“和”と”モダン”を融合させた、どこか懐かしく新しい、温かみのある空間…ひとつ屋根の下で家族の成長とともに”住み継がれて”いくお宅です。
決め手は、広大な景色!
昔ながらの由緒あるお寺や緑が多く、ゆったりとした雰囲気が流れる街、西馬込。駅から徒歩10分、閑静な住宅街の中に今回お邪魔するH夫妻のお宅があります。Hさんは30代。都内勤務のご主人と奥様の二人暮らしです。同世代の知り合いが家を購入し始めていたのをきっかけに、「もし次に引っ越すなら、賃貸ではなく家を購入しよう。」という話になったのだとか。テレビや雑誌を見て、以前からリノベーションという方法を知っていた奥様。家を買うなら空間を自分の好みに創れるリノベーションが良いと考えていました。インターネットでリノベーション会社を色々調べていたら、nuのHPが目に止まったのだそう。「HPを見つけた時、たまたまnuの合同セミナーの告知をしていたのでとりあえず話を聞いてみようという気持ちで合同セミナーに申し込みました。」と奥様。セミナーで、リノベにかかるコストの話やひとつとして同じデザインがない様々な事例を見て、あまり興味がなかったご主人も一気にリノベーションの虜になったのだとか。熱が冷めない内にとそのまま個別相談会に参加し、物件探しからnuにお願いすることに。物件は、二人とも通勤がしやすい浅草線沿線で、これまでも住んでいた始発駅の西馬込周辺を希望していたH夫妻。そして、60㎡以上の日当りの良い部屋を条件に物件探しをスタートします。アドバイザーと数件内見をして最後に見たのが今お住まいのマンションでした。実は、1件目に違う階の部屋を内見していたのだそう。「スーパーが近く周辺環境は気に入ったのですが、思ったよりもあまり日当りが良くなくてその時は、断念したんです。」と奥様。その後、数件物件を内見したもののどうしても周辺環境が良かったこのマンションが忘れられなかったのだそう。そんな時、こちらの9階の部屋が売りに出されたのをアドバイザーから聞き「これは逃してはいけない!」と急いで内見に行きました。9階の南向きのお部屋で周りに高い建物がなく日当り良好、広さも約61㎡と文句無し。「前回見た部屋が3階だったので、9階だとこんなにも景色の見え方が違うんだと驚きました。」と奥様。アドバイザーからも「築35年と年数は経っていますが、大規模修繕工事の履歴を見ると細かく修繕されているので管理体制も問題ありません!」との後押しを受け安心して購入を決断しました。
“住み継ぐ”という選択
とにかく昔ながらの日本の家のつくりが好きなお二人。「なんか、昔の日本の家っていいなって思ったんです。旅館とか実家とか…味のある古さというか、そこに住む人の歴史が刻まれていて、どこか懐かしく暖かい感じがするんですよね。」と奥様。住み替えるのではなく、取り外しの出来る襖や引き戸を使って用途に合わせて空間の使い方を変え、次の世代へと歴史を繋いでいく昔の日本の家。人が家に合わせて住まうのではなく、暮らしが空間をつくっていく…
そんな空間にしたいと漠然と考えていたお二人。そして、大好きな畳や洗い出しの土間を使って和のテイストにしたいというのがお二人の要望でした。そんなお二人にデザイナーが提案したのは、「ひとつ屋根の下」というコンセプト。”住み替えて”いくのではなく、時を経て”住み継いで”いく家というコンセプトです。打ち合わせは、デザイナーと奥様が大まかなデザインを考え、細かいスケールはご主人を主導に決めるという役割分担が自然とされ、スムーズに進みました。そして出来上がった空間は、”和”と”モダン”を融合させ、LDKを最大限に広く取った1LDK+WICプランです。玄関を入ると和の雰囲気を醸し出す洗い出しの土間がお出迎え。すぐ右手にはお二人の荷物が収納できるWIC。廊下からもアクセス出来るようにオープンなつくりになっています。土間を上がり奥へと進むと左手には、トイレやお風呂といった水廻りスペース。そして更に奥へと進むと、空間をパッと明るくするパステルグリーンの扉が和モダンなLDKへの入り口。バルコニーからの明るい光が差し込む、間仕切りのない開放的な1ROOMが広がります。市松模様に敷かれたオークのフローリングや、ほのかに香る置畳のい草が懐かしい”和”を感じさせるLDKのベース。そこにコンクリート現しの天井と、珍しい波模様のアクセントクロスを壁に貼る事で”モダン”の要素が加わります。そんな二人ならではの”和モダン”に更にこだわりを追加していきます。奥様のこだわりは、木製の骨組みにステンレスの天板を組み合わせたレトロな造作のキッチン。「引き出しや扉をつけないでオープンにしたので、見られても良いように食器や使う道具をこだわるようになりました。」と奥様。そう仰る通り、食器や湯のみを見ると和テイストの物だったり、ポップな色だったりと…そこでも和とモダンが融合されていて奥様の独自のセンスが光ります。そして、LDKの一角に設けられた念願の畳スペースは、用途に合わせて簾(すだれ)で仕切ることが出来る計画。夜は、簾を下しお二人のベッドスペースに、昼間は簾を上げて約18畳の1ROOM空間へと変わります。「当初は、和室を設けようかと思ったのですが、デザイナーの方に置畳を提案頂き、即決しました。なんと言っても掃除のしやすさはピカイチです!」と奥様。置き畳みなので移動も可能。簾も移動でき、気分に合わせて仕切る場所を買えるのも良さそうです。また天井をよく見ると、後から壁を建てられるように工事がしてあります。「これは、将来の事を考えて部屋をつくりやすいようにしているんです。」とご主人。家族の成長とともに、空間も変化していけるように色々な工夫がされ、”住み継いで”いくというコンセプトが随所に感じられました。
はじまる、家族の歴史
リノベーションをして、友人を招く機会が増えたというお二人。「以前住んでいた賃貸の家では、友人を1~2人しか呼べなかったんですけど、LDKを広く取ったことで、4家族でパーティーなんかもできるようになったんです!」とご主人。「今は、何人呼んでも窮屈に感じることなく、みんなでテーブルを囲んだり、畳でゴロゴロと寛いだり、カウンターに座ったりとその時によって好きな場所で寛いでもらっています。」と奥様。小さな子供連れの人も、間仕切りがないのでどこに居ても目が行き届き安心して寛いでいるのだそう。「今1番HAPPYな瞬間は?」との質問に、「毎週末に、二人で居酒屋ごっこをしている時です。(笑)」と少し恥ずかしそうに話す奥様。キッチンに奥様が立ち、ご主人がカウンターに座って、奥様の手料理をつまみに大好きなウイスキーを飲みながら今日あった出来事を話すのだそう。「でも途中から、やっぱりこの床良いなとか、洗い出しの縁側もいいよ!とか言って家の自慢大会になっちゃいますね。」と照れながら話すご主人。そんな空間に彩りを加えるのは、お二人が選び抜いた古道具たちです。リビングに置かれた格子の建具が美しいガラス張りの食器棚や茶葉を保存したり着物などを収納できる茶箱など…昭和レトロな家具が並びます。「完成した空間に、少しずつ好きな家具や小物を足していってリノベ空間を楽しんでいます。」と奥様。今は、まだ二人だけの空間ですがこれから家族も増えていきひとつ屋根の下でH家の歴史が刻まれ、”住み継がれて”いくことでしょう。