もうすっかり夏ですが、今年の春に訪れた展覧会について記録に残したいと思います。
100 times world in a room
=部屋の中の100倍の世界
東京藝術大学 中山英之研究室 修士1年生だった方々の、1年間の制作記録として行われた展覧会です。
場所は台東区にある花園アレイ5F。
この状況下、
ほとんどの時間を一人暮らしの小さな部屋で過ごしている中で、自分自身を1/100のスケールに見立て、日常のもので建築を考えたそうです。
卵や氷が構造物となり、小さくて大きい世界が広がっています。
「補強:風景を積み上げる」
例えばこちらの作品。
棒状の線材と砂糖が構造です。
線が倒れそうになるところを砂糖が守り、砂糖が変形しようとするところを線材が守る関係。
…砂浜や砂場でよくやる、砂山の上に棒を立てて崩さないように砂を削っていく、あのゲームに似ているなあ。
シンプルですが、これを建築にしてみたらどうだろうという発想が斬新で面白いです。
「求心性:クールな焚火」
この作品も面白いです。
氷が構造物となっています。
溶けてしまうまでの有限な時間、夏に涼を求める人々の求心性が焚火と似ています。
この焚火、1/1スケールの街にも欲しい!と思ってしまいました。
是非実現して欲しいです。
全体的に良い意味であざとい空間で、時間が溶けるように過ぎて行きました。
もうあの空間がなくなっていることが残念です。
最後に、あざとく置かれるジンジャエールの空き瓶と、スタッフオンリーの文字を添えておしまいにします。
[2021.07.30]