文京区「千駄木」駅
11回目にご紹介するのは、谷根千の“千”、文京区千駄木。
猫やお寺、昔ながらの商店街など、ほのぼのした雰囲気が魅力の大人の街です。
【 千駄木マップ 】
1.ローソン | 2.利さく | 3.八彩 | 4.NOMURAYA | 5.太平製パン |6.亀の子束子 | 7.汐見地域センター | 8.須藤公園 | 9.CIBI | 10.鮮魚 山長 | 11.まいばすけっと 谷中よみせ通り店 | 12.YANESEN AZ CAFE | 13.九州堂 | 14.やなか珈琲 | 15.ぱぱす | 16.手作りのおかずお弁当 トーホー | 17.T肉のサトー | 18.肉のすずき | 19.やなかしっぽや | 20.長明寺
【 とうきょうさんぽ「千駄木駅」で紹介したお店を[ googleマップ ]で見る。】
|千駄木ってどんな町?
文京区の北東端に位置し、台東区や荒川区と隣接している千駄木。
平成元年頃からは、谷中(台東区)、根津、千駄木が下町散策エリアとして注目を集め、そこから“谷根千”という愛称で地元や広域の人々から親しまれるようになったそう。
千駄木には昔ながらの商店街や神社など下町の風情が色濃く残され、地元を挙げてのお祭りも盛んに開催されています。そんな古き良き文化を大切にしているのが、千駄木の魅力です。
また、文京区といえば、東京23区の中で最も犯罪件数が低く、治安の良さはお墨付き。その落ち着きのある雰囲気からシングル女性やファミリー層にも人気があります。
|交通面は?
千駄木駅を通るのは、足立区の綾瀬駅から代々木上原駅を結ぶ東京メトロ千代田線。オフィス街の大手町駅や二重橋前駅(丸の内)までは、乗り換えなしで約10分。
新宿駅や渋谷駅までは、山手線や東急田園都市線を乗り継いで30分圏内でアクセスできます。
また、千駄木駅から約10分歩けば、山手線や上野と成田空港を結ぶ京成本線など5路線が通る日暮里駅まで行くことができるので、交通に不便を感じることはなさそうです。
文京区コミュニティバス「Bーぐる」は、「千駄木・駒込ルート」「目白台・小日向ルート」の2路線が運行しており、年中無休、20分間隔で文京区内を巡っています。(文京区役所HPより)。また、上野駅などを通る台東区循環バス「めぐりん」や、千駄木駅に面した不忍(しのばず)通りには都営バスも運行しています。
こちらがレトロなボディがかわいい、「めぐりん」バス。
それでは早速、千駄木さんぽスタート!(果たして、猫はいるのかな?)
|不忍通りと団子坂
千駄木駅の地上への出口は、2つ(出口1のエレベーター専用改札も合わせると3つです!)。どちらの出口も、文京区の目白通りから台東区の中央通りに至る延長8kmの都道“忍不通り”に面しています。
今回は出口2の道灌山(どうかんやま)方面から千駄木さんぽを開始!
地上へと出ると、さっそく不忍通りが。千駄木駅を背にして、不忍通りを右に進めば根津・上野方面、左へ進めば駒込方面へと向かうことができます。
出口を出てすぐに、チェーン店の居酒屋が。
横断歩道を渡った向かい側の道沿い(ちょうど駅前)には、誰でも止められる駐輪場があります。
駅から少し離れた所にしか駐輪場がない駅(私の最寄駅がそうです)などもありますが、ここはほぼ駅前なので便利。
駐輪場から駒込方面へ少し歩くと「ローソン」(1)やクリーニング店、郵便局などもありました。
ではつづいて、不忍通りを根津方面に進んで行きます。
数メートル進んだ団子坂下交差点まで来ると、ミスタードーナッツやサンマルクなどお馴染みのチェーン店が増えてきました。
交差点のすぐそばにあるのは、出口1の団子坂方面改札です。
サンマルクを通りすぎて少し歩くと、おにぎり専門店「おにぎりCafé 利さく」(2)を発見。
「利さく」の2.3軒となりには、青果店「八彩 千駄木店」(3)。文京区限定での店舗展開という、地域密着型の青果店です。
さらに歩いてみると、スーパーマーケット「NOMURAYA」(4) 。
となりには、NOMURAYAの系列店「WINE SHOP ESPOA NOMURAYA」もあります。ワインやおつまみなどを豊富に取り揃えているので、家飲みの際にぜひ。
さらに根津方面へ2分ほど歩くと、向かい側の道に「太平製パン」(5)を発見! …あれ?カーテンが閉まっている?どうやら取材に訪れた月曜日は、定休日だったようです。
というわけで、後日改めて伺いました。店内は、学校の購買のようなレトロな雰囲気。人気メニューであるコッペパンやスコーンなどが販売されていました。
ここから徒歩3分の根津方面の場所に、「ボンジュールモジョモジョ」という太平製パンの1号店があるそう。そちらも気になります。
さて次は、太平製パンのお隣にある「サカ工不動産」を左に曲がって、住宅街を進んでいきます。
千駄木で猫に出会う確率が高いのは住宅街の裏路地!と聞いていましたが、結局ここでも巡り会えず…
突き当りまで進んだたら、“へび道”というクネクネ道に店を構える「亀の子束子 谷中店」(6)に到着!
