左官工事
みなさん、こんにちは!
まだまだ暑い日が続いていますが、そんな中でも職人さんのおかげで各現場のリノベーション工事は着々と進んでいます!
さて、今回ご紹介する技レポは、『左官工事』についてです!
左官工事とは、モルタルや漆喰などを使って壁塗りをすることを指し、住宅の壁や玄関、土間などの最後の仕上げ工程として行われます。
現場で職人さんの技術を見て、「自分もやってみたい!」と思うことが多々あるのですが、いざやってみると素人にはやっぱり難しいなと実感するものです…。
鏝(こて)を使い、絶妙な力加減と器用な手首の返しで素敵に仕上げる職人さんに尊敬です^ ^
今回は、左官の代表としてnuリノベーションの事例でもよく取り入れられる、『モルタル』と『モールテックス』をご紹介します!
この2つ、名前が似ていれば仕上がりも似ているのですが、大きく違うのは施工方法。
それぞれの特色と、工事の過程をご紹介します!
|モルタル
リノベーション事例:「SIMPLE×COOL」(東京都練馬区)
こちらはモルタルで仕上げたキッチンカウンター。
見た目はまさにコンクリートですが、コンクリートとモルタルの違いは何でしょうか?
答えは意外とシンプルです。
コンクリートの主な材料は、水・セメント・砂・石の4つですが、モルタルには石が含まれていません。
ちなみに、砂と石の違いは粒のサイズによって決められています。
実際に現場でモルタルカウンターを作る過程を簡単にご紹介します。
まずは、木材や軽量鉄骨材でカウンターの骨組みをつくります。
次に、骨組みの上にラスカットというモルタルを定着させるための下地材を貼ります。
ラスカットの上からモルタルを塗ります。ここが職人さんの腕の見せ所!
モルタルは10mmほどの厚みでずっしりと下地に重ねていくイメージです。
最後に、モルタルを水などから保護するためにクリア塗装をします。
塗装をするとツヤ感が出るため、モルタル独特のマットな風合いを重視される場合はクリア塗装をしないこともあります。
そして完成!
こちらのカウンターは側面だけをモルタルにして、天板は水に強いメラミン化粧板を使っています。
モルタルの無機質な質感が空間のアクセントとなり、少しずつ表面に現れるヒビもいい味を出しています!
|モールテックス
こちらはモールテックスで仕上げた洗面カウンター。
モールテックスは、モルタルと違い2~3mmほどの厚みだけで仕上げることができます。
モルタルではすぐに割れてしまう厚さですが、モールテックスは特殊な樹脂を混ぜているため割れることもなく、水や摩耗に強く耐久性にも優れた素材です。
また、調色が可能で、仕上がったときの色が豊富なのも嬉しいポイントです^ ^
それでは、上の写真の洗面カウンターができるまでの過程をご紹介します。
まずはカウンターをベニヤで造作。
ベニヤ材に水が染み込まないような処理をします。
そしてモールテックスを塗布。
水を通さない膜を作るために2層で塗り分ける必要があるなど、モルタル以上に職人さんの腕がものを言います!
モールテックスはひび割れせず仕上がったままの状態を保つことができ、より洗練された雰囲気になります。
今回は、左官工事というテーマでモルタルとモールテックスの具体的な違いに触れてみました。
一見似たような仕上がりの両者ですが、性能や費用が異なるため(モールテックスの価格はモルタルのおよそ2倍…!)、
それぞれに適した箇所・左官材を選ぶのが良さそうです。
リノベーションの設計において左官は、職人技が詰まった魅力的な空間を生み出す工事です!
みなさんもぜひnuリノベーションの施工事例をチェックして、隠された職人技を探してみては!?