
だんだんと春らしい陽気になってきましたね。
季節外れの夏日は勘弁してほしいところですが、オフィス前の明治通りの桜が満開になるのが楽しみな今日この頃です。
さて、今回は仕事でもプライベートでも大切にしている“琴線に触れる”という感覚についてお話ししていきます。
ここ最近ですと、東京都庭園美術館で行われていた『そこに光が降りてくる』という展覧会があまりにもよくて、冗談抜きで今まで訪れた美術展示の中でいちばん感銘を受けました。
数ヶ月経った今でも写真を見返せば当時の感動が蘇ってきて、まさに心の琴線に触れる経験だったなぁと感じます。
繊細でありつつも、創作のエネルギーを感じる作品たちはどれも印象的。
光を纏った姿は本当に美しく、見惚れてしまいます。
一般的な美術館はホワイトキューブ型の展示が多いと思いますが、会場である旧朝香宮邸の1930年代のアールデコ装飾に合わせた展示がまた素敵で、そこにもかなりグッときました。
それから、私の働く恵比寿に昨秋オープンした<ルメール恵比寿>。
商品はもちろんですが、一軒家を改装した内装デザインとそこに漂う凛とした空気感に終始うっとりしました。
美術館だけでなく、アパレルやライフスタイルショップなど。
日常の身近な場所にも感性を磨くことのできる機会は多く存在していると思いますので、常に探究心を持って積極的にそういう場所を訪れ、出合いのきっかけを逃さないことが大切だと感じています。
私がなぜ“琴線に触れる”という感覚を大切にしているのか。
特に意識するようになったのは、以前たまたま見かけたコラムニストのジェーン・スーさんの言葉でした。
「自分を不幸せなところに置いたままにしない。自分で選択したことの責任を取る。大人の責務はこの二つ。」
当時25歳くらいの私は、素敵な大人になるためにはこんなふうに生きたらいいんだぁと漠然と受け止めつつも、これってものすごく大切なことだと猛烈に共感を覚え、それ以来自分が幸せを感じるのはどんな時か、何が自分の心を豊かにするのか、ということを常に考えながら過ごすようになりました。
答えは人それぞれだと思いますし、その時々で移り変わるものでもあると思いますが、私の場合は“琴線に触れる機会”を多くもつことが心豊かにしてくれると感じています。
今回お話ししたような美しいアートやインテリアなど形あるものに触れた時もそうですが、仕事をしている時もそうです。
スタッフの家づくりへの熱量をそばで見ることができたり、ご入居後の撮影を通じてお客様のいい時間を感じる暮らしを見届けることができたり。
そういった瞬間も、まちがいなく心の琴線に触れています。
だからこそ私はこの仕事が好きなんだと思います。
3月中旬からは、新国立美術館にて『リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s』がはじまりますね。
みなさんそれぞれの心の琴線に触れる場所へ出掛けてみてはいかがでしょうか。
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