「いつもみんなの気配を感じられて、子供も猫も私たちももっと素敵に暮らせる場所にしたい。」そんな言葉からスタートしたリノベーション。ベランダから太陽の光が燦々と降り注ぎ、様々な木の表情が楽しめるF家族のお宅が完成しました。
2人で歩いたこの街なら
神奈川県川崎市。家族連れで賑わうショッピングモールを抜け、しばらく歩くと見えてくるF家族のお宅。いつもどこからか子供達の声が聞こえ、のどかな雰囲気が漂います。もともとは武蔵小杉にあるメゾネットタイプの賃貸に3年ほど住んでいたF夫妻。武蔵小杉という場所も、その家自体もとても気に入っていたそうですが、結婚を機に暮らし方を見直すと、賃貸にお金を払い続けることが勿体無く感じたと言います。また将来的に子供ができた時のことを考えると、1階部分と2階部分を階段で繋いだメゾネットタイプでは安全面的にも少し不安だったお二人は、いっそのことこの機会に家を買おうと決心します。家を購入すると言っても、新築やリノベーション済み物件など様々なタイプがありますが、リノベーションをするきっかけとなったのが、建築関係に勤める友人からのアドバイス。F夫妻の予算や叶えたいことを伝えるとゼロから自分たち好みに空間を作れるリノベーションが良いのではと提案してくれたのだそう。早速友人から教えてもらったリノベーション会社をネットで探し始めたF夫妻。ふと手が止まったのがnuリノベーションのHPでした。どこよりも事例が豊富な上、一つとして同じ部屋がないそのデザイン力の高さに魅力を感じnuの「個別無料相談会」に参加することにしました。参加してみるとデザイン力だけでなく、丁寧でスピーディーなアドバイザーの対応が気に入ったというF夫妻。その時から既にnuリノベーションで物件探しからお願いしよう!と気持ちを固め、相談会後には早速アドバイザーと一緒に物件を見に行ったと言います。そんなF夫妻の物件探しの条件は家族が広々と暮らせるように、60平米以上の広さがあり、グリーンを置けるような広いベランダがあるということ。条件を元にアドバイザーと一緒に物件探しを進めたお二人は、休日になると提案してもらった物件の周辺環境を見て回ったと言います。「二人で散歩がてら、街の雰囲気を見て回るうちに、今住んでいる街に魅力を感じたんです。駅前にはお店がたくさんあって便利だったり、少し駅から離れると閑静な住宅街になって、とても静かで過ごしやすかったりするところが気に入りました。」とご主人。駅周辺で3件ほど内見をし、その中でも一番目魅力的だったのが今お住まいのお宅。3件の中でも一番築浅で設備が充実していた上、窓が大きく開放的なベランダが気に入り、内見をした翌日には築10年、広さ61.66㎡のお宅を申し込みました。
重なる木の質感と香り
「以前暮らしていたメゾネットの間取り、実はとても気に入っていたんです。オープンなつくりの1階と2階が螺旋階段で繋がっていたので、どこにいてもみんなの気配が感じられたんですよね。なので今回も飼い猫のオオジロウも含めて家族の繋がりが感じられる、そんな空間にしたいと思っていました。」とご主人。そんなF夫妻がイメージしていたお部屋は、シンプルながらもオリジナリティのある空間。白、グレーなど全体の色味は控えめで、素材やインテリアで味付けをしていきたいと考えていました。また、結婚する前から一緒に暮らしていたオオジロウくんのためにキャットウォークを設けたい、たくさんある本を飾るように収納したいという要望もありました。そんなF夫妻の思いを叶えるために、デザイナーが提案したのは「MOKU×LIBRARY」というコンセプト。木の素材や張り方に変化をつけ、優しい色味でまとめた、そんなお部屋をイメージしました。完成したのは、横長のLDが特徴的な1LDK+WIC+Pプラン。玄関を上がり廊下を抜けると、約17㎡の開放的なLDが広がります。中でも目を引くのは壁にナラの突き板を斜めに張り込んだ寝室。小窓を設け、抜け感が出るようにデザインしました。