今回の技レポは、「断熱材」について。
皆さんは、家づくりの際に断熱について意識したことはありますか?
夏は暑く、冬は寒い日本では、断熱材がきちんと施工されているかどうかが、1年を通じた家の過ごしやすさにつながっていきます!
断熱材とは、一言で言うと屋内と屋外の熱の出入りを抑えるための材料なのですが、
例えば外部に面する壁にもかかわらず断熱材がない場合は、写真のように結露が発生してカビができていることがあります。(黒いものは全てカビです…)
特に日の当たらない北側の壁は、冬期の結露の影響が大きいです(汗)。
こういったことにならないように、やはり断熱材は大切ですね。
一番簡単な断熱のイメージは、冬のダウンコート。
家も体も一緒で、寒さ対策をしないと不調になってしまいます!
今回は「技」というよりも「知識」のご紹介となるかもしれませんが、リノベーションを検討している方にとっては、大切なことですので、是非お読みになってください!
ではさっそくマンションのリノベーションにおける「断熱材」についてご紹介します。
まず、代表的な断熱材は以下の3つです。
○発泡ウレタン
○グラスウール
○スタイロフォーム
なかでもこの「発泡ウレタン」については、マンションの新築時に施工されることがほとんど。特徴として、熱伝導率が低く、吹き付けのため広い範囲でも密着性が高く隅々まで施工できるメリットがあります。ただ、高価で専門技術が必要なため、リノベーションではめったに採用されることはありません。
このように躯体壁にはクリーム色のような「発泡ウレタン」が吹き付けられています。
リノベーションの解体工事で屋外に面する壁を撤去した際には、コンクリートの躯体壁に断熱材が施工されているかどうかに必ず注目します。
一方で、グラスウールとスタイロフォームについては、マンションリノベーションでは発泡ウレタンよりも廉価で、施工も比較的簡単なためよく使われます。
では、グラスウールとスタイロフォームの施工の様子をご紹介!
グラスウールは非常に細かいガラス繊維が集まった綿です。
防湿フィルムに包まれたものを壁の下地間にはめ込んでいきます。
グラスウールは水分に弱く、濡れてしまったりすると内部の空気が失われて断熱性能が落ちてしまうので、このようにフィルムが巻かれているのです。
スタイロフォームはポリスチレンでできた固めのスポンジ板です。
畳ほどのサイズからカッターで切り出してはめ込みます。
こちらの物件では、寝室の窓台にスタイロフォームを使用しました。
竣工して、寝室全体を見渡すとこんな感じです。
どちらの工法も、最後にテープでしっかり隙間を埋めて、室内の空気が外に漏れないようにしています。
屋外の空気と室内の空気がなるべく直接触れないように丁寧に施工することが、断熱性能を高める技です。
最後に、断熱材のもう一つの使い方について。
それは「防音」です。
部屋と部屋の仕切り壁に、グラスウールを入れることで吸音効果が生まれて、何も無いよりも音が漏れないようにすることができます。
最近は職住一体な暮らしや家で趣味を楽しみたいという方も多いので、職業や趣味に応じて防音の設計を重視するお家も増えてきています。
以上で「断熱材」のご紹介を終わります!
断熱材は目に見えないところにあるので、縁の下の力持ちのような存在ですね。
ぜひ、これからリノベーションする方はご参考にしていただければと思います!
今回もお読みいただきありがとうございました。