【特徴別】アイデア満載の洗面台リノベーション
毎日の身支度に欠かすことのできない洗面台。最近では脱衣室と洗面所を兼ねた「洗面室」という考え方から、洗面台だけを別の空間に設置し、脱衣室と分けて空間づくりをするというケースも多くなってきました。
でも、実際の使い勝手はどうなの?
造作の洗面台、まずは何から考えればいいの?
今回はそんな洗面台のリノベーション(リノベ)時に押さえておきたいポイントを実例とともにご紹介します。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
・クチコミあり!押さえておきたい人気レイアウト
・洗面台だけのリノベーションは可能?
・コストボリュームのイメージを掴もう!
・唯一無二の洗面台デザイン3選
クチコミあり!押さえておきたい人気レイアウト
まず初めに、洗面台のリノベーション(リノベ)を検討するときに押さえておきたい代表的なレイアウトを3つご紹介します。
nuリノベーション(以下、nu)で実際に洗面台を造作されたお客様の声とともに、使い勝手やメリット・デメリットなども合わせてみていきましょう!
◯脱衣室に洗面台を設置
一般的な新築分譲マンションや建売戸建住宅などでも、このレイアウトで洗面台が配置されているケースがほとんどと言える、スタンダードなレイアウト。生活動線としてすぐに馴染める点は大きなメリットですね。洗濯機も同じ空間に設置されている場合は洗濯前の予洗いができたりと、洗面台の汎用性が高まるのも嬉しいポイント。
一方で「誰かがお風呂に入っているときなどは、洗面室を使うのに気を遣ってしまう」、「コンパクトな空間なので、身支度がバッティングすると不便に感じる」といった意見も。
そのため、予めカウンターを広めに設けておいたり、ダブルシンクを採用するなど、洗面室を有効に使えるようプランニングをしておくことがおすすめです。
脱衣室と一体的に洗面台をレイアウトしたAさん
「以前住んでいた家で最も多かったのが朝の身支度がバッティングすることによるケンカだった」というA夫妻は、この家ではご主人が洗面台を使っていても奥様が身支度を進められるよう、洗面室内にカウンターを造作しました。正面には憧れだったという黒枠の内窓を設え、奥様専用のメイクカウンターをお気に入りの空間になるよう仕上げました。
◯廊下に洗面台を設置
「洗面台のリノベーション(リノベ)をするなら、このレイアウトに挑戦してみたい!」と考えたことがあるという方も多いのではないでしょうか?せっかく自分好みのデザインで造作するのであれば、思い切って来客時にも目に留まる場所に、洗面台を設置したくなってしまいますよね。帰宅後ドアノブなどに触れることなく手洗いができるのも、近年の価値観にあったレイアウトであることが感じられます。
このレイアウトを選択したお客様からよく耳にするのは「台の上に置くものには必然的にこだわるようになった」という意見。
歯ブラシやドライヤーなど、生活感の出るアイテムも多いスペースなので、そういったものの収納場所をしっかりと計画しておくのがベターです。
廊下に洗面台を設置したMさん
「当初はデザイン性を優先してラウンド型のミラーを付けたいと思っていましたが、収納力などの観点からミラーボックスに変更しました。台の上がスッキリと片付くので、これはやってよかったね」と奥様。隣り合う壁にはアクセントでガラスブロックを埋め込むなど、開放感と清潔感のあるデザインで纏めました。
◯メインとサブの洗面台を設置
最後にご紹介するレイアウトは、デザイン性にこだわった洗面台と実用性にこだわった洗面台を、それぞれ別に設けておくというケース。
エントランスのアイキャッチになる洗面台はデザインにこだわって造作し、脱衣室や家事室内に別途使い勝手を重視したシンクを設けることで、家事効率などもグッとアップします。
ただ、洗面台が2つとなることで水回りが占める割合が大きくなったり、初期コストとしてもボリュームが大きくなる傾向にあります。そのため、計画全体を踏まえた洗面台の優先順位を話し合うことが大切です。
エントランスに造作洗面台、家事室にスロップシンクを設置したNさん
「息子の靴や洋服を手洗いする機会が多くて、以前はお風呂の中でやってたんですけど結構大変で。(スロップシンクを設置したことで)布巾を漬け置きしたり、自分の洋服も気軽に手入れするようになったり。設置してよかったなと思うことばかりですね」。
洗面台だけのリノベーション(リノベ)は可能?
今住んでいる家の洗面台だけをリノベーション(リノベ)したいという方もいらっしゃるかと思います。
もちろん、洗面台だけのリノベーション(リノベ)は可能です!
