スペースを最大限に活用!空間を美しく魅せるキッチン収納アイデア集
リノベーションで欠かすことのできないキッチン収納のプランニング。
今回は、キッチンリノベーションの最新トレンドから、限られたスペースを有効活用した省スペースキッチン収納まで。
お客様のご要望を、どのような方法で解決したのか、事例ごとに解説していきます。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
著者の詳しいプロフィールはこちら
<この記事のトピックス>
・キッチンリノベーションの最新トレンド
・ケース別 | 収納アイデア
・「こんなこともできる!」造作ならではの収納アイデア
キッチンリノベーションの最新トレンド
まずは、近年のキッチンリノベーションの最新トレンドからご紹介します。
トレンド1 | 根強い人気の対面キッチン
一つ目は、料理中にもリビングを見渡せることからファミリー層に人気の高い対面キッチン。
I型キッチンをリビング側に向けたり、シンクのみをリビング側に向け、油ハネの多いコンロは壁付けにする等のパターンがあります。
対面キッチンの魅力は、腰壁のデザインにこだわれるという点。木やモールテックスなど、お好みの素材で腰壁を彩り、LDKのデザインにアクセントをつけることができます。
トレンド2 | 魅せる壁付けキッチン
キッチンをインテリアの一部として存分に楽しみたいなら、壁付けの造作キッチンがおすすめ。
キッチン本体のデザインはもちろんのこと、調味料やキッチンツールなどキッチンスペース全体としての世界観をつくることができます。
トレンド3 | キッチンはシンプルに、作業台を造作
トレンド1・2のハイブリッド型として、壁付けキッチンに対面型の作業台を造作するというレイアウトも、近年採用例の多い注目のレイアウト。
メンテナンスがしやすいことに加え、配膳が効率的だったり、キッチンの移設に伴う床の段差ができなかったりと、暮らし・施工の面でもメリットの大きいレイアウトです。
ケース別 | 収納アイデア
それでは、ここからは本題の収納アイデアについて。
住まい手ごとに異なる要望や理想の生活動線を、どのようにプランに落とし込んでいったのか。
キッチンのレイアウトや、収納の中を見せる派・隠す派に分けて、4つのソリューションをご紹介します。
<隠す派>
CASE1 | 対面キッチン×3枚引き戸
・リノベーション事例:「cococi」(東京都世田谷区)
15.6JのLDKに対面キッチンを設えたSさん。
ご夫婦ともにプロダクトデザインのお仕事に携わっていることから最新のトレンドデザインに触れる機会も多く、今回のリノベーションでは“心地よいジャパンディの世界観”をつくり出すことにこだわっていたそう。
ジャパンディの鍵となるのは、キッチンの腰壁にあしらったリプパネルをいかに美しく見せるかというところ。
リブの間隔や丸みにもこだわって素材を選定。白をベースとした空間に淡い木の差し色がアクセントになっています。
腰壁のデザインをより美しく見せるためには、生活感が出やすいキッチン周りをすっきりさせることが不可欠。
そのソリューションとして、キッチンの背面には3枚の引き戸で隠せる大容量の収納を確保しました。
使わない時は閉めてスッキリ、料理をする時はバックカウンターが出現するという一石二鳥のアイデアです。
収納をすっきりさせたおかげで、こだわりのキッチンデザインをしっかりと引き立たせることに成功。
Sさんが目指した、洗練されたジャパンディな空間が体現されています。
<隠す派>
CASE2 | アイランドキッチン×造作棚×パントリー
・リノベーション事例:「SIMPLE×grayish」(東京都)
スタイリッシュで美しいH邸のLDK。
カリグラフィーの制作を手がける奥様は、完成した作品を撮影できるよう内装にこだわった空間で暮らしたいと、リノベーションを決意しました。
「撮影スタジオのような洗練された世界観をとことん追求したい!」
そんなご要望に対するソリューションは、異なる質感のグレーでLDKを統一し、スタジオのような無機質感を表現。その中でもアイキャッチになる框組みの食器棚を造作するプランでした。
上質さと温もりを感じさせるこの食器棚は、Hさんの好きなケーキ屋さんのインテリアをオマージュして造作。
食器棚の中にはこだわりの器をゆったりと収納し、それ以外のキッチンツールはキッチンスペース横の3.3Jのパントリーにまとめることで、生活感のない居住空間を実現しています。
Hさん:とにかくストレスフリーで、QOLが上がりました。料理しやすくなったし、パントリーとWICのおかげでモノを押し込めるようになって、視界的ストレスがなくなりましたね。
<見せる派>
CASE1 | 壁付けキッチン×飾り棚
・リノベーション事例:「円柱×ワンルーム」(埼玉県浦和市)
nuリノベーション(以下、nu)の読みもの『リノベ日記』内で「ユニークと暮らそう」の連載を執筆してくださったannaさん。
家事の中でも料理があまり得意ではないというannaさんは、日々のキッチンに立つ時間を楽しくするためのソリューションとして、「実験室のようなキッチン」をテーマにプランニングを進めていったそう。
壁には飾り棚を設け、ドライフラワーや陶器の置物をレイアウト。
一方で食器やストック類などの細々したものは目線より下に集約。収納の比重を下に置くことで存在感が抑えられ、手の届きやすいことから使いやすさも両立されています。
CASE2 | 壁付けキッチン×ステンレス作業台
・リノベーション事例:「frank」(神奈川県横浜市)
ざっくりと仕舞われたお皿や、表情のないステンレスキッチンが厨房のような雰囲気を放つY邸のキッチンは、料理が好きで、実家に住んでいた時からキッチンに立つ事が多かったという奥様のこだわりが詰まった空間です。
よく遊びに来るという友人や同僚にも手料理を振る舞い、一緒に食事をする事が多いYさん。
キッチン背面に造作したステンレスの作業台はダイニングテーブルと幅を合わせ、テーブルの延長線として使えるようにしました。
作業台にはコンセントも備え付けており、在宅で仕事をする際のデスクとしても活躍しているそう。
目線の高さとなるキッチンの壁には、最小限のツールを吊り下げているY邸。スポットライトで照らし出すことで目線が上に誘導されるため、キッチン・作業台ともに天板下の収納はフルオープンですが雑多な印象は全く感じさせません。
最後に
今回はトレンドのキッチンレイアウトと、住まい手の暮らしや要望に合わせたキッチン収納のソリューションについてご紹介しました。今回取り上げた事例はあくまで一例となりますので、「自分たちの場合はどんな方法があるの?」「もっと詳しく知りたい!」という方は、ぜひ個別セミナーへご参加いただき、リノベーションへの思いをお聞かせくださいね。
よくあるご質問
Q1. キッチンリノベーションで、収納のレイアウトにはどんな造り方がありますか?
A.
キッチンの背面にバックカウンターを造ったり、キッチンスペース横にパントリーをレイアウトすることで、散らかってしまいがちなキッチンをスッキリと整えることができます。また、コーヒーや器が好きな方は、オープンシェルフなどを造り付け、インテリアのように収納を楽しむのも人気です。
Q2. 見せる収納が苦手でも使い勝手の良い収納をつくるにはどうしたらいいですか?
A.
目線より下の位置に収納をまとめると、居住空間から丸見えになりにくく、片付けが苦手な方でもすっきりとした状態を維持しやすくなります。また、バックカウンターをオープン使用で造作し、使わない時は閉めて置けるよう引き戸などを設置しておく方法もおすすめです。