こんにちは。
すっかり寒くなってきましたね。
体調崩されてはいないでしょうか?
本日は「湖の家」について書きたいと思います。
「湖の家」は1924年にル・コルビュジエによって建てられた住宅です。
スイス・ローザンヌから電車で20分ほどのヴヴェイという場所にあり、レマン湖のほとりに建っています。
「レマン湖畔の小さな家」や「母の家」などとも呼ばれています。
2016年には東京・上野の国立西洋美術館など、他の16のル・コルビュジエ作品と合わせて遺産にも登録されています。
「母の家」の名のとおり、コルビュジエの両親のために設計した住宅で、
コルビュジエの母は100歳までこの場所で過ごしたそうです。
母のための裁縫台やダイニングテーブルは
コルビュジエがオリジナルで作ったものが今でも残っています。
湖に向かって横長に設けられた窓は
室内のどこにいても湖を感じられるほど、開放的です。
湖に反射した太陽光をたくさん取り込み、室内を柔らかく照らしていました。
延べ床面積は60平米ほどとコンパクトですが
この家には廊下がなく、各部屋が連続したつくりになっています。
無駄がなく、機能的なプランニングです。
当時は珍しかったであろう回遊動線プランになっていて、
現在でも伸びやかに暮らせそうだなと思います。
また、内装はピンクやパステルグリーンなど多様なカラーが使われており、
ワンルームを色で緩やかにゾーニングしていました。
外庭も室内とおなじくらい、丁寧につくられています。
擁壁に面して、室内と同じようにテーブルと”窓”が設けられており、
半分建築・半分風景のような空間を作り出しています。
窓が湖の情景を絵画のように切り取り、とても美しく穏やかな時間がながれていました。
「湖の家」に入った時から感じたのは、ゆっくりと流れる時間、穏やかな空気感、温かみ…
環境と建築が一体化するような多くの手法が使われており、
サイズ感がしっくりくる、スケール感の掴みやすい住宅でした。