知っているようで知らない、マンションフルリノベーションのアレコレ。
リノベーション(リノベ)を検討する時、選択肢は大きく分けて「部分的なリノベーション(リノベ)」と「フルリノベーション(リノベ)」の2つがあります。
どちらにもそれぞれのメリット・デメリットがありますが、今回は「フルリノベーション(リノベ)」に焦点を絞り、知っているようでよく知らないその魅力や、事前に知っておきたい注意事項などを深掘りしていきます!
これからフルリノベーション(リノベ)を検討している方、まだどちらにするか迷っているという方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
物件探しから設計・施工、インテリアまでをワンストップで手掛けるnuリノベーション(株式会社ニューユニークス)のスタッフ。
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<この記事のトピックス>
・マンションフルリノベーション(リノベ)の定義
・フルリノベーション(リノベ)のメリットデメリット
・フルリノベーション(リノベ)で出来ること・出来ないこと
・唯一無二!個性あふれるマンションのフルリノベーション(リノベ)事例3選
フルリノベーション(リノベ)の定義
まずは、フルリノベーション(リノベ)の定義を明確にしていきましょう。
フルリノベーション(リノベ)とは、「full(全て)renovation(刷新)」というその言葉の通り、室内の既存の内装や設備、配管などを全て取り壊し、ゼロから空間を創り上げる家づくりを意味します。
スケルトン・リノベーション(リノベ)などと呼ばれることもありますが、こちらも同義となります。
nuリノベーション(以下、nu)では、このフルリノベーション(リノベ)をMARUGOTOオーダーというサービス名称で呼んでいます。室内を“まるごと”創り変えることで、お客様の価値観を100%反映した唯一無二の空間を生み出すことができます。
対して、nuでは部分的なリノベーション(リノベ)のことをECOオーダーというサービス名称で呼んでいます。築年数が浅い場合やフルリフォーム済みの物件を購入した際の追加工事など、既存を活かしてこだわりたい部分にだけリノベーション(リノベ)ができるECOオーダーは、環境にも経済的にも“エコ”な家づくりが可能になるという魅力があります!
フルリノベーション(リノベ)のメリット・デメリット
自由度の高さが魅力のフルリノベーション(リノベ)ですが、改めてメリット・デメリットを考えたことはあまりないのではないでしょうか。
ここからはマンションでフルリノベーション(リノベ)を行う際のメリット・デメリットをご紹介していきます。
◯メリット
・自分たちにフィットした家づくりが可能
まず何よりもメリットとしてイメージできるのはこのポイントでしょう。
LDKの広さや個室の数、内装・設備のデザインに至るまで、思うままに家づくりができるため、本当に住みたい家・叶えたい暮らしを手に入れることができます。
・目に見えない安心を手に入れられる
フルリノベーション(リノベ)の場合、専有部内の給排水管や排気ダクトなど、ライフラインの更新も併せて行います。
普段は目に見えない箇所になりますが、そういった目に見えない安心も手に入れられるのは大きなメリットになりますね。
・内装や築年数を気にせずに物件探しができる
こちらは物件探し+フルリノベーション(リノベ)を検討されている場合にメリットになるポイント。
フルリノベーション(リノベ)前提で物件を探す場合、既存の間取りやデザインの好みに左右されることなく、マンションの管理状態や周辺環境に目を向けて物件探しをすることが可能になります。
また、販売時に内装に手を加えている物件の場合は、リフォーム代金が物件価格に上乗せされてしまうため割高になるケースも。
そういった意味でも、内装が古い物件を狙って購入することで物件価格を抑え、その分リノベーション(リノベ)費用を多く取るというのも一つの選択肢になります◎
◯デメリット
・工事期間が長い
フルリノベーション(リノベ)の工事期間は物件の広さや工事内容にもよりますが、おおよそ2〜3ヶ月を念頭に入れておく必要があります。
今お住まいのご自宅をフルリノベーション(リノベ)する場合は、仮住まいや家具を一時保管しておくスペースなどの費用も用意しておく必要があります。
一方、新たに購入した物件をリノベーション(リノベ)する場合は、売主から物件の引渡しを受け、ご自身がその物件の所有者になってからでないとマンションへの工事申請や工事着工の段取りを進めることはできませんので、少なくとも2〜3ヶ月は今お住まいの賃貸の家賃と住宅ローンとの二重払い期間が発生するということになります。
フルリノベーション(リノベ)の設計・デザインの打合せ期間は平均で3〜4ヶ月。じっくり検討したいという方であれば半年ほどかけて計画を進めていただく場合もあります。
物件購入のお手続きの流れで、売買契約締結から引渡し(決済)までの期間は約1ヶ月が一般的ですので、設計期間が長引けばその分、二重払いの期間も長くなってしまいます。