ここは1907(明治40)年に文京区本郷で創業した「亀の子束子 西尾商店」のアンテナショップ。
定番の束子から、モダンにアレンジされたオリジナル束子などが販売されていました。
写真の亀の子スポンジ、雑誌やSNSで見かけたことがある方も多いのでは!?
それでは、再び団子坂下交差点に戻りましょう。
亀の子束子から歩くこと約5分、団子坂交差点に戻ってきました。1階にカフェを構える白い建物を左折して、団子坂を登っていきます。(このバスと同じ方向です!)
こちらが先ほどから何度か名前が登場している団子坂。不忍通りに交差するカタチで、文京区千駄木二丁目と三丁目の境を東へ下る坂が団子坂です。緩やかだけど、地味にきつい坂。
団子坂には飲食店や美容室などが点在しています。銀行の支店や、
三菱UFJ銀行の後ろには、老舗イタリアン「TAVOLA」。
児童館もありました。児童館の裏には保育園があるそうです。
団子坂上交差点まで辿り着いたら、右に曲がります。すると、“くらしのみち”という歩行者優先道路が。
近くに小学校や中学校が多いので、登下校中の子供も安心して歩けますね。
くらしのみちに入ってすぐ、文京区立本郷図書館が併設された「汐見地域活動センター」(7)という公共施設がありました。
汐見地域活動センターとは…住民票などを発行する《区民サービスコーナー》、地域の身近な相談事を承る《地域広聴員》を配置しているほか、
4つの会議室を利用することができます。また、施設内には《本郷図書館》が併設されております。(文京区HPより引用)
くらしのみちには、クリニックや保健センター、老人ホームなど暮らしを支える施設が点在していました。
余談ですが、汐見地域活動センターから7.8分歩いていくと、「千駄木小学校」という公立小学校があります。
実はここ、文京区の中で言わずと知れた有名公立小学校。特に水泳(卒業生に北島康介選手)や理数系の授業に力を入れているそうで、教育環境のレベルの高さが人気なんだとか。
文京区がアカデミックな街といわれている理由も頷けます。
さて、今度は「千駄木の郷」という老人ホームの斜め前の角を左に曲がります。
20、30m進むと、住宅街の先にたくさんの木々が見えてきました!
ここは、「須藤公園」(8)です。
江戸時代は、藩主のお屋敷だったといいう須藤公園。その後、実業家である須藤吉左衛門が買い取り、昭和8年に当時の東京市に寄贈されたことが須藤公園のはじまりです。
私が今いる北西入り口は高台になっていて、公園全体を見渡せます。
遊具は滑り台とブランコ、ジャングルジムなどがありました!