ただ、小さなスペースの工事なので「短期間で、住みながら手軽に工事できるかな?」と思ってしまいがちですが、ここでもいくつか注意しておくべきポイントがあります。
◯1日で終わる工事ではない
デザインや造り方次第ですが、既存の洗面台を造作洗面台にリノベーション(リノベ)する場合、最短でも1週間ほどの工期をみておきましょう。
というのも、一言で「洗面台のリノベーション(リノベ)」といっても、洗面台を造作するためには解体工事・木工事・設備工事・クロス工事・左官工事など、さまざまな職人が連携して工事を進める必要があります。
左官材料の乾燥期間や予備日程なども見積もっておく必要があるため、ぎゅっと工程を詰めることは難しいケースがほとんど。期間は余裕を持って設定しましょう。
◯住みながらの工事はリスクを伴うことも
家の中でも限られた空間の部分リノベーション(リノベ)のため、住みながらの工事を希望される方も多いですが、こちらも間取りや工事規模によって対応の可否はケースバイケースです。必ず事前に担当のアドバイザーや設計デザイナーに希望を伝え、確認するようにしましょう!
水栓やシンクの付け替えなど、一部の工事では大元の止水栓を閉めて工事を行います。その場合、ご在宅でも一時的にトイレやキッチンが使えない時間があるため、予め頭に入れておきましょう。
◯荷物は置いておけるが、粉塵防止の対策は綿密に!
洗面室のみのリノベーション(リノベ)の場合、一時的に退去が必要な場合でも家具・家電などは置いたままにしておけるケースがほとんどです。
ただ、解体工事や資材カットの際には粉塵が舞い、搬入経路等の動線によっては他のお部屋に入り込んでしまう場合も。
そのため、置いておく家具・家電はしっかりとビニールなどで養生をすることに加え、オーディオなどの精密機器は事前に運び出しておくことなども検討しましょう。
コストボリュームのイメージを掴もう!
洗面台のリノベーション(リノベ)は工事範囲としてはコンパクトですが、素材選びや収納の造り方などによって大きく予算感が変わります。
ここからは、コストボリュームのレベルを大・中・小にわけて予算感をご紹介します。
◯コストボリューム大:しっかり造り込みタイプの洗面台
→洗面周りに仕舞いたいものが多い、来客にも使ってもらうためこだわって造りたいといった場合は、しっかりとコストボリュームをかけてつくり込むのがおすすめです。思い入れが強い分、お手入れの時間さえも楽しいという意見も!
フルリノベーション(フルリノベ)をしたT夫妻。中でも奥様の最もお気に入りなのが洗面室なんだそう。壁からカウンターにかけて白いタイルを敷きつめた洗面台は、椅子に座ってお化粧ができるゆとりのある大きさです。洗面台本体は椅子を収納できるように下部をオープンに設え、その分脱衣室の奥に洗面台と設えを揃えた収納を造作しました。
このように、洗面台だけにフォーカスするのではなく、「洗面室」という空間で使い勝手を踏まえ収納計画を進めていくのもひとつの方法ですね。
◯コストボリューム小:あえてラフに仕上げる洗面台
→ラフなテイストがお好きな方、暮らしに合わせてフレキシブルに使える空間にしたいという方は、あえてつくり込まず余白を残すという考え方も。洗面周りに置くものも自然とミニマルになるため、すっきりとした暮らしが実現します。
玄関に入ってすぐの場所に洗面台を設けたS夫妻は、ミラーキャビネット+シンク+棚板1枚という、シンプルを極めた設えで洗面台をデザイン。
洗面スペースの両隣はそれぞれトイレ・脱衣室への通路になっており、生活のあらゆるシーンで一番使いやすいポジションに洗面台がレイアウトされています。
◯コストボリューム中:機能性とデザインのいいとこ取り
→素材にこだわるために収納のつくり方でコストダウンをはかったり、しっかり隠す収納をつくるために水栓金具はリーズナブルなものを選定したり…。コスト感にメリハリをつけてつくることができるのも、オーダーリノベーション(リノベ)だからこその魅力ですね。
サペリ材のキャビネット×ココアブラウンの人工大理石で洗面台を造作したSさん。
造作キッチンと設えを揃えることで、お部屋全体により統一感が生まれています。
収納部分はオープンにつくり、細々した生活用品はボックスやデザイン性の高いバスケットを使って収納することでコストバランスを調整。インテリアがお好きなSさんの価値観にマッチした造作洗面台です。
洗面台のリノベーション(リノベ)でコストボリュームは、他の工事箇所との兼ね合いでコストカットできるケースもあれば、別途手配が必要になり同じ仕様でもコストアップになることも。
(例:洗面台のカウンターに使用する予定のモールテックスをLDKの壁にも塗装するので、効率的に作業できる分工賃を抑えられる、など)
そのため、「〇〇の仕様なら△△円でリノベーション(リノベ)できる!」という考え方ではなく、工事内容全体としてコストカットできる方法がないか、デザイナーと相談しながらプランニングを進めていきましょう!
