本日は、造作工事~仕上げ工事の様子をご紹介いたします!
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前編では、床や壁の下地が組まれ、なんとなく間取りが見えてきたところまでをご紹介いたしました。
順調に進んでいる現場の全体写真は記事後半に登場しますので、お楽しみに!
今回の現場は、LDKにリノベーションの醍醐味と言える要素がたくさん詰まっていますので、今回はその中でも次の3つをピックアップしてご紹介していきたいと思います!
・造作家具
・モールテックス
・塗装
まずは、「造作家具」から。
造作家具の魅力はやはり、寸法や素材、色を自由に決められることでしょう!
たとえば、「見せる収納として棚がほしい!」となったとき、どうしても飾りたい絵があったとしましょう。でも、ショップで売っている棚ではサイズも色もイマイチしっくり来ない…。
そんなとき、「高さはこの寸法で、幅はこれで、色はこんなイメージで…」と希望を実現できたらとても嬉しいですよね!
リノベーションで家具を造作する場合は、お部屋の広さや飾りたいものに合わせて細かく仕様を決めることができるので、その願いが叶えられます!
そんな造作家具が出来上がっていく様子を見ていきましょう◎
こちらは、ワークスペースのデスクを造っている様子です。
黒い窓枠の下に、金属の部品が飛び出しているのが見えますね。
これは、L型アングルという部材。デスクの脚をなるべく少なくするために、脚の代わりとなる大きな金属のパーツを仕込んで天板を支えています。
正面から見るとアングルは壁の中に隠れてしまうので、すっきりとした印象になりますね!
棚の奥行きや高さ、デスクの高さなど、お客様と決めた寸法がしっかり取れているかを採寸して、都度確認しながら作業を進めていきます。
デスクの天板高さは720mm。オーダー通り出来上がっていました◎
ちなみにこの日は新しいスケール(メジャー)をおろしました。
何度も何度も採寸しているうちに壊れてしまい、4代目のスケールです。
さて、現場の話に戻り、ここからは当現場の最大の見せ場、キッチン周りの造作ポイントをご紹介していきます!
まずは、パントリーの固定棚を取り付けている際中の様子から。
高さを測りながら、安全に使っていただけるようしっかりと固定していきます。
次はメインとなるコの字型の造作キッチンです。
造作のため、ガスコンロ、食洗機、水栓、シンクなどの設備は各メーカーから選び放題!
また、収納をどこにどのくらいのサイズで設けるかも想いのままに決めていただくことができます。
これだけ大きいキッチンですと、設計・デザインの打合せも濃厚だったと思います。
たくさん悩み抜いて決めていただいた分、お客様の想い入れもきっと大きいことでしょう。
天板はセラミックを採用しています。
とても丈夫な上、上品な質感が魅力的な素材です。
工事中に傷がつかないよう、完成までは養生材でしっかりガードしていきます。
収納の寸法、扉の開閉チェック中!
見た目が良くても、開閉時に軋みや突っかかりがあるようでは元も子もありません。
住み手となるお客様の気持ちになって、慎重にチェックしていきます!
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続いてご紹介するのは、「モールテックス」です。
モールテックスはnuリノベーション(以下、nu)でもたくさんの施工事例がありますが、その中から私のお気に入り事例を1つ選んでみました。
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・リノベーション事例:「a line」(東京都町田市)
壁や床だけでなく、キッチンと一体的に造作したダイニングテーブルまでも全てモールテックスで仕上げた空間…、圧巻です。
今回の現場では、壁一面にモールテックスを左官しています。
この一面だけでも、職人さんが2人で3日間かけて完成させました!
下地をきちんと処理して凹凸を均し、1層2層と重ねて仕上げていきます。
コテの跡がいい味を出していますね!
リノベーション工事では、木工事や電気工事など一つの現場で色々な工事を行いますが、中でもモールテックス・モルタルのような左官工事は、工程管理が重要になってきます。
というのも、左官工事は塗布してから乾くまで時間がかかり、その間にチリや木屑が付着してしまっては、せっかくの質感が台無しになってしまいます!
そのようなことがないように、左官工事を行う際は同じ日に他の作業が極力入らないよう、各工程を調整しています。
また、表面に塗る保護剤にも3種類ほどあり、場所によって使い分ける必要があります。
今回は、キッチンが接する壁ということもあり、「ビピュール」というものを使っています。
モールテックスの表面に膜をつくることで、水や油が中に染み込みにくくしています。
乾いた後に実際に手で触って、見た目だけでは分からない問題がないかチェックしています。
ちなみに、モールテックスの色はグレーだけでなく沢山の種類がありますので、気になる方はぜひ調べてみてくださいね!
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さて、最後にご紹介するのは「塗装」工事です!
塗装工事も先ほどのモールテックスと同様に、壁に塗る場合は下地処理が重要です。
アーチ開口のような曲面はクロス貼りが難しいため、塗装で仕上げていきます。
まずは、アーチを形作る部材と壁を構成するボード材が滑らかにつながるようにパテで均し、それから塗装していきます。
また、今回の現場では造作家具や棚板はお客様のご希望のウォルナットの色味に合わせて調色したオイルステインで塗装をしていきます。
△端材に塗料を塗って見比べながら理想の色となるよう調色。
オイルステインは木材の木目を消すことなく、木ならではの風合いを残して染色することができる塗料です。
水廻りなどで仕上げに木材を使用する箇所は、最後に防水のためのウレタンクリア(木材表面に透明な保護膜をつくる)を塗って仕上げていきます。
ちなみに、上の写真のデスクを塗っている職人さんはnuLIVE【Latte】にもご出演されています(笑)
ヘッドライトが印象的な、明るくて面白い職人さんです!
実はヘッドライトは家具などの塗装には欠かせないものです。
なぜかというと、照明が少ない現場では時間や天気によっては室内が薄暗くなってしまったり、細かな部分は陰になってしまう箇所も多々。暗い状態のままでは塗り残しやムラが出てしまいますよね。
そんな時、このヘッドライトを頭につけていれば常に手元を照らせるので、職人さんにとっては必須アイテムなんです!
こちらは冒頭でデスクの造作工事を行なっていたワークスペースをリビングから見た様子です。
塗装工事の中でご紹介した「オイルステイン」は木の風合いを残す塗料でしたが、この内窓の枠にはあえて木目を消す塗料を使うことで、ブラックでパキッと仕上げています。
塗装工事も終盤に差し掛かりましたので、LDKの全体写真を最後に1枚!
この写真を撮影した次の週からはクロス工事が始まり、続けて照明などの器具を取り付ける器具付け工事を行っていきます。
この段階まで工程が進むと、完成が日に日に近づいてきているのがよくわかりますね。
とてもワクワクしますが、最後まで気を引き締めて職人さんと一緒に頑張っていきます!
もうひと踏ん張り!!◎