焦って決めて後悔することがないよう、事前に好きなデザインや空間イメージを収集しておくこと、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
・近隣への配慮が必要
フルリノベーション(リノベ)に限らず、既存の内装を解体・撤去して家づくりを行う際は大きな音が発生します。
リモートワークなどが増えた昨今、近隣にお住まいの方々への配慮は、今まで以上に細心の注意が必要なポイントとなっています。
nuでは工事開始前に近隣の住戸へご挨拶をし、十分にご説明をした上で工事をスタートするなど、できる限りこのデメリットポイントを解消した上でお客様の家づくりをサポートしています。
そのほか、仮住まいの手配や全体的な資金計画なども包括的にサポートしておりますので、少しでも不安な点があれば担当アドバイザーに相談してみてくださいね。
マンションのフルリノベーション(リノベ)で出来ること・出来ないこと
フルリノベーション(リノベ)の場合でも、マンションの構造上、もしくはその工事の性質上、どうしても出来ないことがあるというのも事実です。
いざ計画を始めてからイメージしていたものと違っていたり、思った通りに計画が進められなかったりということのないよう、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
◯間取り変更
まずは間取り変更について。
スケルトンから改修工事を行うフルリノベーション(リノベ)だからこそ、自分たちの暮らしに合わせて自由に間取りを変更できるのは醍醐味の一つですよね。
さて、ここで皆さんがイメージするフルスケルトン(リノベ)の状態は、先ほどフルリノベーション(リノベ)の定義の章でご紹介したような、内部の壁が全くない長方形の空っぽの空間ではないでしょうか。
確かに、このように全ての壁が壊せれば自由な家づくりが可能ですが、中には室内の壁を残さなければならないケースもあります。
そのケースの1つが“壁式構造”と呼ばれる物件。
柱や梁をつくらずスッキリとしたお部屋を造れるという魅力のあるマンションの建築工法ですが、一方で壁もマンションの構造体となるため、壊すことができない(間取り変更ができない)というデメリットがあります。
壁式構造についてはリノベーション(リノベ)の基礎知識として認知が広まりつつあるので、少しリノベーション(リノベ)の知識があるという方であればご存知の方も多いのではないでしょうか。
ただ、ここで気をつけたいのは室内の一部分のみ壁式構造を採用しているというケースです。
この場合、ほとんど全ての壁は壊すことができますが、一部コンクリートで作られている壁は壊すことができません。水回りを囲う壁や、LDKと廊下・玄関側を隔てる壁が躯体となっているケースが多いです。
◯水回りを大きく動かしたい場合は要チェック!
間取り変更に伴って、キッチンやお手洗い、洗面室を動かしたいと考えている方は、どこまで動かすことができるのか、事前にチェックした上で検討を進める必要があります。
というのも、水回りには給排水の関係があり、これを考えずに闇雲にレイアウトを変更してしまうと不具合や漏水の原因となってしまうから。
図面を見ながら詳しく見ていきましょう!
図面の中で、「PS」と表記されている小さな四角。
これは「パイプスペース」の略称で、マンション全体の排水を流す管が上下階を貫くように通っている空間になります。
間取り変更をする場合でもこのPSは動かすことのできないため、既存のPSの配置ありきで排水勾配などを計算し、全体のレイアウトを決めていく必要があります。
壁を壊せるからといって、どこにでも設備をレイアウトできるわけではないという点は、盲点になりがちですね。
元々キッチン背面の壁の中に隠されていたPS。間取り変更に伴い壁を取り払いましたが、PSは動かすことができないため柱として残すことに。
柱の形状を円柱型に造作することでただの柱ではなくデザイン的な要素に昇華し、この家のアイデンティティとなっています。
水回りの中でも、トイレについては「壁排水」「床排水」の2種類の設置方法があり、こちらもリノベーション(リノベ)で変えることはできないため、必ず既存と同じ方法で新しいトイレの設置を行う必要があります。
場合によってはトイレの配置・向きなども変更が難しいケースもあるため、レイアウト変更を検討している場合は一度担当アドバイザーに相談してみてくださいね。
◯住みながらの工事はほぼ不可能。
つい工事内容やデザイン的な部分に目が行きがちですが、忘れずに頭に入れておきたいのはフルリノベーション(リノベ)の工事期間中に自分たちが住む場所。
また、工事期間中は工事が終わった部屋から住み始める、ということも難しいため、工事が完全に終了し、お引渡しを受けた後に引越しとなることを前提に、賃貸の退去手続きや仮住まいの手配を行う必要があります。
今お住まいのご自宅をフルリノベーション(リノベ)する場合、家具や生活用品なども一度全て運び出し、室内を空っぽにする必要があります。レンタルスペースの手配や不用品の処分など、工事開始までに完了できるよう段取りを進めましょう!
