本日は、解体工事~木工事までをご紹介いたします!
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それでは、早速工事の流れを順々に見ていきましょう!
・・・と思いましたが、
今回のnuLIVEは、フルスケルトンからのリノベーションだからこそできる新しいリノベの形についてお話をしようと思います!
テーマは「足し算リノベ」!!
これは、住む人が、入居後に自分たちの暮らしに合わせて、収納や飾り棚をご自身で付け足していくリノベーションスタイルを意味します。今回ご紹介する現場を担当させていただく中でその魅力を再認識したので、皆さんにご紹介したいなと思い、今回特集させていただくことにしました!
足し算リノベの家づくりの特徴としては、床や壁など、家の土台となる部分は素材にこだわってプロに形にしてもらいつつ、自分好みに手を加えてアレンジできる「余白」もつくっておくということ。
ここでいう「余白」とはDIYで棚などを取り付けるために「下地」を入れた壁面スペースを指します。
壁紙を貼って仕上げてしまえば、一見するとただの何もない壁ですが、壁面に下地を仕込んでおけば、後から自分で棚などを設置したりすることもできるので、入居後も続けてセルフリノベーションを楽しむことができます。
これまで私が担当してきた中でも、今回の現場は特にその「下地」の範囲が広かったことが印象的です。
それではまずは、物件コンセプトからご紹介!
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◎CONCEPT
moku-yoku
床材×インナーテラス
オークフローリングを全面に敷き詰めた、モクが薫る1LDKプラン。
玄関土間から半アーチ の開口をくぐり抜け、LDKまで回遊できるWIC・ワークスペースは
オープンシェルフ越しに廊下とも繋がりを持たせ、風通しよく設えました。
間接照明に照らされたインナーテラスは、夜気を感じながら晩酌を楽しむとっておきの空間。
昼も夜も心地のいい風が吹き抜ける、2人の住処の完成です。
◎PLAN
◎IMAGE PERSPECTIVE
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まずは解体をして、土台づくりからスタートです。
スケルトンの状態から…、
壁の軸組を立て、床を組んでいきます。
軸組は、軽量鉄骨材という素材で造られています。
厚み1mmの鉄骨を筒状に加工した材料で、中身は空洞になっていますが強度は充分!
通常、現場では「スタッド」と呼ばれています。
また、床をつくるときはきちんと水平になるように慎重にチェックします。
上の写真は、床組の脚にあたる部品をドライバーで上げ下げして床の高さを調整し、全体を水平にする作業を行っている様子です。
こちらの現場の仕様の中でも1つのポイントとなるのが、LDKとバルコニーの間にあるインナーテラス。
門のように三方を壁で囲うことでLDKとやんわりと区切られつつ、空間のアクセントとなるようなテラスに仕上がっていく予定です!
こちらは4分の1の円弧を描いた半アーチの開口です。なかなか見ない、ユニークな形ですね!
さて、ここからは塗装工事の様子を。
今回の現場では、天井は躯体現しを白く塗装していきます。
こういった天井などの広い面積の塗装は、工程の中でも早い段階で行います。
仮にフローリングなどの仕上げ材料を先に貼ってしまうと、天井の塗装が万が一垂れてしまったときにフローリングを汚してしまう危険性が高まってしまうので、現場ごとに臨機応変に工程を組んでいく必要があります。
そして、これらの工程を終えるとついに下地入れの作業に移ります!
今回は特に「裏打ち」というやり方を多く取り入れていますので、こちらの方法をご紹介します。
「裏打ち」とは次の図のように、スタッド同士の間にベニヤ板を固定してから石こうボードを貼る方法です。
あまり私自身も施工している様子をまじまじと見たことがなかったので、作業中の写真を細かくご紹介しながら説明していきますね!
まずは、スタッドの間にぴったり納まるサイズでベニヤ板をカットして、その板に裏打ち用の金具を付けていきます。
スタッドとスタッドの間にベニヤをはめたら、しっかりとビスで固定していきます。
計画した範囲に下地を入れ終えたら、最後にまとめて石こうボードで蓋をします。
この下地の工程は大工工事の中でもとても重要。というのも、この下地が指定の箇所に入っていないと、最後の器具付け作業に直結して影響してしまうからです。
そのため、照明器具や洗面台を取り付ける箇所などは事前に綿密に範囲を確認して、取りこぼしがないように注意しなければいけません。
壁紙を貼った後で下地が入っていないことに気付いても手遅れです…!
お客様の「余白」としてのDIY用の下地もこの段階で一緒に施工をしていきますので、DIYがスムーズに進むよう、どの範囲に下地が入っているのかを把握しておきましょう!
とはいえ、全ての下地の箇所を正確に把握しておくのはなかなか難しいもの。
万が一下地がないところに間違えてビスを打ってしまうとその穴が残ってしまいますので、実際にDIYで棚などを取り付けるときには注意が必要です。
そうならないように、不安な箇所はビスを打つ前にきちんと確認をしましょう。
こちらの下地探し用の検査針は、針を壁に挿して壁の中に下地があるかを確かめることができます。
先端にメモリが付いていますので、どれくらい奥に下地があるのかも分かります。
しっかりと確認できたら、インパクトドライバーでビスを 取り付けましょう!
もし私が将来リノベーションをするときは、「下地」で「余白」をたくさんつくったリノベーションをしたいですね。やりたいことが後から続々と出てくる気がしてなりません(笑)
住んでから、オリジナルの理想の家に向けてブラッシュアップできる「足し算リノベ」も1つの選択肢だと感じました。
そろそろ木工事も終盤になりますが、仕上げ工事に入る前に最終チェックにいってきます!
次回の仕上げ工事編もお楽しみに!!