数年前、nuリノベーションでご自宅をリノベーションしたmaruさん。
リノベをきっかけに変化したライフスタイルや、丁寧な暮らしをつむぐmaruさんの等身大の日常をお届けします。
ゆく年くる年
早いもので今年最後の 暮らしごと となりました。
皆さんはどのような一年を過ごされましたでしょうか。
この一年も昨年同様にいろいろなことに制限がかかる1年となり、私にとっては昨年以上に日常の有り難さに気付かされる日々となりました。
この時期になると日記帳が欲しくなります。
いろいろなスタイルの日記帳がありますが、私は5年日記、10年日記に惹かれます。
5年、10年単位で同じ日をひとつのページで見比べられるので、5年前の今日は何をしていたかが一目で分かったり、1日分が数行なので気負わずに書き残せるのも魅力です。
そんな5年手帳ですが、ここ数年はお店で見つけても買う気になれずにいます。
ページを開いた時、5年先までの間にどんな楽しいことが待っているかより、いつの間にか悲しいことが起きてしまいそうな気持ちの方が大きくなってしまっているからで、例えば親が高齢になってきたことなどが原因なのだろうと思います。
そんな躊躇がある無しにかかわらず親は元気でいてくれて、やっぱり5年日記を書いておけば良かったと年末になると安堵したりしています。
両親は元気でいてくれていますが、いつの間にかひとまわり小さくなり、背中は丸くなり、助けてあげることも増えました。
お正月といえば実家へ帰り、母のお節をいただいたものですが、数年前に「今年は簡単でいいかな?」と聞かれ、「いいよいいよ」と普通に答えましたが、そっか、もうそういう年だよね、、と自分の中でひとつの大きな区切りの時となったことを覚えています。
その翌年、母は大切に集めていた野田琺瑯の保存容器のほとんどを私に譲ってくれました。
もうこんなに使うこともないだろうからと。
同じ時期に息子が家を巣立ったこともあり、これからは我が家が息子にとっての実家になるんだ、今度は私がこの容器に料理をたくさん作る番になるんだなとしみじみと思ったものです。
初めて母から大切に使っていた物を受け継ぎ、寂しいような、悲しいような、なんとも言えない複雑な気持ちになり、こうして日々は巡るのだなぁと感じました。
そんな出来事もあり、5年手帳を使うことをためらうようになってしまったのだと思います。
母方の祖母の家はとある村のお山のてっぺんにあり、季節の移り変わりや空や月の美しさなど、幼いながらも私はそこからたくさんのことを吸収しました。
広い縁側や土間のある昔ながらの民家で、昔は寒くて暗くて怖かったのですが、今の私のモノ選びの原点はここでの暮らしぶりにあると思っています。
例えば数年前にnuリノベーションさんにてリノベーションをしていただいた我が家のキッチンは、祖母の家のお台所がモデルです。
マンションなのでさすがに土間にはできませんでしたが、水屋箪笥や古材を活かした棚の雰囲気、陽の差し込み方など、ふと祖母の家を思い出せる空間となりました。
祖母からみて娘である私の母はそんな田舎暮らしが嫌で都会に飛び出し、ハイセンスな物が好きな人で、孫の私は田舎や古いモノが好きで昔の素朴な暮らしを懐古して、、これが隔世遺伝というものなのでしょうか。笑
人も、思いも、日々も巡り巡って今がある。
このご時世、皆が健康で笑顔でいられるだけでも有り難いのに未来の不安に怯えて過ごすなんて、そんな時間こそがもったいないですよね。
笑顔でいられる今を大切に過ごしていれば、そんな不安もきっと薄れていくのでしょう。
来年こそは良いひととき、楽しい日々を日記に残していきたいなと思っています。
6ヶ月前からの連載のスタートでしたが、読んでくださった皆様に、心からどうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様のもとにもたくさんの灯りが灯る一年となりますように。
2021年最後の季節の一枚は、今年初めて自分で作ってみたクリスマスのリースの写真を。
そうそう、資格試験は無事に合格できました。
応援してくださっていた方がいらっしゃいましたら、どうもありがとうございました。
撮影・文:maru
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