
住宅メディア編集者のニノマエさんが綴る、リノベーション奮闘記。コミカルな描写が思わずクセになる、3人家族のリアルなリノベーションの様子をお届けします。
おうちのまんなか
今回はLDKについてお話ししたいと思います。
LDKはグレーや黒を基調としたスタイリッシュな空間を目指しました。
nuリノベーション(以下、nu)さんとの打合わせで床のサンプルをいくつか見た時、クールな雰囲気と耐久性に惹かれて濃いグレーのフロアタイルを希望していました。
ただ、デザイナーさんから長時間立ったり歩いたりすると床が硬いため疲れる可能性があると教えていただき、虚弱な我々の足への負担を考慮して濃いグレーのタイル調のフローリングに変更しました。
フローリングですが、タイル調なので四捨五入してタイルだと思っています。
壁もグレー系の壁紙を希望しました。
nuさんのオフィスで上記のフローリングのサンプルを床に置き、薄いグレーから濃いグレーまで4種類の壁紙のサンプルを壁に貼り付けて色味を確認していきます。
厳正な審査の結果、濃いグレーの壁紙が選ばれました。
最初は床と壁の色が濃いグレーだと重たい雰囲気になるかなと思いましたが、照明で色がそれなりに飛ぶことを見越して濃い色にしました。
ちなみに、天井もグレー系の壁紙です。
当初は白い火災報知器に合わせて白い壁紙を検討していましたが、空間を全てグレー系でまとめるため壁と同じ壁紙にしました。
リビングの壁の中で、ポイントとなるのが個室に面する壁です。
表面を自由に仕上げられるドアを選び、壁と同じ壁紙をドアの表面に張ります。
ドアが壁に擬態したみたいでかわいくなりそうです。
当初はドアと壁を同じ色で塗装する予定でしたが、コストの兼ね合いと、後述するキッチンのバックカウンターの壁を強調させるために壁紙にしました。
そして、わが家のランドマークになると思われるキッチンにもこだわりました。
当初、キッチンはリビングからの見た目だけにこだわり、キッチンからの見た目や機能はほどほどにして安価に済ませるつもりでした。
具体的には、お手頃なシステムキッチンにグレーで塗装した腰壁を設置できれば良いなと考えていました。
キッチンの天板の色は黒を希望していたため、デザイナーさんが黒い天板を選べるシステムキッチンを3種類ご提案してくださいました。
キッチンの価格はなんとなく知っていましたが、価格の高さに戦慄したので黒い天板にこだわらなくて良いかなと諦めることに。
グレードの低いキッチンを視野に入れたいとデザイナーさんにお伝えすると、意外にも夫がキッチンはお金をかけてこだわりたいと異議を申し立てました。
夫はキッチンに興味がないと思っていたので驚きです。
ご提案いただいた中で最も好みのシステムキッチンと造作のキッチンの価格がそれほど変わらないことが分かり、自分たちの好みに仕上げられる造作キッチンで打合せを進めることにしました。
キッチンの仕様をどんどん決めていきます。
キッチンの色は黒を基調にしたかったので、天板と扉の色は黒にしました。
色が黒だと水垢が目立つデメリットがありますが、未来の私に掃除を頑張ってもらうことにしました。
キッチンには黒のソイルペイントで塗装した腰壁を設置します。
塗装は今回のリノベでぜひ取り入れたかったのでここで悲願が成就しました。
天板がフラットだとお皿洗い中に水や泡を飛ばしまくって床を汚しそうなので、立ち上がりは必須でした。
nuさんのコンセプトルームにあるキッチンでちょうど良い高さを確認し、立ち上がりは15センチに決めました。
また、カウンターも必須としました。今のおうちはカウンターがある対面キッチンで、料理の受け渡しができて大変便利だと感じているためです。
トレーなどを置くスペースを十分確保できるように、カウンターの幅は30センチにしました。
水栓は色が黒、かつタッチレスを希望していました。
色がシルバー、かつタッチありの水栓と比較するとお値段がそれなりに高くなるのですが、こだわりたいポイントだったので採用です。
コンロはガスコンロだとうっかり火事を起こす自信があるので、当初IHクッキングヒーターを希望していました。
ただ、わが家は各個室にエアコンを設置します。
そうなるとかなりの電力を消費することになるため、エアコンの稼働中に料理をするとブレーカーが落ちる可能性があります。
IHの採用はそれなりに強い希望でしたが、ブレーカーを気にしながらの生活はストレスになりそうなのでガスコンロに決めました。
ちなみにガスコンロもレンジフードも色は黒です。
バックカウンターも造作で、キッチンの扉の面材と同じ色にしました。
キッチン本体の収納が十分あることや、見た目をすっきりさせることを重視して吊り戸棚はありません。
引き出しの割り付けは3つか4つで悩みましたが、備蓄用の水など重い物を収納することを踏まえてより強度がある4つにしました。
バックカウンターの壁はキッチンの腰壁と合わせて黒いソイルペイントで塗装します。
LDKだけでなく家全体の話ではありますが、今回のリノベで地味に期待値が高いのがコンセントです。
これまでコンセントは白いコンセントしか存在を許されていないと思っていたのですが、デザイナーさんからスタイリッシュなマットな黒いコンセントをご提案いただき、その存在を知りました。
もちろん即採用です。
いよいよ着工に進みます。
撮影・文:ニノマエ