みなさん、こんにちは。
『技レポ』ではこれまで“〇〇に隠れた「労」と「美」”というテーマで、nuリノベーション(以下、nu)の施工事例に隠されたこだわりポイントを、現場目線でたくさんお届けしてきました!
今回からは少しテーマを変えて、『おもいやりのある家づくり』についてご紹介していきたいと思います。
お客様がたくさんの時間を過ごす家。長く安心して暮らしていただける空間を提供できるよう、リノベーション工事には様々な「おもいやり」の工夫が詰め込まれています。
そんな現場の想いを、この技レポを通じて少しでも皆さんにお届けできればと思っています!
初回となる今回は「床の段差」について。
リノベーションでは、新築時の間取りに合わせて計画された躯体や枠組みが既に出来上がっているところに新たに空間を創るので、様々な制約の中で設計・施工をしていく必要があります。
そのため、理想の間取りをできる限り叶えようとすると「やりたいこと」と「物件の持つ個性」との落とし所を決めないといけないところが出てくるケースもあります。
その1つが「床の段差」です。
間取り変更や仕上げ材の都合上、室内に段差が生まれてしまうことがありますが、私たちの住む日本では、部屋の中では基本的に靴を脱いでいますよね。なので、素足でも心地よく安全に過ごすことができるように、そういった段差の収まりには様々な工夫を施していきます。
それではいくつかの事例をもとにご紹介していきましょう!
まずは一般的な段差の納め方として、木材を使った例です。
玄関から廊下の境目にあたる段差を「上がり框」といいますが、この段差はみなさんもよく目にする、家の中で一番馴染みのある段差ではないでしょうか。
フローリングの場合はこのように木材で段差を収められるのですが、床の仕上げ材によっては段差の納め方も変わってきます。
例えば左官仕上げの場合は、他の材料で見切らずにひと続きに仕上げることもあります。
滑らかな角の仕上がりが美しいですね。
一方、次にご紹介する現場ではダイニングからキッチンへの段差の納めに真鍮の見切り材を使っています。
写真からだとわかりづらいかもしれませんが、実はこちら、段差の角が丸みを帯びたパーツを採用しています。
これだけきちんと丸みがあれば踏んでも痛くありませんね!
真鍮特有のすっきりとした見た目はそのままに、足触りにも配慮したおすすめの素材です。
ちなみに、エッジを効かせた見切り材を使用した例もご紹介しておきます。
こちらは色味や素材を大事にして、角はあえて丸くせずにスタイリッシュに仕上げた例です。
床の仕上げに使う素材と、お部屋の全体的な雰囲気に合わせて見切り材を使い分けることで、ちょっとした段差にもこだわりが表れますね!
ここまでは、比較的大きな段差をご紹介してきましたが、次にご紹介するのは「ちょっとした段差」。
しっかりと高低差のある段差と比べてうっかり躓いてしまう可能性もあるので、より気配りが大切なポイントになります。
こちらの現場では、ライトブラウンの既存フローリングの上に、厚み6mmのウォールナット材の突板フローリングを張っています。
既存フローリングを撤去して新たに床を組み直すよりも、費用を抑えて部分的に部屋の雰囲気をがらっと変えられる方法ですが、この6mmの段差は要注意です。
歩いているときにつま先がぶつかって躓かないように、できる限りなだらかに見切り材を加工しています。
また、掃き出し窓からバルコニーに出るときに段差があれば、そちらも同じように処理します。
些細なポイントですが、このひと手間が毎日を心地よく過ごすためにはとても大切です。
一見地味なポイントである「段差」ですが、こうしたちょっとした工夫や気配りが日々の快適さにつながっていくので、私たち現場スタッフは常に目を光らせております!(笑)
次回も引き続き、おもいやりのこもった現場のこだわりポイントをお届けしますので、お楽しみに。
今回もお読みいただきありがとうございました。