古材を使ったレトロな空間に、真っ白な色を塗った美しい家。キッチンや洗面台のタイル、子供部屋のドア、ワークスペースの本棚…どこをとっても真っ白な世界が広がります。
はじまりは、真っ白なフローリング
東京都世田谷区。桜がキレイに咲く多摩川沿いに、Kさん宅があります。ご夫婦共にグラフィックデザイナーのお2人は、とても仲良し。5年ほど前から、家を買いたいという漠然とした気持ちがあり、家探しを始めていたKさん。新築も中古もどちらも見てみましたが、良い物件が見つからなかったため、その時は買うのを諦めて、賃貸に引っ越しをしたそうです。しかし、元々インテリアに興味のあったKさんは、白いフローリング材を購入し、自分達で敷き込んでみたところ、それがとても気に入り、フローリングだけでなく部屋全体を変えたいという気持ちになってきたと言います。そこからリノベーションでなら、自分たちの好きなように部屋を変えられるのかも、と興味を持ち、すぐに検索を開始。リノベーションで検索をかけていたところ、nuのHPを見つけました。いくつかリノベーションの会社を見てみた中でも、nuは物件探しからアフターサービスまでワンストップで出来ることをとても魅力に感じ、相談会へ申込みをされました。物件探しでこだわったのは、周辺環境とマンションの外観など共用スペースの管理状況。「nuアドバイザーの方に、マンションの修繕積立金などを含んだ管理状況を見るポイントを色々と教えて頂いたので、どこを見れば良いのかを踏まえた上で決める事が出来ました」とKさん。7~8件ほど内見し、購入に至ったのは世田谷区の50.43㎡のマンション。最終的に候補を2件に絞り、マンションの廊下など共用スペースがキレイで、管理体制がしっかりしている方に決めました。初めて見た時には、リフォームもされておらず、暗い印象を受けていたそうですが、物件購入を決めてからは、これがどう変わるのだろう…と、これから始まる生活を想像してわくわくしてきたそうです。
素材で彩る真っ白な世界
元々カラフルなインテリア小物を多くお持ちだったので、それらが際立つような真っ白な家づくりをしたいと考えていたKさん。そして、夫婦共にグラフィックデザイナーのお2人は、自宅でも仕事が出来るワークスペースを作って、もっとライフスタイルを充実させたいとデザイナーに伝えました。また、新築のピカピカした部屋よりも、暮らしていくうちに傷がついていく木材を使って味のある家をつくりたいというのがお2人の主な要望でした。そんなKさんにデザイナーが提案したコンセプトは、”白く古く美しく” 。家全体のイメージを白で統一しつつも、古材やタイル、ガラスなど色んな素材の「白」を調和することによって、全体的な空間の「美」を追求するというコンセプトです。このコンセプトを元にメインのLDKだけではなく、キッチンや洗面台も白で統一した2LDKプランが完成しました。日差しがたっぷり入るLDKの一角には、古材とガラスの窓で間仕切ったワークスペースを設置。そこには、仕事柄たくさんの書籍を持つ2人のためにオリジナルの本棚を設けました。「午前中は、電気をつけないでも仕事が出来てしまうくらい明るいんですよ」と奥様。下が板張り、上がガラスの格子窓の間仕切り壁は2人が憧れていたことのひとつ。「nuのHPに載っていた事例を見て、フローラガラスを使って空間を間仕切るというのをずっとやりたい!と思っていたんです」とご主人。ワークスペースと同様に廊下や子供部屋にもそのガラスを取り入れました。ぼんやりと気配を感じることが出来るガラスで仕切ることで家全体が光で繋がり、明るい日差しが奥まで差し込みます。リビングのドアを開けると、廊下の左側にこれから産まれるお子様のための部屋。そして、右側にはバスルームと寝室があります。それらのスペースに繋がる全ての部屋のドアを、レトロなデザインに統一しました。当初はプレーンな白いドアにする予定だったというKさん。しかし、イメージ通りのものがなく悩んでいたところ、デザイナーから提案されたのは、塗装をした上からピーリング加工を施した無垢の框ドア。見てみたところ、思い描いていたイメージにピッタリだったため、すぐにそれに決めました。メインのリビングドアにはステンドグラスもはめ込み、さらにレトロ感を演出。ステンドグラスからは様々な色の光がこぼれ、空間のアクセントとなって存在感を放ちます。一番こだわったのは、なんといっても床のフローリング。べったりと白いペンキを塗り込んだような床にしたいと思っていたKさん。無垢の柳杉に白く塗装をすることに決定したものの、なかなか思い通りの塗り方を伝えるのが難しかったそう。2人の持つイメージに近づくまで、何度もフローリングのサンプルをつくっては見比べ、デザイナーと打ち合わせを重ねました。「自分たちで塗ったかのようなラフさが欲しかったんです」とKさん。以前の家から物件が近かった事もあり、お2人は直接工事中の現場にデザイナーと出向いてその場で色合いを確かめながら、このくらいの感じに塗って下さいと、職人さんに頼まれていたとか。その努力の成果で、仕上がりはとても満足のいく結果に。「この床が、一番気に入っています」とのお言葉を頂きました。
真っ白なキャンバスに描く、家族での未来
「白い!」この言葉は、完成後、初めて玄関のドアを開けた時にKさん夫妻がまず発した台詞。取材時に奥様が玄関を開けて出迎えて下さったとき、nuスタッフも「白い!」とどこまでも真っ白で美しい世界に感動しました。真っ白な空間に、カラフルでポップな小物がバランス良くディスプレイされていて、さすがはグラフィックデザイナーのお宅!という印象。キッチンの横の棚も、同じような塗装が施されていたので気になって伺ってみたところ「これは、nuさんから余ったペンキを頂いたので、普通の茶色い棚を購入して2人で塗っててみました」とKさん。他にも、以前住んでいた家にあった真っ白なTVボードの取っ手だけをガラスノブに変えたりと、新しい住処に合わせてインテリアのカスタマイズを楽しまれていました。「元々大きいリビングに憧れていたけれど、生活してみると自分達にピッタリのスペースはこれなんだなと感じました」と奥様。「朝起きて仕事を始めて、疲れたらキッチンで昼食を作り、リビングでほっと一息…という、その導線が完璧なんです。私はそこがとても気に入っています」とニッコリ。今は、奥様のお腹の中にいる5月に産まれるお子様に合わせて、今後は少しずつ家を変化させていきたい、と言うご夫妻。「少しフライングしちゃいました(笑)」と、子供部屋は、既にポップで楽しそうな空間に完成しつつあります。白く古い、美しい世界の中で、どんな感性を持つ子が育つのか、今からとっても楽しみです。