触れるとあたたかみが感じられるオーク無垢の床、ごつごつとした男らしいコンクリート現しの天井、クールな印象のステンレスキッチン・・・。重なり合う様々な質感。見て感じるもの、手で触れて感じるもの、それぞれの素材が違うからこそより楽しめる、大人の男子部屋が完成しました。
惚れ込んだこのマチに住まう
目黒駅から徒歩7分、閑静な住宅街の中にYさんのお宅があります。Yさんのお仕事は広告関係。Yさんは今まで仕事の都合で何度も引っ越しを繰り返してきたそう。しかし、住み替え続けるのではなく一つの場所に留まってじっくりと暮らしたい。そうすれば自分のライフスタイルに馴染んだ安らぎの空間をつくれるだろう。そんな思いから思いきってマンションを買うことを決めました。マンションと言っても新築マンション、中古マンション、リノベーション済みマンションなど様々な選択肢があります。その中でYさんが選んだのは中古マンションを買ってリノベーションするという方法。「新築マンションはどれも似通っていて魅力的に思えなかったんです。リノベーション済み物件もいいけれど、自分らしさを最大限に出すなら中古マンションをリノベーションする方法が合うかなって。」もともと物件売買の知識があったYさんはまずは自分で物件を探し始めます。物件を選ぶ際にゆずれなかった条件は都心で通勤に便利な立地であること、そしてマンションの管理状態が良いということでした。その条件をもとに、物件掲載サイトで見つけたのは目黒区にある2件の物件。さっそく内見するためにnuリノベーションに問い合わせました。実は当初、まだリノベーション会社を決めていなかったYさん。しかし「完成物件見学会」に参加しnuで施工したリノベ空間を体験したり「個別無料相談会」でローンシミュレーションをしている内に、きっとnuなら理想の家を手に入れられる!そう思いnuを選びました。その後営業と実際に物件を見て回ったY さん。どちらの物件も条件を満たしていたし、かつ目黒区という地域に惚れ込んでしまったそう。「アクセス面は抜群で恵比寿まで徒歩圏内。さらに町が静かで美味しいお店がたくさんあるところも魅力的でした。」とのこと。最終的に選んだのは築37年、48㎡の物件。悩んでいたもう1件よりもイメージしていた予算に合うということ。そして専有部はもちろんのこと共有部の管理状態が良かったということで決断されました。
見て、触れて、感じる家
Yさんが希望したのは無骨な雰囲気漂う男らしいお部屋。またスペースを無駄なく有効的に使い、様々な素材を使用してそれらの異なる質感を楽しみたいと考えていました。そんなYさんにデザイナーが提案したコンセプトは「Textures」。素材そのものやその重なりを視覚・触覚で様々な角度から楽しめる部屋をイメージしました。出来上がったのは無駄な凹凸のないすっきりとした1LDK+WIC。土間を上がると縦長のLDKの床に幅広のオーク無垢フローリングが広がります。「ラフな見た目が男らしいし、触れた時のあたたかい感じがお気に入りなんです。」とYさん。天井は無骨な印象のコンクリート現し、壁は白く塗装を施すことでラフな雰囲気の中にも異なる質感を楽しめるつくりに。その空間の中で際立つのは造作の壁付けキッチン。システムキッチンの見た目を好まないYさんは、あえて棚は設けず天板だけが浮いているようなシンプルなデザインを選びました。素材は滑らかな手触りとクールな見た目が特徴的なステンレスを使用しています。以前は100%外食でお料理はしなかったというYさん。しかしリノベ−ションをきっかけにお料理を始め たいと思い、オリジナルのキッチンをつくることに。「自分の背丈に合うように何度も天板やキッチンハンガーの位置を調整してもらいました。自分に合ったオリジナルキッチンだからこそ使いやすく、お料理もはかどるんです。」とYさん。お料理を始めてからはキッチンツールや食器にもこだわりを持ち始め、可動式の食器棚には北欧食器がきれいに並べられています。キッチンの後ろには、お酒が好きというYさんのためにデザイナーが提案した木のバックカウンターがあります。天板をやや広めにとったバックカウンターはお皿を並べたり調理スペースとしてももちろん使えますが、夜にスツールを置いてお酒をグラスに注げばBARカウンターに早変わり。さっと料理を作ってここでお酒を楽しむのがYさんにとって至福の時間なんだとか。またこのバックカウンターはBARカウンターとしてだけではなく、ちょっとしたお仕事をするデスクとしても使える万能スペースなんだそう。奥のリビングにあるのは梁を利用したブックシェルフ。天井スペースを上手く活用し、梁に沿わせて本を並べる事でたくさんある本もすっきりディスプレイしました。「たくさんある本を並べたいけど、ごちゃごちゃさせたくない!という希望をデザイナーの方が上手く叶えてくれたんです。」と話すYさん。そしてリビングの隣にあるのは寝室。黒枠にざらざらとした質感の曇りガラスをはめた引き戸がリビングと寝室を仕切ります。壁ではなくガラスの引き戸にすることで室内を自由に1ROOMから1LDKに分けられるように計画。「朝起きたらまずこの引き戸をしまいます。シチュエーションによって1ROOMのような解放的な空間にできるところがいいですね。」寝室の一角をふと見ると木の梯子が上まで続いています。上がった先にあるのはコンクリート現しの壁にかこまれた書斎スペース。シンプルな木のデスクにはお気に入りの照明や参考書などが置かれています。無骨な雰囲気が漂う中にも、肌に触れるデスクや床には木を使用することであたたかみが感じられるようにしました。「まるで秘密基地にいるような気分になりますね。資格の勉強などじっくりと何かに取り組みたいときはここがうってつけなんですよ。」とYさん。書斎の下はたっぷりの収納スペースになっていて、シーズンオフの服やキャンプ用品が収納されています。シンプルな空間に男の一人暮らしを謳歌するアイディアを詰め込んだイエ。それをより引き立たせるありのままの素材感が五感で楽しめるアクセントとなっていました。
心地よさの集合地点
初めてこの家に入った時のことは良く覚えているというYさん。「1番印象的だったのは無垢オークの床ですね。その時は丁度春だったので裸足で歩くと、木の柔らかい質感が感じられてすっごく気持ちよかったです。」リノベーション後はあまりの居心地の良さに友達がよく飲み来るようになったそう。外で飲んでいてもいつもそのままYさん宅へ。ささっとキッチンで作ったお料理をつまみにバックカウンターで飲み直しが始まるんだとか。そんなYさんが今1番幸せな瞬間はソファでまったり寛いでいる時なんだそう。「この部屋は照明の位置がすごく考えられていて、夜になるとほどよいあかりがこのリビングを心地よく照らすんです。しっぽりとした雰囲気が漂う中でソファに座り映画を見るのが今一番幸せです。」と語るYさん。裸足で歩くととっても気持ちいいオーク無垢の床、シンプルなステンレスのキッチン、コンクリート現しの天井。素材それぞれの味わいが調和する、男の住処が完成しました。