唯一無二!個性あふれるフルリノベーション(リノベ)事例3選
・リノベーション事例:「scheme」(東京都世田谷区)
内窓のフレームとキッチンに取り入れたブラックのアクセントが効いた、開放的なO邸。中古マンションを購入してフルリノベーション(リノベ)を行ったO夫妻は、家事効率の高い回遊性を持たせた空間を創り上げました。
キッチン背面のパントリー、土間収納を抜けて玄関まで回遊できるひと続きの空間。
リビングに居ながら、土間側の窓から差し込む自然光を感じられ、家全体に気持ちのいい風が流れます。
玄関を挟んで反対側には、寝室・ご主人のワークスペース・WIC・洗面室が並びます。こちらも全ての空間に行き止まりのない回遊的な動線を意識。
お二人の価値観を全面に反映させた、フルリノベーション(リノベ)ならではの間取りを実現しました。
・リノベーション事例:「Colorful」(東京都狛江市)
温もりのあるピンクの壁が印象的なN邸。
元々お二人がお持ちだったというカラフルなインテリアと、リノベーション(リノベ)したらたくさん飾りたいと思っていたというグリーンのボタニカルな色合いが引き立つ色を検討していく中で、このピンクにたどり着いたといいます。
寝室には内窓を設け通気性を確保。
キッチン横の壁に貼ったホワイトタイルをよく見ると、目地の色もピンク色。
壁紙と合わせてピンクを採用し、実際に施工された現場を見てみると、想像以上に色がぴったりとあっていたんだそう。
こういった細部にまでこだわり抜いてデザインを楽しむことができるのは、フルリノベーション(リノベ)の楽しいポイントですね。
・リノベーション事例:「Booklyn」(神奈川県川崎市)
NYのブルックリンを連想させる1LDK+WICプラン。
壁に貼り込んだブリックタイルや足触りのいい幅広パイン材のフローリングなど、素材感にこだわって空間を構成していきました。
ダイニングテーブルと一体的に造作したアイランドキッチンはご夫婦のお気に入り。
建物の構造上、キッチン横の壁の位置を変えることができなかったため、シンクとコンロをL字型に配置したアイランドキッチンをオーダーメイドで造作。作業スペースを広く確保したまま、省スペースで設置できるアイランドキッチンを実現しました。
アイランドキッチンと同じく、お二人がどうしても造りたかったというロフトスペース。
「気に入った本は紙で持ちたい派」だという奥様の希望で、ロフトの周りはオープンな本棚で囲い、緩やかな目隠しに。
ロフト下は廊下側から出し入れ可能な収納で、想像以上に収納容量もたっぷり確保できているんだとか。
ロフト上は、今はご主人のワークスペースとして活躍。将来的には息子さんの勉強スペースとして使ったりと、暮らしに合わせていろいろな使い方が可能な空間です。
また、奥様はダイニングでPC作業ができるようダイニングテーブル周辺にコンセントを多めに配置しているため、在宅ワークの日が重なってもほどよい距離感でお互いの作業に集中できるんだとか。
最後に
今回は、マンションのフルリノベーション(リノベ)に焦点を絞り、メリットやデメリット、押さえておきたいポイントをご紹介していきました。
他にもリノベーション(リノベ)に纏わるお金のこと、物件選びや間取り変更の知識をご紹介していますので、下記記事も併せて参考にしてみてくださいね!
◯マンションリノベーションにかかる費用相場と内訳
◯中古マンションのリノベーション。人気の理由と押さえるべきポイントとは?
◯マンションリノベーションしたい方必見!間取りを考える上でのポイント7選