高低差を活かした高さ約10メートルの滝や、滝からの水が流れ込む池などもあり、遊ぶ公園というよりも散歩を楽しむような庭園という表現の方が合っているかもしれません。
池の中央にあるのは鳥居と弁財社。帰りは駅に近い南東口から出て、須藤公園をあとに。再び不忍通りへ戻って、今度は団子坂をくだっていきます。
|よみせ通りと谷中ぎんざ
千駄木さんぽ後編は、団子坂のくだり方面からスタート。ミスタードーナツを通り過ぎて少し歩くと、
1875年(明治8年)創業の老舗せんべい屋「菊見せんべい総本店」がありました。
せんべい屋の少し先には、織物作家さんが営む「le poile」(ル・ポワル)。
器やオーガニックの靴下など、全国で活躍する作家さんのアイテムが販売されています。また、伝統工芸である織物の体験レッスンなども行なっているそう。
古き良き文化を大切にする千駄木だからこそ、しっくりくるお店ですね。
「le poile」の向かいにある石畳の外壁が目印の「大島屋」の手前を左に曲がると、
“谷中よみせ通り”という、谷中ぎんざ商店街に通ずる道に入ります。
少し歩くと、コンセプトストア「CIBI TOKYO STORE」(9)を発見!「ライフを楽しくする」というコンセプトが掲げられた店内では、カフェとオリジナルプロダクトの販売を行なっています。
元々倉庫だった場所をリノベーションしたという店内で、シーズナルランチ(¥1,380)をいただきました。
「CIBI」のすぐそばには、木や鉄で作った家の形をした花びんなどを販売している「Short and Art」というお店が。外に飾られた手のひらサイズの作品(写真右)が可愛かった〜
さて、まだまだ魅力的なお店がつづきます。
こちらは、鮮魚「山長」(10)です。昔ながらの魚屋さんって、そこにあるだけでなんだかほっとした気持ちになります。
「山長」と目と鼻の先には、「ローソン」があり、ローソンの斜め向かいは、イオン系列のスーパーマーケット「まいばすけっと 谷中よみせ通り店」(11) が。
7:00-0:00まで営業しているので、仕事で帰りが遅くなっても安心です。
まいばすけっとから数軒おとなりには、「YANESEN AZ CAFÉ」(12)。テラス席ペット同伴OKのカフェです。
千駄木はお散歩に適しているので、愛犬とお散歩がてらカフェに立ち寄るのも良いですね。ちなみに、コーヒーとマフィンはテイクアウト可だそう!
「YANESEN AZ CAFÉ」の右隣には、鍼灸接骨院。
鍼灸接骨院の右隣には、九州の食品などをセレクトして販売する「九州堂」(13)があります。
軒先では長ネギや椎茸など、スーパーではお目にかかれないような九州産の野菜が販売されています。
店内はこんなかんじ。奥には併設されたカフェスペースがあります。ドレッシングや炊き込みご飯の素など、気軽に献立に取り入れられるような商品がたくさんありました。
福岡出身のnuスタッフUがブログ「食を楽しむ」で紹介していた、九州定番のアイス“ブラックモンブラン”も売っていました!
そして「九州堂」の向かいにはスーパーマーケット「マルエツ プチ 谷中三丁目」があります。こちらは9:00〜22:00の営業時間です。
マルエツから数メートル歩くと、更にお店が増えて人通りも多くなってきました。セブンイレブンの斜め向かいに、コーヒーショップを発見。「やなか珈琲」(14)です。
「やなか珈琲」から歩くこと約1分、ようやく谷中銀座のアーケードが見えてきました!
谷中ぎんざの入り口前には、ドラックストア「どらっぐ ぱぱす」(15)。
以上、よみせ通りの紹介でした!
それではアーケードをくぐり、“谷中ぎんざ”を散策していきましょう。谷中ぎんざとは、全長170メートルほどの通りに約60店舗が立ち並ぶ商店街です。
まず目に留まったのは、美味しそうなおかずが軒下に並んでいた「手作りのおかずお弁当 トーホー」(16)。
手作りだなんて絶対に美味しいに決まっている。たくさん入ってこのお値段、お財布にも優しくてうれしいです。
では商店街をさらに歩いていきましょう。道幅は意外と狭く、個人店を中心に食品や雑貨店などがぎゅっと密集しています。
すごい行列ができているなぁ…と思ったら、モンブランで超有名な「和栗や」の列でした。
「和栗や」の向かいには、精肉・惣菜店「肉のサトー」(17)や八百屋などの専門店が入っている建物が。
専門店なら、スーパーでは仕入れていないようなレアな商品にも出会えそうですね。
商店街には昔からある老舗ばかりではなく、新しくオープンしたお店も。中でも洗練された雰囲気を漂わせていたのが、フロランタン専門店「アトリエ ド フロレンティーナ」です。
フロランタンは店内のオープンキッチンで手作りされているそう。下町でフランス生まれの焼き菓子をいただくって、粋な組み合せですね。
ギフト用で桐箱に入れることもできるので、ちょっとした贈り物にもオススメです。
食料品やスイーツ以外にも、実用的な100円ショップ「キャン・ドゥ」なども。
キャンドゥの3軒おとなりには、「肉のスズキ」(18)。メディアにも度々取り上げられる大人気店です^^
この日は、牛肉100%の“元気メンチカツ”をいただきました。サクッとした食感、じゅわりと溢れ出る肉汁…。あと10個は余裕で食べられます。
さて、メンチカツでお腹を満たしたところで、今度は斜め前からあま〜いかおりが誘惑してきました…
その正体は「やなかしっぽや」(19)の焼きドーナッツ!
