築浅リノベーションの魅力とは|2025年最新トレンドと注意点
物件価格が高騰する昨今、築年数よりも“自分たちらしい暮らし”や“現実的な予算”に目を向け、柔軟に物件を選択する人が増えています。
とはいえ、「古すぎるのはちょっと不安」「外観や共用部の設備も妥協したくない」。そんな声もよく聞きます。
そこで選択肢として浮かび上がるのが、「築浅リノベーション」という選択肢。
築年数の浅い物件だからこそのメリットや、物件購入時に気をつけるべきポイントをまとめていますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
・築浅リノベーションとは?
・築浅リノベーションのメリットデメリット
└マンションの場合
└戸建の場合
・築浅物件購入+リノベーションで気をつけるポイント
・築浅リノベ実例<マンション・戸建>
築浅リノベーションとは?
「築浅」というと、築何年くらいの建物をイメージするでしょうか?
実は、不動産業界において明確な定義があるわけではありませんが、以下のような解釈が一般的な目安となります。
■マンションの場合
築5年以内の物件が「築浅」として扱われることが多く、広義では築10年以内もその範囲に含まれることがあります。
■木造戸建の場合
構造材や屋根・外壁などに著しい劣化がないことを前提に、築10年以内が「築浅」とされることが多いようです。
戸建はマンションと比較して、耐久性やメンテナンスの有無に左右されやすい面もありますが、「築浅物件」というと、概ね築10年以内をさすケースが多いと言えるでしょう。
築浅リノベーションのメリット・デメリット
それでは、築浅物件を購入してリノベーションをするのには、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。こちらもマンション・戸建のケースでそれぞれで解説していきます。
■マンションの場合
<メリット>
◯デザインに予算をかけられる
築年数が浅いほど、給排水管やガス管などの劣化が少ないため、目に見えない箇所や設備機器の更新にかかる費用を最小限に抑えられます 。
その分、仕上げ材や家具造作などにコストボリュームをかけることができるのは嬉しいですね。
◯家の中も外も快適な住環境
築浅のリノベーションの際は、家の中だけでなく共用部の快適性も魅力の一つ。
近年主流となっているオートロックに加え、宅配ボックスや24時間利用可能なゴミステーションなど、共用部の設備が充実しているのも築浅物件ならではのメリットです。
また、最近では都内を中心にシェアサイクル置き場を併設したマンションなども。ご自身のライフスタイルにも着目して物件を選ぶことで、質の高い暮らしを手に入れることができます。
<デメリット>
◯総コストが大きくなりがち
築年数が浅い物件は物件価格が下がりきっていない状態のため、リノベーション費用も合わせると、物件取得にかかる総コストが大きくなる傾向にあります。ご自身が何を優先して家づくりをしたいのか、そのためにはどういった物件を選ぶのが良いかを考えてバランスを決めるのがベター。
◯全て好きなデザインにしたい方には不向き
リノベーションといえば、自由度の高い空間づくりが魅力ですが、築浅物件を購入してリノベーションをする場合、総予算の関係で部分的なリノベーションにとどまるケースが多い傾向にあります。
間取りも大きく変えたい、設備もオリジナルデザインでこだわって造作したいという思いがある場合は少し物足りなさを感じてしまう可能性も。
■戸建の場合
<メリット>
◯建売でも自分らしさが手に入る!
新築戸建の場合、注文住宅を建てるより建売住宅を購入するほうがコストを抑えられる傾向にあります。ただ、間取りや仕様はほとんど決まっているため、デザインの自由度が低い点がネック。
そんな場合でも、部分的なリノベーションで仕上げ材を変更したり、建具の更新を行うことで自分らしさをプラスすることも可能です。
◯住宅履歴が残っている場合が多い
戸建のリノベーションで間取り変更や設備の更新を行う際に、構造計算書や竣工図面などの住宅履歴が残っていると、その後の計画を比較的スムーズに進められるケースが多いです。
例えば、キッチンのレイアウト変更に伴って取り払いたい壁があった場合、構造計算書が残っていれば、その壁が耐力壁なのかがわかったり、ボード材を剥がした際に筋交が出てきてしまうのかなどを予め確認したりすることができます。
竣工時の図面が残っていない場合でも、専門の業者に依頼することで改めて構造計算を行うことは可能です。ただ、リノベーションの準備段階で別途予算と時間を確保する必要があるため、大きなデメリットになりかねません。
築年数が浅い分、新築時の施工会社や分譲会社がわかる場合は、物件資料の取り寄せができる可能性もありますので、担当スタッフに相談してみてくださいね。
<デメリット>
◯思わぬところで費用がかかるケースも
取り払えると考えていた壁や柱が構造に関わるものだった場合、それを撤去して再度耐力を確保するためには大きなコストと時間がかかる可能性があります。
戸建の場合、「どの壁を取り払うことができるのか」を目視で見分けることは困難なケースが多く、小さな袖壁であっても図面と照らし合わせて判断する必要があります。
ご自身がイメージするリノベーションが間取り変更や壁の撤去が必須の場合は、安易に自己判断せず、必ずプロの意見を踏まえて判断するようにしましょう。
築浅物件購入+リノベーションで気をつけるポイント
築年数の浅い物件を購入してリノベーションを行う際に重要なのは、物件購入のタイミングでリノベーションの費用感も事前に把握しておくことです。
「これくらいの予算でできるだろう」とイメージしていたことが、いざリノベーション会社に相談してみると予算感に大きくズレがあり、やりたいことができなかった…という事態は避けたいところです。
そういった失敗に陥らないために、押さえておきたいポイントは2つ。
POINT1 物件探しと並行して、気になるリノベーション会社のイベントに参加してみる
物件探しとリノベーションを別の会社に依頼する場合は、候補となる物件が絞られてきた時点で気になるリノベーション会社の個別セミナーなどのイベントに参加しておくのがおすすめです。
ご自身がリノベーションで叶えたいことやデザインへのこだわりを伝えて各社の費用感を知ることで、総予算の見通しがつきやすくなり、安心して購入物件を決めることができます。
また、物件代金とリノベ費用を併せてローンを組む場合は、金融機関の事前審査でリノベーション費用の見積書等が必要となるケースがほとんどです。
スピードが勝負の物件購入。思わぬところでタイムロスとならないよう、事前の準備をしっかりと進めておきましょう!
