
整っているのに、どこか温かさを感じる瞬間があります。
読みかけの本や飲みかけのグラス、サッとかけられた布巾。
完璧に片付けられた空間よりも、そこにある小さな痕跡が、人の営みを思わせてやわらかな温度を与えてくれる。
そうした余白に、私は心地よさを覚えます。
ブランドディレクターとして仕事をしていると、「写真にどんな思いを表現するか」を考える場面が多くあります。
言葉と同じくらい、写真の一枚には多くの情報が宿るからです。
単に美しい空間を切り取っただけの写真では、nuリノベーション(以下、nu)の掲げる“いい時間をつくるリノベーション。”というキャッチコピーの解像度を十分に伝えることはできません。
そのために大切なのは、空間の奥にある人の営みや時間の流れを想像させる一枚であること。
私はそこに強く意識を置いています。
例えば、整えられたキッチンに置かれたやかんのような存在。
ほんの小さな暮らしの痕跡があることで、そこに人が立ち、生活を営む姿が自然と浮かんでくると思います。
そうした写真は、ただ「整っている」ことを伝える以上に、ブランドとしての価値観を表す視覚的な要素になってくれると感じています。
nuがブランドとして伝えたいのは、ハコそのものの美しさだけではなく、その中で生まれる暮らしの時間や人の営み。
その大切にしている思いをより解像度高く伝えるために、言葉だけでなく写真や動画などのビジュアルを通じても“いい時間”を届けたいと考えています。
完璧さだけを追うのではなく、余白を残すこと。
その中に漂う情緒こそが、nuが大切にしている“いい時間”につながっているのだと思います。
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