数年前、nuリノベーションでご自宅をリノベーションしたmaruさん。
リノベをきっかけに変化したライフスタイルや、丁寧な暮らしをつむぐmaruさんの等身大の日常をお届けします。
共に歩み、暮らすインテリア②
私ごとではありますが、10月中旬に資格試験がある関係で、この原稿は少し早めに作らせていただいています。
この記事をアップしていただく頃には、もう試験は終わっている頃でしょう。
今の努力次第では、その時を喜びで迎えられるかもしれません。
頑張れ、今の自分!(笑)
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前回のお話の続きです。
私のリノベーションのテーマは「刺激」と「鎮める」と「和み」であったということをお話しさせていただきます。
リノベーションでは全ての壁を取り払い、約30畳のワンルームにしました。
その空間を壁で仕切ることなく、先程の3つの異なるテーマと床材の違いでゾーニングをしてみました。
キッチンは無骨で「刺激」をもらえるような空間に、
寝室は無機質な程にシンプルで「鎮める」空間、
リビングは皆の笑顔がこぼれるような、自然体で「和める」空間に、というような感じです。
空間を分けるためにテーマを違えたのではなく、どれも好みのテーマなので捨てがたく、全てを採用したら自然と空間が分けられたというのが実際のところです。
リノベーション中はこのテーマが常に頭の中にあり、私の中で家づくりのベースとなりました。
暇さえ有れば頭の中にイメージを思い描き、そのおかげか何かを決めるにも迷うことはほとんどありませんでした。
そうして出来上がった無骨で刺激的なキッチン。
ステンレスのフレームキッチンと古家具の水屋箪笥(食器棚)を基調とした、インダストリアルで力強いイメージに。
無骨さと味のある古い家具は絶対に合うという謎の確信がありました。
自分の寝室は1日の終わりに穏やかに過ごせるよう、物は極力置かず心鎮める空間に。
ベッドと机、椅子は修道院で使われていた物たちで、心静かに過ごすにはぴったりのイメージです。
そしてリビングは自然体で和める空間に。
壁は全て塗り壁で色味を柔らかなクリーム色にしていただいたことで、古道具たちにも自然と馴染み、心地よさそうです。
予算上変えられなかったということもありますが、リビングの床は変えることなくそのまま残しました。
できれば無垢の床にしたかったのですが、優先順位からして諦めざるを得なくなった時、「これまで過ごしてきた思い出として、床くらい残しておいてもいいんじゃない?」という主人の助言もありそのまま残すことになりました。
程よいビンテージ感が出始めてきた馴染みのある床を見るたびに、残しておいて良かったなと心から思います。
リノベーションのピンチは新たな発見のチャンスですね。
そして3つの空間を程よく区切ってくれているのは、小屋に見立てたウォークインクローゼットです。
田舎にぽつんと建っているような素朴な小屋が大好きで、どうにかWICを小屋に見立てられないかと、nuリノベーションさんと内装をお願いしたREFACTORAY antiquesさんに相談して形になりました。
100年前の小窓やガラガラと懐かしい音をたてて開く扉は、まさにマンションの中に建った小屋。
水やりが気軽にできるように、脇に土間を打ってもらいました。
現在は物置き場ですが、できることならこの中で眠りたいです。笑
壁や床、建具を塗ったり金具を取り付けたり、自分でできるところはさせてもらいました。
格子の窓のように見えるのは元々は障子の桟です。
白くペイントすることで格子窓に見立てました。
こればかりは処分せずに残しておいた自分を褒めてあげたい気持ちです。
異なるイメージを使っていてもまとまりがあるように感じられる一番の理由は、どの空間も古家具、古道具を使っていることにあると思います。
そしてそのほとんどが、同じお店の同じ店主が買い付けたものであるということも大きいと思います。
最初は自分の頭の中だけにあったイメージを形にするには、その思いを受け止めて図面に起こしてくれる人、それを忠実に形にしてくれる人、彩りを添えてくれる人、そして共感できる人たちとの出会いがあってこそで、今も部屋を見渡すとこの部屋に関わってくださった方々のお顔が浮かんできます。
私もたくさん経験してきたことですが、頑張って素敵にしようとしているのになんかしっくりこないというのは、インテリアがお飾り的な要素になってしまっているところがあるのではないかなと感じます。
膵も甘いも経験しながら、自分にとって良き相棒となるようなインテリアを見つけ、共に歩み、暮らしていって欲しいなと思います。
秋の一枚は、花の中で一番好きなコスモスを。
自分が秋生まれだからかもしれませんね。
撮影・文:maru
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