今回の技レポでは、リノベーションで人気の高い『木天井』についてご紹介。
樹種や木天井の取り入れ方によって、北欧テイストや和モダン、無機質な空間にもぴったりなデザインアクセントになってくれます。
それでは早速みていきましょう(^^)
■和モダンな空間に取り入れる木天井
まずは、和の空間に木天井を取り入れるデザインについて。
近年は「ジャパンディ」というトレンドワードの影響もあってリノベーションでつくり出す空間にも、どこか日本ならではの素材感やテイストを取り入れるケースが増えています。
・リノベーション事例:「和〜nagomi〜」(東京都江東区)
長方形の物件の長手方向に向かって、木天井を張り込んだOさんのお宅。
美しい木目を引き立てるために天井照明はダウンライトを最小限に配置。
間接照明でLD側と小上がり側の天井を優しく照らし出すことで、木天井の美しさを最大限に楽しむ空間をつくり上げました。
今回採用したのは“スプルース”という樹種の突き板。
フローリングのように細長い木を並べているのではなく、無垢材が薄くスライスされシート上になったパネルを天井に貼っていきます。
突板が割れてしまわないように、職人さんが息を合わせて頭の上まで突板を持ち上げ、接着剤でボードに貼り付けた後に、大きなホッチキスのような工具で固定していきます!
全体を貼り終えた状態がこちら。
ダウンライトを設置する穴も美しく開口されていますね◎
さらに、小上がりと奥の個室の間に造作した内窓にも、木天井を美しく見せる工夫が。
こちらの内窓は、けんどん式と呼ばれる工法で枠にガラスをはめ込んで作られています。
木天井の繋がりは残しつつ、シンプルすぎないようにあえて木枠を回すことでワイドスパンな木天井にアクセントを加えています。
■部分的に取り入れる木天井
2つ目は、LDKの天井に部分的に木天井を取り入れた事例をご紹介します。
・リノベーション事例:「ナカソト」
どことなく昭和レトロな空気感が漂うこちらのお宅は、“おしゃれなおじいちゃんの家”をテーマにKさんがつくりあげた空間。
無垢チークの市松模様のフローリングと躯体現しの天井、お部屋の随所に配置された北欧家具が温かな空気感を醸し出していますね◎
そんなK邸の木天井は、窓辺からリビング側へぐるっと天井を囲うL字型。
チークの床に合わせてコックリとした色で塗装されています。
どうしてL字型なのかというと…。
その秘密は解体後の現場を見るとお分かりいただけます!
上の写真が、解体時の様子。
軽量鉄骨の下地が組まれている範囲をよーくご覧いただくと、躯体壁にクリーム色のモコモコとしたものが付いているのが見えますよね。
ご存知の方も多いかもしれませんが、これは『断熱材』。
結露などを防止するために施工されているものでフルリノベーションを行う場合も撤去することができず、今回のように壁から天井に向かって数十センチ折り返して施工されているケースがほとんどです。
今回は、LDKの天井は躯体現し。断熱材が入っている部分との折り合いをどうつけるか検討した結果、木の下がり天井を部分的に取り入れることで断熱材を覆うデザインに!
マンションの断熱材についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ併せて読んでみてくださいね◎
ということで、今回はリノベーションで木天井を取り入れる技ありなアイデアや施工中の様子をお届けしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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