこれまでに手掛けた和室リノベーション(リノベ)の事例を見ることができますので、ぜひチェックしてみてください。
③素材を決める
デザインのイメージが固まったら、使用する素材についても考えておくとスムーズです。
特に和室の印象をつかさどる畳は、素材にもこだわりたいですよね。畳には「縁つき畳」と「縁なし畳」の2種類があり、
昨今では和モダンの流行に伴い「縁なし畳」の事例が多く見受けられます。
さらには畳のカラー選びも重要です。昔ながらの和室を彷彿とさせる緑色の畳から、
和モダンな雰囲気を掻き立てるブラックのカラー畳なども存在するため、
ご自身のイメージするデザインに近いカラーや素材を選ぶことでより理想の空間に近づけるのではないでしょうか。
また、個室化したい場合は建具のデザインについてもイメージしておきましょう。
格子や障子、またはガラスと木を組合わせた造作戸など。どんな建具を使うかによって空間の印象も大きく変化します。
2.タイプごとの特徴を知ろう
2-1.シームレス和室
リビングのフローリング部分と畳部分がシームレスにつながったタイプの和室。
引き戸を全開にすればLDKと一体的に使うことができるため、大人数の来客にも重宝できます。
LDKとの一体感はメリットである一方、和室を客間として静かに使い時などリビングとのメリハリが欲しいシーンではデメリットと感じる場合もあるかもしれません。
2-2.小上がり和室
リビングからあえて段差をつけて小上がりタイプにした和室で、床下に収納を設けるのがポピュラー。
段差に腰をかけてくつろぐことができるほか、空間を立体的に見せメリハリを出せるなどのメリットも。
一方室内に段差をつくることになるため、バリアフリーではなくなり、小さなお子様のいるご家庭では、落下や転倒への注意が必要になりますよね。また、お掃除ロボットの使い勝手に影響するなどのデメリットもあります。
3.ケース別実例紹介
3-1.シームレス和室のリノベーション(リノベ)
・リノベーション事例:「SIMPLE×KITCHEN」(東京都墨田区)
まずご紹介するのは、“お部屋全体との一体感”を大切にした畳スペース。
「床でゴロゴロできる場所が欲しい」と考えていたH夫妻は、リビングの隣に畳スペースを設えました。
天井は、「寝転んだ時に目にやさしい色を」という理由からうすい山吹き色に。カラーを取り入れたことで、北欧風の和デザインになり、木をふんだんに使ったあたたかみのあるリビングと調和の取れた空間が完成しました。
他にも畳スペースが孤立しないよう、リビングのフローリングを一部取り込み、リビングと畳スペースの視覚的なつながりを意識。建具もガラスの面積の広い引き戸を造作し、リビングとの関係性を大切にしています。
オーダーメイドで造作した建具は、デザイン性も抜群。古民家のようなあたたかみのある和テイストと、木のやさしい素材感が調和しています。
また、引き戸は上吊り式を採用しているため床にレールがなく、見た目もスマート。
シームレスで溝がないのでお掃除もしやすいですよね。
・リノベーション事例:「町家FURNITURE」(東京都府中市)
こちらは和室だけでなく、お部屋全体に和のテイストを散りばめたI邸。
昔から、奥行きの感じられる京町屋の空間に憧れを持っていたIさんは、リノベーション(リノベ)で理想の空間をつくるとしたら、町家の要素でもある、格子・障子・畳は必ず取り入れたいと考えていたそう。
就寝時は和室に布団を敷いて、寝室として使用。
チェアや照明も和室にしっくりとくる落ち着いたデザインをディスプレイしています。
写真左に映る和室の格子は、ちょうどお部屋全体の真ん中に位置するため、LDKの雰囲気と馴染むようスッキリとしたデザインで造作。また洗面室へと続く動線に飛び石と砂利を敷き詰め、和の要素とオリジナリティを高めました。
・リノベーション事例:「seihitsu」(神奈川県川崎市)
続いてご紹介するのは、LDKに隣接したタイプではなく、廊下に面した完全個室の和室。
ベッドよりも布団派だというS夫妻の希望で、寝室として想定していた洋室を和室にリノベーションしました。
床下には深さ約20cmの収納を設け、シーズンオフの衣類を収納。
約4畳とコンパクトな和室のため、縦空間を有効活用しています。
3-2.小上がり和室のリノベーション(リノベ)
・リノベーション事例:「VINTAGE×SOZAI」(東京都調布市)
玄関土間に隣接する形で、小上がりの畳スペースを設置したT邸。
