住宅メディア編集者のニノマエさんが綴る、リノベーション奮闘記。コミカルな描写が思わずクセになる、3人家族のリアルなリノベーションの様子をお届けします。
おうちのかたち
今回はわが家の間取りがどのように決まったのかをお話ししたいと思います。
プレゼンテーション当日、現況の間取りをほぼ生かしたA案をベースに間取りの打合せを進めていくことにしました。
ところで、A案のLDKは個室に面する壁に設置したテレビを観ることを想定しています。ここで夫が、個室から出てくる人とテレビを観ている人の視線がぶつかるためレイアウトを変更したいと稟議を出しました。
一方、B案のLDKは純然たる壁に設置したテレビを観ることを想定しているため、上記の懸念がありません。そのため、A案にB案のLDKを合体させる方針としました。
また、私は背後から人の気配を感じることが苦手です。A案+B案の場合、キッチンの後ろに個室があるため、キッチンで家事をしていると人の気配が気になりそうです。
一方、現況のキッチンの後ろはバックカウンターなので人の気配を感じることがありません。それでもって、私が現況のキッチンのレイアウトを実は気に入っていると気づいたため、デザイナーさんにこのレイアウトを生かしたご提案をお願いしました。
翌週、間取りについての打合せをしました。当日息子が微熱だったため、念のためオンラインでの打合せをお願いしました。息子はnuリノベーション(以下、nu)さんのオフィスでの打合せだとやや大人しいのですが、この日はホーム戦なので元気いっぱいです。ちびっこ怪獣を相手にしながらの打合せは難易度の高いクエストでした。
打合せでは、新規プランを含めて4案をご提案いただきました。
1つ目はA案をベースとしたプラン。キッチンは現況の位置に配置し、目の前にリビングが広がるというものです。テレビは窓側に位置するため、視線がぶつかる問題は解消しています。全てのプランの中で最も実際に暮らしているイメージが想像できました。
2つ目もA案をベースとしたプラン。ほぼA1プランと同じですが、Ⅱ型キッチンの導入とパントリーの設置が異なります。パントリーの入り口に悲願のアール開口をご提案いただき、食指が動きまくります。
3つ目は3つの個室がコの字型で配置されたプラン。一部の個室が狭いため、ロフトベッドなどの対応が必要となります。リノベならではの独自性と設計のレベルの高さに紫綬褒章を授与したい気持ちです。
4つ目はキッチンのパイプスペース周りをベンチに生かしたプラン。ベンチはダイニングチェアを兼ねていて、テレビを観たり食事をしたりリノベらしい個性あふれる使い方ができます。ただ、近くにトイレがあるため、せせらぎ音や爆発音が聞こえてくるのではと心配しました。(デザイナーさんからそんなことはないですよと言われました)
全て魅力的な間取りなので、どのプランを選んでもわが家に寵愛を与えられると思いますが、私たちが最も暮らしを想像できたA1プランに決めました。
おうちの大枠となる間取りが確定しました。次は各空間の設備や建材などを考えていきます。
文:ニノマエ