ふんわりとすっきりが調和したインテリア。
フィンランドに暮らす誰かの家で、ちょっとお茶をいただきにお邪魔したような優しい気持ちになれるお宅のご紹介です。
マンションの売却、そして購入。
2005年から約13年、横浜市に暮らすI家族がリノベーションを決意したのは、友人宅に訪れたのがきっかけ。「娘の友人家族の家に遊びに行くと、私の好きな北欧テイストでまとめられた可愛いインテリアが広がっていて感動しました。」そう話す奥様は、長年北欧雑貨を集めているんだとか。「フィンランドのネットオークションで手に入れるんです。現地で暮らしている日本人に入札代行などの事務作業を頼めるので簡単だし、日本で買うよりもすごく安く手に入るんですよ。」家を見渡すと、さりげなく名作雑貨やヴィンテージの食器。「前の家では飾る場所もなく生かしきれていなかったので、今回のリノベーションで北欧テイストを前面に出したいと思っていました。」その前の家というマンションは、お子さんが生まれる前に夫婦で購入した物件。その家でリノベーションをしようと考えていたものの、調べてみるとリノベをするには色々と不都合があり、それならばと売却して別の家でリノベーションをすることにしたんだとか。既に持ち家に暮らしていたため、物件探しには時間をかけたI夫妻。「いざ探すとなると、理想が高くなってしまうんですよね。」そう語るI夫妻の希望条件は、角部屋で前の家よりも広くて、メインのLDKは20畳以上の広さが確保できること。物件探しにかかった期間は1年以上。日吉から磯子の方まで範囲を広げて探していましたが、たどり着いたのは前の家と目と鼻の先にあるマンションでした。「ある日突然この物件が現れた感じで。内見に行くと、希望条件にピッタリでした。」「部屋から花火も見えるんだよ!」そう話すのは、小学4年生の娘さん。物件が決まってから、友人宅をリノベしたnuリノベーション(以下、nu)に問合せ、I一家の新しい家づくりがスタートしました。
白と木のちょうど良いバランス。
購入した物件は、角部屋でLDKは20畳以上、そしてバルコニーが3箇所にあるという聞いただけでワクワクしてしまうような間取り。全体も93㎡と、3人家族で暮らすには十分な広さがありました。さて、その広さをどう生かしていこうかと担当デザイナーとの打ち合わせで頭を悩ませます。「白い色と、オーク材を使いたいということだけは決まっていましたが、他はぼやーっとしかイメージしていなかったんです。」そんなI夫妻に設計デザイナーは、nuの完成見学会への参加を勧めました。「2回程参加しました。どちらも違ったテイストのお宅で。実際に完成した物件を見てみると自分たちの家へのイメージも現実的になったので、参加して本当に良かったです!」と奥様。そこからやりたいことが次々に膨らんでいったというお2人は、友人が泊まりに来ても大人数で囲めるようなダイニング、1家族分が泊まれるようなスペースをベースに間取りの打合せを進めていきます。最終的に完成したのは、南向きのリビングから陽の光がたっぷりと入る2LDK+フリースペース。ポーチの先にある玄関ドアを開けると、廊下からリビングまでが一直線に見渡せる気持ちの良い通路。廊下を挟んで左手には娘さんの部屋、右手にはフリースペースと夫婦の寝室があります。そのどちらにも木の内窓をつけて、陽の光を取りこぼさないよう全部屋を明るくするように設計しました。キッチンを中心に、家族全員が回遊できるような動線は、忙しい朝でもゆったりと過ごしたい夜にも、思い思いに各自が動き回れるよう配慮。半円の形をしたダイニングは、その形状を生かして娘さんの勉強スペースもつくりつけました。
すっきりとした白い空間に、オークの無垢フローリングを敷き詰めたリビングダイニング。そこにふんわりとした照明の光が、なんとも言えない安心感を醸し出しています。「白と木を使いたいということは希望していましたが、その分量のバランスについてはデザイナーさんからアドバイスをいただきながら一緒に決めていきました。」天井や壁というベースになるような部分に加えて、スイッチプレートや照明の色、キッチンのバックカウンターに使用するタイルなども白をチョイス。逆に木はさりげなくも大切なアクセントとして、内窓の木枠やキッチンにつくりつけた棚の持ち手などに使用しました。空間の大部分を白、生活する上で「触れる」部分に木を使うことで感覚的に温もりが感じられる。I邸にはここにも安心できるポイントがありました。「実は、完成見学会で見て取り入れたい!と思ったものがあって。最後の最後に追加してもらったんです。」少し照れながらお話してくださったのは、リビングへ繋がるガラスのドアのこと。当初予定になかったものだったそうですが、ご夫婦で一目惚れしてすぐに設計デザイナーに伝えたそう。白でも木でもない、グレーの色で縁取ったニュアンスカラーが北欧らしさをさらに際立てせていました。使う色をあえて制限することで、どこにいても安心感を感じられるインテリア。そしてそこにギャラリーのようにすっきりと在る北欧雑貨は、毎日家族にちゃんと使われている。飾られるだけでなく、ちゃんと使われているというところにやっぱり温もりを感じるI邸なのでした。
家族だけで終わらせない楽しみ方
「やっぱり花火が見られるところ!」この家のお気に入りポイントを聞くと娘さんはにっこりこう答えます。バルコニーもあって、ダイニングの大きな窓からもよく見えたそう。花火大会の時にはリノベのきっかけになった友人家族も招待して、お泊まり会をしたんだとか。「友人に泊まってもらう際には、フリースペースのロールスクリーンを下ろして、ファブリックでさらに目隠しして使っているんですよ」と実際に部屋のようにして見せてくださったI夫妻。なるほど、これなら心地よく過ごせそう。ご主人はこの家で娘さんと過ごす時間にとても幸せを感じているそう。「帰ってきてから一緒にゲームをしたり、休日にはバルコニーに出てジュースを飲みながら2人で読書をしたりしているんです。何よりも風通しが良い家なのが、とても気持ち良いですね。」とコメントしてくださいました。
住み慣れた土地で、新しくスタートを切ったI家族。すっきりとふんわりに包まれたインテリアに、次は何が足されるのか今から楽しみです。