靴の脱ぎ履きの際には小上がりに腰をかけることができ、土間との相性も抜群です。
当初は「小上がりをどこかに取り入れたい」とふんわり考えていた程度だったというT夫妻ですが、
実際に具体的なデザインをつめていく中で「緑系の畳だけじゃなくて黒系の種類もあるんですよ」というデザイナーからの提案に、「黒系の畳なら和の要素が際立ちすぎることもなく空間に馴染みそう!」と採用を決めたのだそう。
黒を取り入れることで、モダンで上質な雰囲気が感じられます。
また、小上がりは完全に個室化せずにリビングの一部として取り込みたいというご要望だったため、建具はつけずに必要に応じて仕切れるロールスクリーンを設置。壁や扉はないものの、小上がりスペースの天井にだけ施した木の天井のおかげで、LDK空間と緩やかにゾーニングできるようになっています。
・リノベーション事例:「SIMPLE×MOKU」(東京都調布市)
LDKの一角に、個室化できる小上がりスペースを設えたT邸。
実はこの物件は新築で購入したマンションで、約5年間暮らしたのち、
自分たち好みの仕様にするためにリノベーション(リノベ)を決意したんだそう。
その際、「たまに人が泊まりにきた時のために残しておきたい」と、和室を残す選択をして、
LDKとシームレスに繋がっていた和室を、小上がりにリノベーション(リノベ)しました。
LDKと隣接していますが、障子を閉めれば個室になるため、プライバシーも◎
ゲストも気兼ねなく寝泊まりができそうですね。
障子はお客様のイメージを元に造作し、デザイン性を高めています。
元々はシームレスな和室にクローゼットが設置されていましたが、今回のリノベーション(リノベ)で床下収納を設置。
縦空間を有効活用することで、その分くつろげる面積が広くなりました。
モカベージュの薄畳がやわらかな雰囲気を醸し出していて、
自然とリラックスしてくつろげそうな空間に仕上がりました。
・リノベーション事例:「Remix」(東京都江東区)
こちらも前途の事例と同じく、リビングの一角に小上がりを設けたH邸。
和の要素を取り入れたかったので、畳はどうしてもはずせないポイントだったそう。
また、「完全には個室化したくないけど、リビングと程よくメリハリが欲しい」という想いから、畳部分を小上がりにし、意匠木柱を設置。柱があることで、オープンな空間でありながらも適度な個室感が生まれています。
インテリアにもこだわっていて、奥様が飾り付けたという手ぬぐいを入れた額縁や、実家から譲り受けた南部鉄器の茶釜が置かれた小上がりは凛とした表情を見せています。
また小上がりスペース周辺の壁は、ホワイトとグレーをバイカラーで塗装。
境目にはダークブラウンの木を渡し、和の落ち着いた雰囲気が感じられる仕上がりになっています。この壁の配色は以前H夫妻が一緒に訪れた中目黒のカフェからインスピレーションを受け、いつか自分達の家でも使ってみたいと考えていたのだそう。
3-3.既存の和室を活かしたリノベーション(リノベ)
・リノベーション事例:「SIMPLE×和モダン」(東京都目黒区)
最後にご紹介するのは、既存の和室を活かしてリノベーション(リノベ)した事例です。
「海外から訪れる友人たちに、驚きを与えたい!」というUさんの想いから、壁一面にブルーを取り入れたモダンな印象に。ブルーの壁は珪藻土で仕上げていて、左官の手仕事ならではの風合いが感じられます。
木天井や襖は既存を利用。押入れは新設して、格子戸をオリジナルで造作しました。
格子の隙間からは押入れの中の藍色が垣間見え、
モダンなブルーの壁とはまたちがった和の落ち着いた印象が感じられますね。
縁甲板に用いた素材は、モルタルと木。モルタル部分はディスプレイとして、盆栽を飾るなどの楽しみ方もできそうです。
まとめ
実例から学ぶ和室のリノベーション(リノベ)特集、いかがでしたでしょうか。
“和室”と一口に言っても、目的や用途によってそのカタチは“十人十色”だということがお分かりいただけたかと思います。
「今住んでいるマンションの和室をもっと快適にしたい」。
「これから家づくりをしていく上で和室を作るか悩んでいる」。
そんな方はぜひ一度、和室が欲しい目的やご自身のライフスタイルについて見つめ直してみてください。
そうすることでベストな答えに近づけるかもしれません。
本記事でご紹介した以外にも、nuリノベーション公式HPの施工事例ページではたくさんの和室リノベーション(リノベ)の事例を掲載しています。
お部屋づくりの参考にぜひチェックしてみてください。