秋の夜長を愉しむ人/UNIQUES vol.11
すっかり秋の気候となったこの頃、夜の始まりがだんだんと早くなるのを感じます。
いつも通り家に帰るのはなんだか勿体無い、金木犀が香るすてきな夜。仲間と賑やかに盛り上がるのもいいけれど、
今日は普段と少し違う過ごし方をしてみませんか?遅くまでオープンしているお店や、昼間とは違う楽しみ方ができる場所。
ここでは本誌で紹介しきれなかった、アナザーストーリーをお届けします。
タブロイドはこちら→UNIQUES vol.11
■日常からエスケープする、夢のような喫茶店 『茶亭羽當(さていはとう)』
ひしめくようにビルが立ち並び、夜になって賑やかさを増す渋谷の明治通り沿い。
お店のライトに煌々と照らされる大通りを抜けて宮益坂の裏手に入ると、
昔ながらの喫茶店「茶亭羽當」の看板が目に留まります。
入り口は奥まっていて、注意しないと見過ごしてしまうようなこのお店。
少しドキドキしながら中に足を踏み入れると、
渋谷の喧騒からここだけ切り離されているかのような厳かな世界が広がっていました。
まず目に入ってくるダイナミックな生け花に普通じゃない特別な空気を感じ、
これからいただくコーヒーの味に期待で胸が膨らみます。
中へと足を進めると、まず目に入るのは大きな1枚木のカウンター。
オープンしてすぐの時間から、常連らしきお客さんが座っていました。
そしてやっぱり気になってしまうのはカウンターの奥に並べられたティーカップの数々。
ヨーロッパの著名な銘柄から、日本の有田焼まで。
視界いっぱいに陳列されたティーカップには1つとして同じものがありません。
コーヒーを提供する際に店員さんがその人の雰囲気にあったものをチョイスしてくれるそうですが、
今回の撮影ではどんなカップに入ったコーヒーがサーブされたでしょうか?
ぜひ本誌でチェックしてみてください。
大きなカウンター越しには、コーヒーを入れる店員さんの手元がよく見えます。
コーヒー豆がセットされたフィルターへお湯が注がれると、みるみるうちに豆が膨らんできました。
思わずスタッフが「わぁ…!」と声をあげると、
「豆がこんなに膨らむのは新鮮な証拠なんですよ。」と店員の寺嶋さんが教えてくれました。
コーヒー豆は採れて3日以内のものだけを使用するというこだわりよう。
あのブルーボトルコーヒーの創始者が、ここ茶亭羽當のファンだというのも納得です。
コーヒーと一緒に注文したい、どこかノスタルジックなラインナップのフードメニュー。
今回の撮影では「ビーフサンド」を注文しました。
フワフワのパンに挟まれているのは、層になったローストビーフとレタス。
さっぱり目のマスタード風味のドレッシングがアクセントになったサンドイッチと、
しっかりとコクのあるコーヒーを交互にいただくのはまさに至福の時間でした。
いつもの道をちょっと抜けたら、こんな世界が広がっていたなんて!
お店を出た時には、さっきまでまるで夢の中にいたかのような余韻が残っていました。
慌ただしい毎日にこそ、時には静謐な空間でいただく特別なコーヒーを。
渋谷の裏路地に潜む喫茶店で、物語のような夜を過ごしてみませんか?
本誌「UNIQUES」vol.11」では、“過ごし方”にフォーカスを当てて、『茶亭羽當』をご紹介しています。
そちらも是非チェックしてみてくださいね!
・ACCESS
茶亭羽當
東京都渋谷区渋谷1-15-19
渋谷駅 東京メトロ 13a出口から徒歩1分
・営業時間
11:00~23:30
定休日:なし
[2019.10.6]
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