住宅メディア編集者のニノマエさんが綴る、リノベーション奮闘記。コミカルな描写が思わずクセになる、3人家族のリアルなリノベーションの様子をお届けします。
リノベのはじまりはじまり
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皆さん、はじめましてこんにちは。ニノマエと申します。私は元々断熱屋さんで働いていて、今は住宅メディアの編集部で取材をしている者です。そして一昨年の秋頃、人間の男の子を出産した一児の母でもあります。現在育休中で、今年の春に職場復帰する予定です。オカルト有識者(ただの趣味です)の夫と現役幼児の息子(1歳1カ月です)と成人女性の私の3人で暮らしています。
昨年冬、nuリノベーション(以下、nu)さんで中古住宅を購入し、リノベーションをすることにしました。この連載では、道徳レベル以外の価値観はほぼ合わない我々夫婦のリノベの進め方や、幼児がいる中でのもろもろの奮闘ぶりなどをお伝えしたいと思います。ほんの少しでも皆さんのおうちづくりの参考になれば幸いです。
第一回目となる今回は、わが家がリノベを選択した背景などをお伝えします。
先述した通り、私は住宅メディアの編集部で取材をしています。その中で、リノベの事例を取材することがたくさんありました。例えば、ビビッドピンクの大きなアーチのリビングが特徴的なマンションの一室や、冷蔵庫の分厚いステンレスのドアなどを再利用した元牛乳屋さんのカフェ兼コワーキングスペース、外気が氷点下を記録するような厳しい寒さにも関わらず、夜に暖房をつけなくても翌日朝は18℃の暖かさをキープする築50年の戸建て住宅のリノベの事例もありました。
白い壁に白い天井、なにかしらの木の床…。そして冬は寒くて夏は暑い。それがこれまで私が抱いてきた住宅に対するイメージでした。ところが取材を通して、リノベをすればユニークなデザインも新築以上の性能も実現できると知りました。
リノベの利点として、自由度の高い設計や低コストなどがよく挙げられますが、私が特に魅力を感じたのは自分の好みやライフスタイルなどを踏まえて空間をつくれる点です。自分が家に合わせて住むのではなく、家を自分に合わせて住むことができる。そこに惹かれて将来家を買うならリノベが良いなと強く希望していました。
とはいえ、私の願望だけでマイホームを決めるわけにはいきません。まずは夫の思想を確認するために新築とリノベのどちらが良いかを聞くと、どっちでも良いよと答えが返ってきました。ひとまず思想の分断が起きなくて心の底から良かったです。どっちでも良いなら親リノベ派になってもらうほかありません。それからというもの、自社媒体のリノベの記事を脈絡なく見せたり、リノベのメリットを延々と解説したり、本当に新築とリノベどちらでも良いのかを執拗に確認したりなどしました。それなりの年月をかけたかいもあってか、そんなこんやで「わが家はリノベ」という共通認識を形成するに至りました。(ちなみに、先ほど夫にリノベを選んだ理由を聞いたら「自分にとってベストな家を実現できるから」「(私の)プロパガンダが成功したから」とのことでした)
そして昨年冬、ついに悲願のリノベをすることにしました。
このタイミングに決めた理由は2つあります。1つ目は息子の保育園事情です。現在住んでいる街から離れる想定をしているので、転園を想定していました。転園で息子が新しい環境に慣れる必要があるなら、なるべく早い方が良いと判断しました。2つ目は家賃がもったいないからです。
夫とそうした事情を話し合い、いよいよリノベへと動き出します。
リノベをすると決めたら、次はリノベ会社選びです。
追伸:これから家づくりを語っていく私たちの雰囲気を知ってほしいという思惑から、
僭越ながら家族写真を掲載いたします。※私も夫も息子もシャイなので目線を入れさせていただきました
撮影・文:ニノマエ
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