唯一無二の洗面台デザイン3選
ここからは、リノベーション(リノベ)で世界に一つだけの洗面台をつくり上げた実例を3つ厳選してご紹介します。
細部まで行き届いた使い勝手へのこだわりや目から鱗のアイデアなど、洗面台のリノベーション(リノベ)を検討する際にぜひ参考にしてみてくださいね!
CASE1 アイランドキッチンならぬ、アイランド洗面台
・リノベーション事例:「sugar」(東京都江東区)
玄関からLDKへ続く廊下の一角に洗面台を造作したI邸では、一般的な壁に向かう洗面台ではなく、独立したアイランドカウンターとして洗面台を造作しました。
正方形に近い形で造作した広々としたカウンターは、アイロンがけをしたり奥様のメイクスペースとして使ったりと汎用性も高いんだとか。
カウンターの上に生活感の出るものを置いておくことがないよう、カウンターの奥側の壁面にニッチ収納を造作。
歯磨き粉や歯ブラシ、ケア用品などが収まるよう高さと奥行きを計画しました。
CASE2 まるでアートギャラリーのような洗面台に迎えられる家
・リノベーション事例:「SIMPLE×MODE」(東京都港区)
玄関の扉を開けると目に飛び込んでくるのは、グレーのカウンターに静かに置かれたオーバル型のボウルが印象的な造作洗面台。
洗面スペースの横には全長3mのカウンターが続き、下部にはダイニング側から使える開き戸の収納を設えました。
壁付け水栓は自動式を採用し、ミニマルなデザインに。
洗面台の横にはダストシュートも設け、洗練されたデザインに仕上げました。
CASE3 暮らしの中心にお気に入りの洗面台を造作!
・リノベーション事例:「frank」(千葉県千葉市)
廊下に設えたモールテックスのL字カウンター。その短辺に洗面台を造作したY邸。
各部屋の交差点となる位置に設けられた洗面台は、帰宅時・起床時・家事同線の中でも最もアクセスのしやすいベストポジション。
来客時にはゲストも気兼ねなく使えるようオープンな仕様でつくったため、照明や水栓金具など、一つ一つの仕上げにこだわって創り上げた空間です。
L字カウンターの長辺は、スポットライトを壁に当てるように照明計画をすることでギャラリースペースとして余白を残しました。下部にはオープンシェルフを2段造り付け、シューズラックとして使用。使い勝手とデザイン性をとことん追求した空間に仕上がりました。
最後に
洗面台に求めるデザイン性と機能性のバランスは、人それぞれです。
今のご自宅で不便に感じているところ、これだけは譲れないというポイントを事前に洗い出し、理想の洗面台を創り上げてくださいね!
よくあるご質問
Q1. 洗面台のリノベーション(リノベ)は住みながら工事可能?
A.
可能な場合もありますが、間取りや工事内容などによって可否が分かれますので、必ず担当者に確認するようにしましょう。また、住みながら工事を行う場合でも一時的にキッチンやお風呂、トイレなどが使えないケースもありますので、そういったタイミングも事前にすり合わせをしておきましょう。
Q2. 洗面台のリノベーション(リノベ)の注意点は?
A.
一時的に退去して工事を行う場合でも、家財は置いたままにするケースが多いかと思いますが、解体工事や木工事の際には粉塵が舞う可能性がありますので、しっかりとビニールなどで家財を保護しておきましょう。特に、オーディオなどの精密機器はあらかじめ運び出しておくことも検討しましょう。
Q3. 洗面台のリノベーション(リノベ)で費用を抑えるコツは?
A.
フルリノベーション(フルリノベ)など、大規模な工事に伴って洗面台をリノベーション(リノベ)する場合は、他の場所で使う素材と同じ素材を選ぶことでコストカットできるケースもあります(例:リビング床に採用したモールテックスで洗面カウンターを仕上げる場合など)。ただし、コストカットの可否は材料の種類や工事内容などによってケースバイケースとなりますので、ご自身のリノベーションの内容に合わせて、打合せ時に担当者に相談しましょう。