POINT2 物件探し+リノベーションをワンストップで依頼できる会社を探す
特におすすめなのは、ワンストップリノベーションを行っている会社に物件探しから依頼すること。
リノベーションの費用感を把握している担当者と一緒に内見をすることで、予算感やリノベーションの向き・不向きを診断することができるため、より満足度の高い物件探しとリノベーションが叶います。
nuリノベーション(以下、nu)では、物件探しからのご相談はもちろん、他社さまで購入を検討中の物件の内見同行、すでに購入手続き中の物件のリノベーションのみのご相談など、お客様のご状況に合わせて柔軟にご計画をサポートしています。ぜひ、お気軽にご相談くださいね。
築浅リノベ実例<マンション・戸建>
最後に、築浅物件のリノベーション事例を、マンション・戸建それぞれご紹介します。
■マンション・築10年 | 最小限のリノベで猫と暮らす唯一無二の空間に
・リノベーション事例:「SIMPLE×プレーン」(神奈川県茅ヶ崎市)
まずはマンション事例のご紹介です。
築10年の中古マンションを購入し、主に建具や収納の造作、部分的な間取り変更などを行いました。
設備はキッチンのみ交換。メインのフローリングを既存利用した床は、キッチン横のスペースを一部Pタイルに張り替え、広々としたLDK空間をゆるくゾーニングしています。
建具は、縦のスリットがすっきりとした印象の引き戸に交換。
廊下だけでなく、個室→WIC側からもLDKにアクセスできる動線を追加しました。
階段型の壁面収納は、キャットウォークを兼ねたリノベーションならではのデザインで造作。
シンプルな落ち着きのある空間の中にも遊び心が感じられる住まいへと生まれ変わりました。
■戸建×築1年 | 部分リノベで憧れのプライベートカフェ空間にアップデート
・リノベーション事例:「NATURAL×CAFE」(神奈川県茅ヶ崎市)
新築で購入した戸建のLDKを中心に、部分的なリノベーションで好みのデザイン・間取りをつくり上げたこちらのお宅。
腰壁のタイルやモールテックスのベンチ、パーケットフロアなど、リノベーションならではの素材や意匠が散りばめられています。
間取り変更は最小限に。元々あった壁を取り払って出てきた筋交は、木の風合いが引き立つオープンシェルフにチューンアップ。居心地のいいカフェのような空間が完成しました。
最後に
ある程度築年数の経った物件をスケルトン状態からフルリノベーションするのももちろん魅力的ですが、築年数の浅い物件の場合にもこだわりたいところに絞ってリノベを楽しめるなど「だからこそ」の魅力がたくさん。
この記事でご紹介しきれなかったアイデアや、ご自宅をリノベーションする場合にはどのような選択肢があるのかなど、築浅リノベーションについてもっと詳しく知りたいという方は、ぜひお気軽にnuの個別セミナーに参加してみてくださいね。
よくあるご質問
Q1.築浅のマンションをリノベーションするメリットは?
A.
築浅のマンションの場合、給排水管やガス管などの配管関係や住宅設備の使用頻度が低いことから、設備関係の大掛かりな更新工事を行わず、家具造作やインテリアなどデザインに関わる部分にリノベーション費用をかけることができるのは大きなメリットです。設備工事を伴わない場合は、工事期間も比較的短く抑えることができるため、早く新居に入居できるのも嬉しいポイント。
また、オートロックや宅配ボックスなど最新の設備が整っている物件が多いため、家の中だけでなく共用部の快適性も、築浅のマンションの魅力のひとつです。
Q2.築浅の戸建をリノベーションするメリットは?
A.
設備などが新しく、更新の必要がないというのはマンションと共通のメリットですが、建売住宅に自分らしさをプラスできるというのは戸建てならではの魅力。注文住宅までは手が出ないという場合でも、リノベーションで好みのデザインを加えることができるため、立地条件など選択の幅が広がるのは嬉しいですね。また、マンションと違い建築図面や確認申請書などを個人が管理している戸建の場合、築年数が浅いほどそういった書類を売主側がしっかり保管している可能性が高まるため、リノベーションの計画をよりスムーズに進めていただけるのもメリットの一つです。
Q3.築浅のリノベーションを成功させるコツは?
A.
大掛かりな工事ではないからといって予算感や工事の可否を自己判断してしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性も。後悔のない物件購入・リノベーションを叶えるためにも、計画を進める際には必ず不動産・リノベーション両方の知識を持ったプロに相談しながら計画を進めていきましょう!