昔訪れたイギリス・ロンドンからヒントを得てつくり上げた理想の家。長年使い込んだかのような、味わいのある空間に映えるアンティーク雑貨やインテリア。自分だけのコレクションを自分の感性で飾り付けていく、どこか懐かしい空間が完成しました。
川のせせらぎと富士の眺望
埼玉県川口市。晴れた日には遠くに富士山が見える眺望の良い場所にH夫妻のお部屋があります。H夫妻は都内の会社に勤めるご主人と、育児休暇中の奥様、そして4ヶ月になるお子様の3人暮らし。以前は賃貸にお住まいでしたが、お子様ができたことをきっかけに家を購入したいと考え始めました。物件を購入する際、新築を買うという選択肢はなかったというお二人。どちらかと言えば新しい物よりも、むしろ古い物に魅力を感じるというH夫妻は雑誌でリノベーションという家づくりの方法を知り、とても興味を持ったと言います。早速物件探しをスタートしたお二人は、まず川口周辺に絞って物件をピックアップしていきます。川口には奥様のご両親が住んでいたため、これから子供を育てていく上でご両親が近くにいる方が安心できると考えたからです。またあまり広さにはこだわらず、リノベーションを前提としていたため古さも制限せずに物件探しを進めていき、2ヶ月程経った頃見つけたのが今お住まいの物件。広さも築年数も希望の条件に合っていた上、家の前にのどかな川が流れ富士山が見渡せるほどの眺望の良さが気に入り、川口にある築13年、66.34㎡の物件を購入しました。物件が決まり次はリノベーション会社探しです。早速「リノベーション 」と検索しネットを見ていたお二人が、ふと手を止めたのがnuのHP。事例のデザインが良い意味で統一されておらず、1件1件その人らしさが感じられたため、ここなら自分たちの価値観や要望をしっかり反映させてくれるだろうと思ったのだそう。もちろん他のリノベ会社も検討しましたが、相談会へ行ってもサービスの魅力を語られるばかりで、聞きたいこと、やりたいことを上手く汲み取ってくれなかったと言います。しかし、nuの個別無料相談会では、まずH夫妻からヒアリングをしっかりした後提案をしてくれるというスタイルがとても気に入ったこと、そしてどこの会社よりもアドバイザーとの相性が良かったことが気に入りnuでリノベーションすることを決めました。
憧れのブリティッシュLIFE
「昔からイギリスが好きなんですよね。最初はイギリスの音楽が好きで、そこからファッションやインテリアにもはまっていきました。」と話すご主人。実際にイギリスのロンドンまで足を運び、観光はもちろん現地のインテリアショップなども訪れたと言います。その中でも特に印象深かったのがロンドンにあるworkshop coffeeというカフェ。レンガや亜鉛菅、タイルなどゴツゴツと男らしく、長い間使い込んだようなヴィンテージ感のある店内に一目惚れしてしまったのだそう。いつかはあの空間に住んでみたいと考えていたお二人は、pinterestやnuのHPで見つけた空間イメージを写真でデザイナーと共有していきます。そしてそんなお二人にデザイナーが提案したのは「VINTAGE×アンティーク」というコンセプト。イギリス・ロンドンをテーマとし、新しい素材を使いながらも、どこか懐かしさを感じられるようなラフな空間をイメージしました。完成したのはL字型の廊下が印象的なエントランスを挟んで両サイドに寝室と子供部屋そしてWICが配置され、その先に約15JのLDが続く2LDK+WICプラン。天井・壁はラフさを演出するため、コンクリート現しにしながらも、あえて一部を白で塗装することで、スッキリとした美しさを合わせ持つバランスの良いデザインに。またLDでゆったりと寛ぎたいというお二人からの要望を叶えるため、寝室や子供部屋はエントランス側に最小限にまとめ、可能な限りリビングを広げることで15Jの広さを確保することができました。今は間仕切りの無いリビングですが、将来もう一人家族が増えたらここにお二人の寝室を新しくつくることも考えているのだそう。そしてこのLDの中でもご主人が一番こだわったのが、腰壁にブラックのタイルを貼ったキッチン。「仕事のつながりで知ったという青山の“THE LOCAL”というカフェで見たこのタイル張りのキッチンがとても気に入っちゃったんですよね。知り合いからタイルのメーカーを教えてもらい、そのカフェと同じ物を取り寄せてもらいました。」とご主人。一方このキッチンを毎日使うという奥様のお気に入りは造作のバックカウンター。棚にはKINTOのグラスや皿、ポットなどお二人のコレクションがずらりと並びます。ダイニングにはお部屋のトーンに合わせお気に入りのインテリアショップで購入したアイアンと木を合わせたテーブルと椅子をプラス。そのテイストに合わせてリビングにもワークデスクを置きたいと考えたH夫妻は、いろんなお店を回ったそうですが、なかなか理想のアイテムに出会えなかったのだそう。そんな時たまたま見つけたのがヴィンテージルックな家具や看板を扱う武蔵村山のオリジナル家具製作店。サイズ、色味、簡単なデザイン画を早速店へ送ったと言います。完成したワークデスクは、他の家具とのバランスはバッチリ。長い間使い込んできたような風合いがお部屋にしっくりマッチしています。「私たちのこだわりが強いので、部屋づくりと同じ様に家具も既存のものでは満足できないんですよね。ワークデスクの椅子だって形は気に入ったんですが色がいまいちだったので、自分でDIYで塗装しちゃいました。」とブラックのスツールを眺めるお二人。リノベーションで時間をかけつくり上げたヴィンテージ空間。新しいはずなのに、まるで時代をさかのぼったような、心地よくも懐かしい雰囲気が感じられました。
3人で眺める川辺の桜
子供が生まれたこと、そしてリノベーションをしたこと、2つのHAPPYが重なり、暮らし方は大きく変わったというH夫妻。「以前よりも早く家に帰って、子供をお風呂に入れて、本当に忙しくなりました。その反面、休日はゆったりとリビングでくつろぐことが多くなりましたね。自分たちの”好き”が100%反映されているので、本当に心地良いです。」とご主人。これからはもっとこの家に手を加えていき、さらに家を自分好みにしていきたいというお二人。今はベランダに木板を並べてウッドデッキをつくりたいと考えているそう。まだまだ小さいお子様ですが、大きくなったら、ウッドデッキに椅子を置いて、川沿いの桜を眺めながらお花見をするのに憧れていると言います。そんなお二人に最後に投げかけたのは「今一番幸せな瞬間は?」という質問。「午後にリビングのソファで2人でゴロゴロしていると、心地よい西日が差し込むんですよね。ienoのカーテンから風もふわっと入ってきて、そんなふとした瞬間に幸せを感じます。」と微笑むお二人。ヴィンテージ感漂うH夫妻のお宅にはそんなふとした瞬間がこれからもっと増えていくことでしょう。