プロダクトデザイナーの夫とマーチャンダイザーの妻が、夫婦でお届けするリノベ日記。家づくりをしていく中で、どのように対話を重ね、価値観をすり合わせていったのか。クリエイター夫妻ならではの着眼点にも注目です。
空間とアイテムの調和
こんにちは、今回も夫である私から、自分たちらしい空間づくりをおこなうための、「アイテムによる色の使い方」と「様々なアイテムのミックス」についてお話ししたいと思います。
まずは、色使いについてお話ししたいと思います。
例えば、上の写真はリビングルームの入り口のあたりですが、もともと持っていた黄色のBISLEYのキャビネット(写真右下)に合わせた黄色の間仕切り用のカーテンや、真っ赤なペンダントライトを配置することで、鮮やかな差し色をアクセントとして取り入れています。
家全体をグレーベージュというニュートラルな色を基準に統一したことで、あらゆる色が調和しやすくなり、鮮やかな色を取り入れてもコントラストが出過ぎず、落ち着いた色はより馴染みやすいように感じます。
色を取り入れる際のルールは特に存在せず、二人の感覚で選ぶことがほとんどです。
もともと色の好みが近いこともあり、すんなり意見が一致して買う色が決まることは良くあります。
このVitraの「スタンダードチェア」は、妻が以前から好きだった椅子で、前の家から持ってきたものです。
あえて定番の黒ではなく、ジャパニーズレッドという色を選んだのですが、この椅子の深い赤色を基調に水色のダイニングチェアを取り入れたり、椅子に使われているオークの木材をフローリングやダイニングテーブル、ソファにも取り入れたりするなど、一つのアイテムから部屋のイメージを膨らませたものもあります。
新居に引っ越してからスペースに余裕ができたこともあり、いくつか観葉植物も置いています。
植物を育てること自体の楽しさやリラックスできる良さはもちろんあるのですが、色としてのグリーンとグレーベージュの相性がいいですし、プランターを選ぶ楽しさもあるため私たちの家には欠かせない存在です。
先ほどのスタンダードチェアのように、家を作る時点で取り入れることを決めていたものもいくつかあり、設計の段階でも反映してもらった事例がいくつかあります。
先ほど紹介した黄色のBISLEYは前の家でも使っていたもので、色違いで揃えたいと思っていました。
キッチン横に私のワークスペースがあるのですが、そこで使うキャビネットをBISLEYにすることに決め、造作のキッチンの一部にピッタリ収まるように設計していただきました。引き出しのラインまで揃っていて、いつ見てもその収まりの良さに感動しています。
同様に、洗面所で取り入れたいと思っていたカゴに合わせた洗面カウンターや、持っている靴に合わせて高さを設定した靴棚も次回以降で紹介できればと思います。
いくつか私たちの家にある家具や小物を紹介してきましたが、自分たちらしい空間をつくるために空間の印象が何か特定のテイストに偏らないようなアイテムの選び方には気を付けています。
ニュートラルな空間をつくっていただいたので、インダストリアルな金属の質感や、北欧らしい木製家具、ヴィンテージ雑貨、伝統工芸品など、自由に組み合わせることで私たちの個性が反映された空間が生まれているように感じています。
意外なものがある面白さもあると思っているので、私のワークスペースにはIKEAで一目惚れした子供用のデスクライトを置いてみたり、
近所のヴィンテージ家具屋さんで見つけた半球のオブジェを壁につけてみたりと、自由な空間づくりを楽しんでいます。
このように、色使いとアイテムセレクトを私たちなりにコントロールすることで、私たちにとって理想的な住空間を実現しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回以降はそれぞれの部屋や空間について掘り下げていきたいと考えています。
撮影・文:小松夫妻
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