私は「メイ」という猫の名前がつけられたメープル風味の焼きドーナッツをチョイス。
子供の頃に食べたおやつを思い出すような懐かしくてやさしい味でした。見た目もかわいいので、SNSにアップしたくなります。
谷根千といえば、「猫の街!」と言われているように、やなかしっぽやをはじめ、猫モチーフの商品を販売している雑貨店や飲食店がちらほら。(あれ、結局リアルな猫に出会えていない)
さて、やなかしっぽやからしばらく歩くと、再び谷中ぎんざのアーケードが。
約170メートルの商店街のゴール地点に到着です。
谷中ぎんざをあとにし、夕やけだんだんの階段の手前を右に曲がります。
路地を20メートルほど進むと、「ひみつ堂」というかき氷屋さんに到着!取材時は1月の冬真っ盛りでしたが、そんなのお構いなしに行列でした。さすが大人気店!
以前プライベートで訪れた際、あまりの列で並ぶのを諦めた過去があるので、今年こそはひみつ堂のカキ氷を食べたいです!
では、いよいよ千駄木さんぽ最後のスポットをご紹介。千駄木らしくお寺で締めくくりたいと思います。
こちらはひみつ堂と目と鼻の先にある「長明寺」(20)です。
写真左に写る高層の建物は、日暮里駅前の高層マンションです。
ここから日暮里駅までは、歩いて5分の距離。冒頭で説明した通り、住む場所によっては日暮里駅を最寄り駅とすることもできそうです。
私も帰りは山手線が通る日暮里駅を利用して、家路につきました。
|千駄木さんぽ おまけ編
nuデザイナーHの谷根千おすすめスポットを勝手にピックアップ!
今回ご紹介するのは、谷中ぎんざの夕焼けだんだんの階段から日暮里方面に4分ほど歩いたところにある「朝倉彫塑館」です。
「朝倉彫塑館」は1935年に建てられた彫刻家 朝倉文夫のアトリエと住居。1967年に一般公開され、建物自体が国の有形文化財に登録されています。
前途のように文化財的な価値が非常に高いことからミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも掲載されているそう。中は撮影禁止だったためご紹介できないのですが、デザイナーH曰く「とにかく中庭が素敵!」なんだとか。
谷中ぎんざからほど近いので、建築が好きな方はぜひ訪れてみてくださいね。
洗練された建築空間から、リノベーションのアイデアにつながるインスピレーションが得られるかも!?
まとめ
結局猫に出会うことはできませんでしたが、その他はイメージしていた通り下町の雰囲気を感じる穏やかな街でした。チェーン店よりもはるかに個人店が多い千駄木。
特に千駄木を象徴する“谷中ぎんざ”は、レトロ佇まいというだけでなく、商店街としての文化が色濃く残されていて、お客さんとの距離感が近いのも印象的でした。
そんなアットホームな空気感から、地元に根ざしてその街ごと愛したい!という方にオススメしたい街だなぁと思いました。
また、不忍通りや団子坂などのメイン通りは店舗や車通りが多く賑わいがありますが、一本路地に入った住宅街は本当に静かな場所。
低層マンションや戸建、お寺が多いため、建物が密集しているというような窮屈さがありません。きっと街に残されたそんな余白が、千駄木の落ち着いた雰囲気を引き出しているのではないでしょうか。
さて、次にご紹介するのは、日比谷線、東急東横線が通る「中目黒」駅です。
流行りの飲食店やアパレルショップなどが密集する、都内屈指の人気エリア中目黒。“遊ぶ街”ではなく“住む街”の視点から捉えた中目黒はどんな雰囲気をまとっているのでしょうか。お楽しみに!
【 とうきょうさんぽ「千駄木駅」で紹介したお店を[ googleマップ ]で見る。】
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