壁を立て玄関からの視界は遮りつつ、あえて扉を無くし、壁と天井の間には隙間を設けることで、いつもみんなの気配を感じられるようなつくりにしました。「壁を天井まで立てると閉塞的になってしまうので、このデザインにして正解ですね!斜めに貼った木も収まりがとても綺麗で気に入っているんです。」とお二人。その先のLD壁際には沢山お持ちだった本を並べられるようにと、木の本棚を造作。賃貸にお住まいだった頃は、本を収納するスペースが足りず、泣く泣くレンタルスペースまで借りて保管していたというF夫妻。文庫本、アート本、そしてご主人の趣味だという建築関係の本を好きなだけ並べられるようになりましたと嬉しそうなお二人。話を聞いている最中足元に寄ってきた猫のオオジロウくん。慣れた様子で軽々と本棚を登っていきます。実はこの本棚、キャットウォークとしての役割も兼ねています。本棚の高さを段々になるようにデザインし、オオジロウくんが上まで登れるような階段をつくりました。「本を読んでいると、よくオオジロウが本棚の上でくつろいでいるんですよね。彼もこの家がとても好きみたいで、もう13歳になるのですが、とてもアクティブに家の中を動きまわっています。」とF夫妻。キャットウォーク以外にも本棚の側には床にタイルを貼ったオオジロウくん専用のトイレコーナーもつくりました。そんなオオジロウくんのお気に入りスペースは窓際の縁側。横長のLDいっぱいに広がる縁側にはモルタルを敷き詰めました。いつも一番太陽の光が入るこの縁側にごろんと丸くなり、風を感じながら日向ぼっこをするのが日課です。「縁側はグリーンを置く場所としても最適なんです。ここにグリーンを置いておけば、水やりをする時でもベランダへスムーズに移動できるし、窓を開ければ屋外と同じように風を当ててあげられるんですよね。」とご主人。大小様々なサイズのグリーンが太陽の光の下で生き生きと育っています。そのグリーンの隣に置かれているのは木製のベビーベッド。実はF夫妻、1ヶ月程前に家族が増えました。家をつくる、そして子供が生まれる、という2つのHAPPYが同時に来たと、とても嬉しそうなF夫妻。「今はベビーベットを置いていますが、子供が大きくなったらここを子供の遊び場に変えようと考えています。」と奥様。そんな奥様のお気に入りはキッチンスペース。キッチンは既存のものに、腰壁だけ杉の年輪パネルを張り込みました。「腰壁は木にしたい!とだけ伝えていたのですが、打ち合わせの時にこのデザインを見せてもらって、斬新さが気に入っちゃいました。」とお二人。また毎日お料理をされるという奥様のリクエストで、造作のバックカウンターとキッチン奥にはパントリーをつくり収納力をアップ。たくさんある食材だって扉付きのパントリーに入れてしまえば、一瞬でキッチン周りをスッキリ見せることができます。あたたかな光が、縁側のグリーンを照らすF家族のお宅。木それぞれの香りが混じり合い、大きな窓から入る風に運ばれてきました。
みんなが集まる幸せのリビング
家が完成してからは、以前にも増して家で過ごす時間が多くなったというF夫妻。最近は平日に料理を作る奥様に代わって、休日はご主人がお料理を作るのだそう。開放的で使い勝手の良いキッチンのおかげで料理のレパートリーが格段に増え、今後はリノベーション後に新しく購入したストーブの鍋でカレーやパエリアに挑戦したいと言います。そんなお二人に最後に投げかけたのは「今一番幸せな時間は?」という質問。「ソファでゆったり読書をしていると、オオジロウが窓際で日向ぼっこしているのがふと見えたり、妻がベビーベッドの隣にマットを広げてヨガをしていたり。どこにいても家族の存在を感じられるんですよね。そんなふとした瞬間に僕たち本当に幸せだな〜って思うんです。」とF夫妻。料理をしていても、本を読んでいても、お昼寝をしていても、いつも感じられる家族の気配…。“いつも皆がそばにいる”そんな安心感に包まれた、F家族のお宅が完成しました。